抹茶の等級と価格の違いを解説|グレードの見分け方と失敗しない選び方

抹茶を選ぶとき、価格の差に戸惑ったことはありませんか?「なぜこんなに高いの?」「どれを選べばいいの?」と悩む方は多いでしょう。本記事では、抹茶の等級と価格の違いをわかりやすく解説し、用途に応じた最適な選び方を丁寧に紹介します。

この記事では、以下のことがわかります:

  • 抹茶の価格差が生まれる理由と製造工程の違い
  • グレードごとの特徴と見分け方
  • 用途別おすすめグレード(茶道・ラテ・日常用)
  • 初心者向けの選び方と価格帯の目安

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なぜ抹茶の価格はここまで違うのか?

抹茶の価格には、100g数百円から数千円を超えるものまで、大きな差があります。 これは単なるブランドや流通の違いではなく、製造工程の違い=品質の差が主な要因です。

抹茶の品質は「被覆方法」「摘採方法」「粉砕方法」によって大きく左右されます。

被覆方法の違い

抹茶の原料となる碾茶(てんちゃ)は、新芽を一定期間日光から遮って育てる「覆い下栽培」により栽培されます。この方法により、甘み・うまみ成分であるテアニンが多く残り、香りや色合いも向上します。

  • 棚がけ被覆:支柱と棚を組んで寒冷紗などで覆う方法。遮光率は95〜98%。品質が高く、コストも高め。
  • 直がけ被覆:茶葉に直接寒冷紗をかける簡易な方法。遮光率は約85%。大量生産向きでコストを抑えられる一方、品質は棚がけに劣る傾向があります。

摘採方法の違い

  • 手摘み:人の手で丁寧に新芽だけを摘む方法。品質は非常に高いですが、1時間あたりの収穫量は1〜3kgと限られています。自然仕立ての茶園ではより多くの肥料と強い遮光を行うことができ、上質な茶葉の育成が可能です。
  • 機械摘み:バリカンのような機械で剪定された茶樹から収穫。古葉や茎が混ざる可能性があるものの、生産効率は非常に高く、量産に向いています。

粉砕方法の違い

  • 石臼挽き:昔ながらの製法で、香りや口当たりに優れます。1時間に約30〜50gの粉砕が可能で、熱による品質劣化が少ないのが特長です。
  • 粉砕機(ミル):大量生産が可能で、コストを抑えられます。ただし熱がかかることで風味が落ちることもあるため、用途に応じた選定が必要です。

抹茶のグレードを見分ける基準

抹茶には公的な等級制度はありませんが、茶葉の栽培・加工工程により、一般的なグレード分類がされています。

グレード被覆摘採茶期粉砕特徴
A棚がけ(本ず)手摘み一番茶石臼極上の品質。主に濃茶で使用される希少品
B棚がけ(寒冷紗)手摘み一番茶石臼高品質な薄茶にも適したグレード
C
直がけ
機械摘み一番茶石臼飲用としての品質を保つ中級グレード
D
直がけ
機械摘み一番茶粉砕機スイーツ・ラテ向け。苦味が引き立つ
E
直がけ
機械摘み二番茶以降粉砕機食品加工用。用途により有効

※「一番茶」とはその年の最初に摘まれた新芽で、もっとも品質が良いとされます。

目的別に選ぶ抹茶のグレード

茶道で使うなら

  • 濃茶:Aグレードなどの本ず栽培・手摘み・石臼挽きで作られた抹茶が最適。
  • 薄茶:B〜Cグレードでも十分楽しめます。香りや旨味のバランスが重要です。

抹茶ラテ・スイーツなら

  • 苦味・渋味が欲しい場合:Dグレードが適しています。ラテや製菓にすると抹茶の風味が引き立ちます。
  • 上級抹茶の使用は非推奨:まろやかで繊細な風味がミルクや砂糖にかき消されやすく、コスト面でも非効率です。

初心者におすすめの価格帯

  • 30gで1,000〜1,500円前後が目安です。
  • この価格帯は石臼挽き一番茶が中心で、飲用にも加工にも使いやすいバランス型です。
  • 飲み比べることで、自分好みの味わいを見つけやすくなります。

品種・産地・製造背景によるさらなる違い

品種による風味の違い

抹茶に使われる茶葉の品種によって、風味や香りに個性が出ます。特に「オグラミドリ」「アサヒ」「サミドリ」などの優良品種は、旨味・香り・色合いに優れています。現在は多くの抹茶が複数の品種をブレンドして仕上げられており、バランスの取れた味が実現されています。

産地による特徴と誤解

京都・宇治や愛知・西尾などが有名産地とされていますが、産地=品質の保証とは限りません。特に宇治抹茶は名の知れたブランドではありますが、グレードや加工方法の違いによって品質は大きく異なります。京都府産というだけで高品質とは言い切れないため、あくまで中身=茶葉の条件で判断するのが適切です。

メーカーごとのブレンド技術の違い

抹茶の品質は「原料そのもの」だけでなく、「製造技術やブレンドセンス」にも左右されます。同じ価格帯でも、使用されている原料や製造工程によって味や香りに大きな差が出ることがあります。メーカーによって営業コストや広告費を抑え、より良い原料に予算を回しているケースもあるため、信頼できる茶舗を選ぶことも大切な判断基準です。

飲用抹茶と加工用抹茶の線引き

「飲用抹茶」と「加工用抹茶」の区分に明確な公的基準はなく、各メーカーが独自の基準で分類しています。苦味や渋味の強さから飲用に向かないと判断されたものが加工用とされる傾向がありますが、製品によっては加工用として販売されている抹茶が他社では飲用として提供されることもあります。

さらに、食品用途向けに性能を調整した「着色加工抹茶」や「撹拌性を高めたペースト状抹茶」「油脂添加で退色を防いだ抹茶」などもありますが、これらは純粋な抹茶とは異なり、添加物が含まれる場合があります。

味・色・香りに見る抹茶のグレードの違い

比較項目高級抹茶加工用・低価格抹茶
甘味・旨味が強い。苦味が少ない渋味・苦味が強い。旨味は控えめ
鮮やかな濃緑色黄緑〜ややくすんだ色味
香り覆い香(特有の甘い香り)が豊か香りが弱い、覆い香が感じにくい

※抹茶は光・湿気・酸化に弱いため、開封後は冷暗所で密封保存し、冷蔵保存する場合は結露を防ぐために常温に戻してから開封しましょう。目安として、未開封で6か月、開封後は1〜2か月以内の消費が推奨されます。

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まとめ

抹茶の価格や等級の違いは、栽培方法・収穫方法・加工技術などの手間と品質の積み重ねにより決まります。

濃茶や薄茶、スイーツ、ラテなど、それぞれの用途に適したグレードを選ぶことが、美味しさを最大限に引き出すポイントです。

初心者の方はまず中価格帯の抹茶からスタートし、飲み比べや用途によって、自分に合った抹茶を見つける楽しみを味わってみてください。

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