『点てる』ってなに?“たてる”と“いれる”の違いをやさしく解説

抹茶を飲むときによく耳にする「点てる(たてる)」という言葉。
「お茶を点てる」ってどういう意味? コーヒーや煎茶のように「いれる」とは違うの?
そんな疑問をやさしく解説します。茶道の作法や言葉の違いを知ることで、より豊かに日本茶文化を楽しめるようになります。

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「点てる」と「いれる」の違いとは?|基本をやさしく理解しよう

結論から言うと、「点てる」は抹茶、特に茶道に関わる用語であり、「いれる」は主に煎茶やコーヒーに使われる日常語です。

「点てる(たてる)」とは?

「点てる」とは、抹茶にお湯を注ぎ、茶筅(ちゃせん)で泡立ててつくる作法のことを指します。
単に混ぜるのではなく、一服のお茶として客をもてなす精神を含む、茶道特有の所作です。

茶道における「型」と意味

茶道で抹茶を点てるとき、茶碗・茶筅(ちゃせん)・茶杓(ちゃしゃく)・棗(なつめ)などの道具を一つひとつ丁寧に扱うことが求められます。
これは単に形式に従うというだけではなく、道具に敬意を払い、その美しさや機能に心を寄せるという日本独自の美意識を反映しています。

道具を使う際の注意点と作法の一例

  • 茶筅:泡を立てる道具。柄を強く握らず、手首のスナップで素早く動かす
  • 茶杓:抹茶をすくう道具。穂先を丁寧に使い、すり切りで量を測る
  • 茶碗:手に持ちやすい角度で持ち、客が美しい側から飲めるように配置する

これらの手順には、無駄を削ぎ落とした美しさ(侘び)と、調和を大切にする精神が流れています。

出典:『茶の湯の事典』(淡交社, 2015年)

「いれる」とは?

一方、「いれる」はより広く使われる言葉で、煎茶や紅茶、コーヒーを淹れる際に使われる表現です。

こちらは家庭や日常で使う実用的な言葉で、精神性や儀礼的要素は少ないのが特徴です。


なぜ抹茶だけ「点てる」というの?|言葉に込められた意味と文化

「点てる」は、茶道という“道”に関わる文化的背景から生まれた特別な表現です。

茶道における「点前(てまえ)」との関係

茶道では、一服の抹茶を用意する一連の所作を「点前(てまえ)」と呼びます。
「点てる」はその一部であり、茶筅を使って丁寧に泡を立てる動作に美的価値があるとされています。

  • 客を思いやる心
  • 道具・動作・姿勢の一体感
  • 静寂と集中の時間

これらが「点てる」という表現に含まれるため、単に「いれる」とは区別されます。

出典:『茶道入門』裏千家学園, 2020年

「茶を点てる」は“行為”以上の意味を持つ

抹茶を点てることは、単に飲み物を用意することではなく、一期一会の精神に基づいた行為です。
「点てる」には、作法・心構え・おもてなしといった、日本文化の根幹が息づいています。


コーヒーや煎茶と比べてみよう|飲み物と作法の違い

ここでは、抹茶・煎茶・コーヒーの「いれ方」と「言葉の使い方」を比較してみましょう。

飲み物作法・工程よく使われる動詞特徴
抹茶茶筅で泡立てる点てる茶道の作法、精神性を伴う
煎茶急須で抽出いれる家庭や日常の場で使う
コーヒードリップや抽出いれる実用的・リラックス目的

抹茶には「点てる」、煎茶やコーヒーには「いれる」が使われますが、どちらが正しいという話ではなく、目的と文化の違いが言葉の違いを生んでいるのです。


実際にやってみよう|抹茶を点てる体験のすすめ

「点てる」と「いれる」の違いがわかったら、実際に体験してみるのが一番です。

抹茶を点ててみる手順

  1. 抹茶を茶碗に1〜2g入れる(茶杓2杯程度)
  2. 70〜80℃のお湯を60〜70ml注ぐ
  3. 茶筅で「M」の字を書くように素早く点てる
  4. 泡がきめ細かく立ったら完成

家庭でも道具があれば簡単にできますが、茶道体験教室では、正しい姿勢や道具の扱い方も学べるのでおすすめです。

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まとめ|「点てる」を知ると、抹茶がもっと好きになる

「点てる」は、抹茶をただ飲むだけでは味わえない“日本文化の奥深さ”を体感できるキーワードです。

  • 抹茶を「点てる」は、作法や心を大切にする文化的行為
  • 煎茶やコーヒーは「いれる」ことで、日常に癒しをもたらす
  • 違いを知ることで、より豊かに飲み物と向き合える

出典一覧:

  • 『茶の湯の事典』淡交社, 2015年
  • 『茶道入門』裏千家学園, 2020年
  • 日本茶インストラクター協会『日本茶の基礎知識』, 2021年

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