お茶はなぜ緑色なの?その秘密と変化のメカニズムをやさしく解説
お茶といえば“緑色”のイメージが強いですが、よく考えると「茶」という漢字は“茶色”を意味する不思議な存在。
「お茶はなぜ緑色なの?」と疑問に思ったことはありませんか?
本記事では、緑茶の色のもとであるクロロフィル(葉緑素)の働きや、お茶の製法による色の違い、時間が経つと茶色に変化する理由、さらにはなぜ「茶色」という言葉が定着したのかまで、科学と歴史の両面から分かりやすく解説します。
お茶の色の秘密を知れば、いつもの一杯がちょっと特別に感じられるはずです。
緑茶の魅力を、色という切り口から一緒に深掘りしていきましょう。
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茶葉が緑色なのはクロロフィルのおかげ

私たちが飲んでいる緑茶。その鮮やかな緑色はどこから来ているのでしょうか?
結論から言うと、それは茶葉に含まれる「クロロフィル(葉緑素)」という色素によるものです。
クロロフィルは植物が光合成を行うために必要な成分で、光の中でも緑色の光を反射する性質があります。そのため、植物の葉やお茶の茶葉は緑色に見えるのです。
さらに、日光を遮る「被覆栽培」で育てた玉露や碾茶は、クロロフィルの生成量が多くなるため、より濃い緑色の茶葉になります。抹茶のように鮮やかな色を持つお茶は、こうした栽培法によって作られているのです。
緑色を守る「殺青」工程とは?緑茶の製法と色の関係

画像出典:瀬戸谷のめぐみ茶園 (https://setoyamegumi.theshop.jp/blog/2021/06/06/225922)
茶葉はそのままにしておくと、クロロフィルが酸化して褐色へと変化してしまいます。これを防ぐために、お茶の製造では「殺青(さっせい)」という加熱工程が行われます。
殺青とは?
殺青とは、茶葉を蒸したり釜で炒ったりすることで、酸化酵素の働きを止め、クロロフィルの酸化を防ぐ工程です。
この工程によって、緑茶特有の鮮やかな緑色と爽やかな香りが保持されます。
たとえば、煎茶や玉露、抹茶などはすべてこの殺青工程を経て作られており、発酵を抑えた“非発酵茶”であるため、緑色が保たれるのです。
お茶の種類で色が違う理由|緑茶・紅茶・ウーロン茶の違い

同じ茶葉から作られるのに、紅茶やウーロン茶はなぜ茶色や赤褐色になるのでしょうか? それは、製法の違いにあります。
緑茶との違いは発酵の有無
- 緑茶:殺青によって酸化酵素を止め、非発酵のまま加工
- ウーロン茶:半発酵させることで一部のクロロフィルやカテキンが酸化
- 紅茶:完全発酵させて酸化を進め、赤みを帯びた茶色になる
つまり、発酵度の違いが茶の色を大きく左右するのです。
また、茶葉を抽出した色のことを「水色(すいしょく)」と呼び、煎茶は黄緑色、深蒸し茶は濃い緑色、ほうじ茶は茶色というように、種類ごとに水色も異なります。
放置するとお茶が茶色くなるのはなぜ?酸化と劣化のメカニズム

「淹れたばかりは緑色だったのに、時間が経つと茶色に…」そんな経験はありませんか?
これは、お茶に含まれるクロロフィルやカテキンが酸化することで起きる自然な現象です。
フェオフィチンへの変化
クロロフィルは酸化が進むと、「フェオフィチン」という茶褐色の物質に変化します。これによって、緑色だったお茶が徐々に黄色〜茶色っぽく見えるようになるのです。
酸化で味や香りも変化
さらに、酸化によってカテキンがテアフラビンやテアルビジンなど別の成分に変化し、渋みや苦みが増したり、香りが飛んでしまうこともあります。
そのため、緑茶は淹れてから時間を置かずに飲むのがベストです。
緑色を長持ちさせる保存方法のポイント

鮮やかな緑色と爽やかな香りをキープするには、正しい保存方法が欠かせません。
お茶の大敵は、「高温・多湿・光・酸素」です。
保存のポイント
- 密閉容器で保管する(ジップ付き袋や茶筒)
- 冷暗所に置く(直射日光や照明を避ける)
- 使う分だけ開封する(なるべく空気に触れさせない)
保存場所の目安
| 保存場所 | 保管期間(目安) | ポイント |
|---|---|---|
| 冷蔵庫 | 約3〜6ヶ月 | 密閉してから保管すること |
| 常温 | 約1〜2ヶ月 | 夏場は避け、涼しい場所に |
これらを守ることで、クロロフィルの酸化を最小限に抑えることができます。
なぜ「茶色」と書いて“緑色”の飲み物?お茶と色名の歴史的背景
「お茶は緑色なのに、なぜ“茶色”と書くの?」
この疑問には、お茶の歴史が深く関わっています。
かつて平安〜鎌倉時代に飲まれていたお茶は、茶葉を蒸さずに煮出したもので、赤黒い褐色の液体でした。これが布を染めると茶色(ブラウン)になることから、「茶色」という色名が生まれたとされています。
その後、江戸時代中期に「蒸し製法」や「手揉み製法」が登場し、緑色の煎茶が誕生。これが庶民にも広がり、私たちが今知っている「緑茶文化」が形成されたのです。
つまり、お茶=茶色という言葉は、古い製法のお茶の色から来ているという歴史的背景があるのです。
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まとめ|緑茶の美しい色は“技と科学”の賜物!
緑茶の鮮やかな緑色は、茶葉に含まれるクロロフィルの力と、職人の製法「殺青」によって守られています。
また、時間経過や保存環境によって色が変わるのは、クロロフィルやカテキンの酸化による自然な変化です。
緑茶が緑色である理由を知ることで、毎日の一杯に込められた技術と工夫に気づくことができます。
大切なお茶をより美味しく楽しむために、保存方法や鮮度にも気を配ってみてくださいね。


