お茶副産物ビジネス徹底解説|茎茶・粉落ち活用で収益化とSDGsを実現

お茶を製造する過程で生まれる「茎茶」「粉落ち」「ふるい粉」などの副産物。
一見すると廃棄されがちなこれらの素材が、今や新たな収益源やサステナブルビジネスの柱として注目されています。

本記事では、抹茶製造で発生する副産物の種類や特徴、国内外の活用事例、収益化モデル、価格設定のポイントまでを徹底解説。
食品・飲料業界、化粧品メーカー、農業関係者、そして新規事業を考える方必見の内容です。
お茶副産物の可能性を知り、あなたのビジネスに活かしてみませんか?

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抹茶製造で生まれる「副産物」とは?

抹茶は、てん茶を石臼で丁寧に挽くことで生まれる高級茶。しかしその過程では、茎や粉落ちなどの“副産物”が必ず発生します。副産物というと「廃棄物」をイメージしがちですが、実際には旨味や香り成分を豊富に含む貴重な資源です。これらを有効活用すれば、食品や化粧品、農業資材にまで幅広く展開できる可能性があります。ここでは代表的な「茎茶」「粉落ち」「ふるい粉」について詳しく解説します。

茎茶(くきちゃ)

茎茶は、抹茶や玉露を製造する際に選別される茶葉の茎部分から作られます。茎は葉に比べて渋み成分であるカテキンが少なく、テアニンが豊富なため甘みと旨味が際立つのが特徴です。爽やかで青々しい香りは、濃厚な抹茶や煎茶とは異なる魅力を持ちます。

特に玉露の茎を使った「玉露茎茶」は、上品な甘みとコクが評価され、近年は高級茶としても人気です。抹茶製造で生じる茎茶は、通常の煎茶よりも原価が低く安定供給しやすいため、業務用原料やギフト用ブレンド茶に活用されるケースが増えています。副産物でありながら、コストパフォーマンスの高い商材として注目されています。

粉落ち・ふるい粉

石臼挽きの抹茶製造では、微粉末にならなかった粒や、ふるいにかけた際に残る粗い粒が必ず出ます。これらは「粉落ち」「ふるい粉」と呼ばれ、粒度や色味が揃わないため一級品の抹茶とは区別されますが、風味や栄養価はそのままです。

粉落ちは、製菓・製パン業界で特に需要が高い原料です。クッキーやマドレーヌ、抹茶ラテベース、アイスクリームなどに使えば、コストを抑えつつ抹茶の風味をしっかり表現できます。近年では、ふるい粉をブレンドして「濃いめ抹茶」や「抹茶塩」として販売するケースも増えており、食品ロス削減と付加価値創出を両立する素材として注目されています。

副産物がビジネスになる理由

お茶の副産物は「廃棄物」と捉えられがちですが、実は利益と社会的価値を同時に生む“未開拓資源”です。活用することでコスト削減、新しい収益源の確保、そしてサステナブルなブランド作りにつながります。

コスト削減+新収益源

副産物を活用する最大のメリットは、廃棄ロス削減と収益化の両立です。
例えば、抹茶の粉落ちやふるい粉はそのまま廃棄すればコストがかかりますが、製菓・製パン業界向けに販売すれば新たな売上となります。

  • 原料コスト削減:通常の抹茶より安価で入手できるため、メーカー側も仕入れコストを抑えられる
  • 安定供給が可能:製茶工場では年間を通じて副産物が出るため、長期契約にも適する
  • 小規模事業者にもメリット:スモールスタートしやすく、試作品開発のコスト負担を軽減

このように、廃棄コストを利益に変えることで、製茶工場・メーカー双方がウィンウィンの関係を築けます。

サステナブル・ブランディング

副産物を活用することは、SDGsやESG投資の観点からも高く評価されます。
現代の消費者は「何を買うか」だけでなく「どんな背景の商品か」を重視する傾向が強まっています。

  • 食品ロス削減への貢献:廃棄を減らし、環境負荷を低減
  • 循環型社会への参加:副産物を原料に戻すことで資源の循環を実現
  • ブランドストーリーの強化:環境配慮の姿勢をアピールできる

実際、伊藤園は年間約5万トンもの茶殻を再資源化し、紙・樹脂・建材へのアップサイクルを進めています。さらにレザーブランド「genten」と協業し、茶殻でなめした革製品を開発。「副産物×副産物」で生まれた製品は、抗菌・防臭効果と環境配慮を兼ね備え、消費者から高い支持を得ています。

活用事例|菓子・飲料からコスメまで

お茶副産物の活用は、すでに食品・飲料業界にとどまらず、化粧品や農業分野にも広がっています。国内外の事例から見ても、副産物は単なる副産物ではなく、多用途に展開できるサステナブル素材として注目されています。

製菓・製パン業界

抹茶の粉落ちやふるい粉は、クッキー・マカロン・ラングドシャ・フィナンシェなど、焼き菓子の原料として広く利用されています。焼成後は色や粒度のばらつきが気にならず、コストを抑えつつ抹茶らしい風味と鮮やかな色を表現できるのが魅力です。

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こうしたレシピは、製菓メーカーだけでなく、ベーカリーやカフェの限定メニュー開発にも応用されています。

飲料・食品原料

ふるい粉は、ペットボトル緑茶や抹茶ラテ、抹茶アイスクリームなど大量生産向け製品に最適です。通常の抹茶より低コストで調達できるため、飲料・食品メーカーは安定した供給とコストコントロールが可能になります。

近年では、クラフトビールやスムージーに抹茶副産物をブレンドする動きも登場。狭山茶業者とアサヒグループが共同開発した「狭山GREEN」は、ケバ茶(茶葉の細片)をブレンドしたサステナブルビールとして注目を集めています。

化粧品・健康食品

茶殻やふるい粉は、スクラブ入りフェイスウォッシュ・入浴剤・ボディケア商品の原料として利用されています。カテキンの抗酸化作用や抗菌作用を訴求できるため、美容業界でも人気です。

さらに、粉落ちを乾燥させて微粉末化し、サプリメントや機能性食品の原料として活用する事例も増えています。特に、海外市場では「グリーンティーパウダー」として健康志向の消費者に受け入れられやすく、輸出商材としての可能性も広がっています。

堆肥・飼料活用

農業分野では、茶殻をペレット状に加工して肥料として再利用する取り組みが進んでいます。伊藤園・JAおおいがわ・ホテイフーズが共同開発した「サス茶(ティー)ナブル」は、茶殻を主原料とした窒素肥料で、2025年から静岡県の契約茶園で本格運用が始まりました。

  • 化学肥料の使用量を削減
  • 地域資源循環型農業を実現
  • 茶園の土壌改良と品質向上に貢献

さらに、茶殻を家畜の飼料に混ぜることで腸内環境改善や臭気低減の効果も期待され、循環型農業モデルとして注目されています。

収益化モデルと価格設定の考え方

お茶副産物は通常の抹茶より低価格で取引されますが、付加価値を付ければ十分に利益を生み出せる商材です。収益化を成功させるポイントは、価格設定とブランディングにあります。

原価ベースの価格設計

粉落ちやふるい粉は、上級抹茶の半額〜3分の1程度で取引されるケースが多く、kg単価でOEM向けに販売することで安定収益が確保可能です。

例:OEM向け価格イメージ

上級抹茶
1kgあたり4,000〜6,000円
粉落ち・ふるい粉
1kgあたり1,500〜2,500円
茎茶
1kgあたり1,000円前後(業務用ブレンド向け)

この価格帯であれば、製菓・飲料メーカーは製品原価を下げつつ抹茶感を表現できるため、継続的な取引につながります。生産者側も廃棄コスト削減と安定販売の両立が可能です。

ブランド価値を高める付加価値戦略

価格だけで勝負するのではなく、“物語”と“環境価値”をセットで提供することが重要です。

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実際、伊藤園×gentenのコラボ製品は「茶殻×皮革」というストーリーを打ち出し、環境意識の高い層やギフト需要にヒットしました。副産物を「安価な規格外品」ではなく「選ばれる理由のあるプレミアム素材」として見せることで、価格競争に巻き込まれずに済みます。

導入ステップ|副産物ビジネスの始め方

お茶副産物を活用した新規ビジネスは、闇雲に始めるのではなく段階的に検証・拡大していくプロセスが成功の鍵です。以下のステップを踏むことで、リスクを最小化しつつ市場に受け入れられる商品を開発できます。

原料の安定供給を確保
まずは副産物を供給してくれる製茶工場や飲料メーカーとの関係構築が不可欠です。年間の発生量、品質のばらつき、価格帯を確認し、長期的に安定調達できる契約を結びましょう。
用途開発・試作
次に、粉落ちや茎茶の特性を生かしたレシピや試作品を開発します。小ロットで試作し、味・色・香り・歩留まりを確認。ターゲット層(業務用か小売用か)を明確にしながら商品化の方向性を決めます。
OEM・加工委託先の選定
用途によって最適な加工業者は異なります。食品ならHACCP認証工場、化粧品ならISOやGMP対応工場、飼料なら飼料安全法に適合した施設など、法規制や品質基準を満たした委託先を選びます。
パッケージ・ブランド設計
消費者に「ただの規格外品ではない」と伝えるために、アップサイクルやサステナブルを前面に打ち出したデザインを採用します。
 - パッケージに「副産物活用」「食品ロス削減○%」などのメッセージを明記
 - ブランドストーリーをSNSやECサイトで発信
小規模ロットで市場テスト
いきなり大規模生産するのではなく、まずはECサイトやクラウドファンディングでテスト販売。消費者の反応を見てレシピや価格設定を調整します

このプロセスを踏むことで、初期投資を抑えつつマーケットフィットを確認でき、成功確率を高めることができます。

副産物活用の一歩を踏み出そう

お茶副産物ビジネスは、小さく始めて大きく育てられる分野です。
まずは原料の供給先やOEM先を調べ、試作や市場テストからスタートしてみましょう。

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まとめ|副産物は新しい収益とブランド価値の源泉

お茶の副産物は、もはや「廃棄物」ではありません。
廃棄ロス削減・コスト削減・環境配慮(SDGs)・ブランド価値向上という複数の課題を同時に解決できる、未来志向のビジネスチャンスです。

製菓・飲料・コスメ・農業といった幅広い分野で応用が進んでおり、活用次第では新しい市場を切り開くポテンシャルもあります。副産物を「アップサイクル資源」として活用すれば、差別化された商品開発と持続可能なブランド作りが可能です。
今こそ、お茶産業に眠る“もったいない資源”を利益と価値に変えてみませんか?

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