防災食・ミリタリー食に広がる“抹茶”|保存性と機能性の両立
震や台風などの災害リスク、さらには国際的な安全保障の観点から注目される「防災食」「ミリタリー食」。これらに共通するのは、長期保存できることと高い栄養機能を持つことです。
近年、その条件を満たす食品として脚光を浴びているのが、日本が誇るスーパーフード「抹茶」。粉末形態による保存性に加え、カテキンやテアニン、カフェインといった成分がもたらす健康効果が、防災や軍事の現場で新たな価値を発揮し始めています。
本記事では、防災食・ミリタリー食における抹茶の活用可能性と、ビジネスとしての市場展開について詳しく解説します。
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抹茶が防災食・ミリタリー食に適する理由

粉末形態による高い保存性
抹茶は、茶葉をそのまま石臼で挽き粉末化した形態であるため、軽量かつコンパクトに保存・輸送できるのが大きな強みです。わずか数グラムでも多くの栄養素を含み、場所を取らないため、備蓄や携行が必要な防災・軍事現場に理想的です。
さらに、アルミパックや窒素充填を組み合わせることで、未開封で1年以上の保存が可能。一般的な液体飲料や調理済み食品に比べ、酸化や劣化のリスクを抑えやすいのも特長です。お湯や水に溶かすだけで即座に飲用できるため、燃料や調理器具が限られた環境でも機能する点は、防災食・ミリタリー食として非常に相性が高いといえます。
機能性成分の豊富さ
抹茶は単なる嗜好品ではなく、栄養・機能性成分をまるごと摂取できる機能性食品です。代表的な成分は以下の通りです。
災害時の避難所生活や長時間任務の続くミリタリー環境では、疲労・眠気・ストレスの3つを同時にケアできる食品は稀少です。抹茶はこの課題を一挙にカバーできるため、今後ますます需要が高まると考えられます。
防災食としての活用事例

備蓄用抹茶ドリンクパウダー
近年、国内メーカーの一部では、防災備蓄用として水やお湯にサッと溶ける抹茶パウダー飲料の開発が進んでいます。小分けスティックや個包装にすることで、災害時に配布しやすく、誰でもすぐに摂取できるのが特長です。
従来の防災食は、主食としてのアルファ米やクラッカーが中心で、飲料は水・スポーツドリンクが一般的でした。しかし、長期避難生活が続くと「味に飽きる」「栄養が偏る」という課題が浮上します。そこで、抹茶パウダー飲料は嗜好性と栄養補給を両立できる新しい備蓄食品として注目されています。さらに、粉末形態で軽量・省スペースのため、企業や自治体の備蓄庫においても効率的に保管できます。
子どもや高齢者にも飲みやすい利点
災害時には、子どもや高齢者といった栄養面で配慮が必要な層に、どのように食事を提供するかが大きな課題になります。抹茶を使った甘さ控えめの抹茶ラテや、タンパク質・ビタミンを追加した栄養強化抹茶ゼリーは、こうした層でも無理なく摂取できる形態です。
また、抹茶特有のやさしい苦味と香りは、「非常時の緊張感を和らげる」という心理的な効果も期待できます。避難所生活では、温かい飲み物が提供されるだけでも安心感が大きく、“心の防災食”としての役割も果たすのです。特に日本人にとって馴染み深い抹茶は、異世代に受け入れられやすく、飲みやすさの点でも優位性があります。
ミリタリー食における応用

集中力維持と疲労回復サポート
軍事行動や長時間の任務においては、兵士が常に高い集中力を維持しながらも、極度の緊張や疲労に押しつぶされないことが重要です。従来はコーヒーやエナジードリンクが多用されてきましたが、カフェインのみでは神経を過度に刺激し、不安感や睡眠障害を招くリスクも指摘されています。
抹茶にはカフェインに加え、テアニンというアミノ酸が含まれており、「覚醒」と「リラックス」のバランスを自然な形で実現します。近年の研究では、テアニンが集中力の持続やストレス軽減に効果をもたらすことが示されており、米軍や自衛隊が研究する「戦闘糧食(MRE: Meals Ready to Eat)」の改良にも適合しやすい成分です。結果として、抹茶は「眠気を抑えつつ過度な緊張を防ぐ」という理想的な働きを期待でき、長時間の監視任務や夜間行動において有用と考えられます。
携行性と多用途性
軍事行動では、軽量で省スペースな携行食が求められます。粉末抹茶はスティックタイプや個包装にすることで、兵士がポケットや装備に収めて簡単に持ち運べる仕様にでき、極めて実用性が高いといえます。
さらに、水や湯に溶かしてドリンクとして飲むだけでなく、パンやシリアルに振りかけたり、栄養バーやスープの味付けに使ったりと、「飲む」以外の形態にも展開可能です。これにより、単調になりがちな軍用食に変化を加え、食欲の維持や嗜好性の向上にも貢献します。
実際に、アメリカ軍ではカフェイン入りガムやゼリー、イギリス軍ではティーバッグの支給といった形で「覚醒系食品」が導入されています。今後、抹茶がスティックパウダーやバーの形態でミリタリー食に組み込まれれば、自然由来で健康リスクが低い選択肢として国際的に採用される可能性があります。
参入チャンスと市場規模

防災食市場の拡大
日本国内の防災食市場は、内閣府や民間調査の試算によれば年間1,000億円前後の規模に達しており、今後も拡大傾向にあります。特に東日本大震災以降、自治体や企業における「3日分から7日分以上の備蓄」が推奨されるようになり、需要は一層増加しています。
従来の乾パンやアルファ米は主食としての役割を果たしますが、嗜好性や栄養バランスに乏しいという課題がありました。そこで、抹茶を取り入れた飲料やスイーツ型の防災食は、
という3つの要素を満たし、従来品との差別化が可能です。また、粉末形態のため保管効率が高く、物流コストの削減や備蓄スペースの有効活用といったメリットも自治体・企業に評価されやすいポイントです。
軍事・防衛分野での需要動向
一方、軍事・防衛分野に目を向けると、米軍や自衛隊を中心に戦闘糧食(MRE)や機能性飲料の研究開発が進められています。これまで広く利用されてきたカフェイン錠剤やエナジードリンクは、覚醒効果はあるものの副作用リスクや依存性が課題とされてきました。
抹茶は自然由来でありながら、カフェイン+テアニンの相乗効果によって「集中力維持とリラックスの両立」を実現できる点が評価され始めています。さらに粉末形態のため、ドリンク・バー・ゼリーなど多様な形態に加工可能で、戦場や演習といった多様な場面での利用が期待されます。
特に海外の防衛関連サプライヤーにとって、日本産抹茶は**「高品質」「安全性」「文化的ブランド価値」**の三拍子が揃った原料です。今後、防災市場とミリタリー市場の両面で抹茶を活用する動きが拡大すれば、食品メーカーや原料供給企業にとって大きな参入チャンスとなるでしょう。
海外市場での拡大可能性

防災・防衛の枠を超えて、欧米を中心としたアウトドア・サバイバル市場や、健康志向の機能性食品市場においても抹茶の可能性は広がっています。
例えばアメリカでは、キャンプや登山といったアウトドア需要が拡大しており、非常食やエネルギーバーの市場規模は年間40億ドル超といわれています。ここでは「軽量」「長期保存」「高栄養価」という条件が重視されており、抹茶はその全てを満たす原料として適合します。実際に、北米では抹茶入りのプロテインバーやエナジードリンクが登山者・トレイルランナー向けに販売され始めています。
また、欧州を中心に成長を続ける機能性食品市場(2025年予測:3,000億ドル規模)では、カフェインとテアニンの組み合わせによる「リラックスしながら集中できる」効果が、従来のコーヒーや合成サプリとの差別化要因になります。特に受験生やオフィスワーカー、夜勤労働者向けの商品としての展開も有望です。
さらに、自然災害や社会不安が増える中で、セキュリティ関連需要(個人向けサバイバルキットや家庭用備蓄)も拡大。抹茶を用いたパウダー飲料やゼリーは、「健康を守る安心感」と「日本発の高品質ブランド」という両面で受け入れられやすく、海外市場における差別化ポイントとなります。
メーカー・サプライヤーへのビジネスチャンス

防災食やミリタリー食の市場拡大は、食品メーカーにとって新たな製品開発のフィールドを意味します。特にOEM形態での提案は有効で、自治体や防衛関連の調達企業に対し、抹茶粉末を基材とした飲料・ゼリー・栄養バーといったバリエーションを提供できます。小分けスティックやレトルトパウチなど、包装技術と組み合わせることで保存性・携行性を強化し、既存の備蓄食品との差別化が可能です。
また、抹茶の持つ「日本文化」「クリーンで安全なイメージ」は、商社・流通業者にとっても大きな武器となります。海外バイヤーへの提案において、抹茶は“高品質な日本原料”の象徴であり、特に北米や欧州の防災・アウトドア・機能性食品市場で差別化価値を発揮します。
さらに、サプライヤーにとっては、
といった幅広い展開余地があります。こうした取り組みは単なる「製品供給」に留まらず、ブランド価値を高めるB2Bマーケティング戦略にもつながります。
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まとめ
抹茶は、粉末形態による高い保存性と、カテキン・テアニン・カフェインといった機能性成分の相乗効果を兼ね備えた希少な食品です。その特性は、防災食やミリタリー食が求める「長期保存」「軽量・携行性」「栄養バランス」に見事に合致しています。
国内では自治体・企業の備蓄需要が拡大し、海外ではアウトドアやサバイバル市場、さらには防衛関連のサプライチェーンでも抹茶活用の可能性が広がりつつあります。今後は、防災や軍事の領域を超え、健康志向の機能性食品や国際援助物資といった分野への応用も期待されるでしょう。
「保存性」と「機能性」を両立できる日本発のスーパーフード──抹茶。非常時にも人々の健康と安心を支える存在として、新しい市場を切り拓くポテンシャルを秘めています。


