抹茶と煎茶・玉露の違いをプロが比較|栽培・製造・味わいを完全図解

抹茶・煎茶・玉露といった日本の緑茶は、同じ茶の葉から生まれていても、栽培方法や加工技術によってまったく異なる個性を持っています。本記事では、抹茶専門メディアの視点から、それぞれの違いを丁寧に解説し、味わいや健康効果、最適な飲用シーンまで詳しくご紹介します。

この記事では以下のことがわかります:

  • 抹茶・煎茶・玉露の基本的な違い(栽培・製法・味・香り)
  • 各種緑茶が持つ機能性成分と摂取方法の特徴
  • シーン別におすすめの緑茶の選び方
  • 専門家も納得の情報に基づいた比較と活用のヒント

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緑茶はどう分類される?基本の3種類を押さえよう

日本茶の中でもとくに人気の高い「抹茶・煎茶・玉露」は、すべて緑茶に分類されます。しかし、それぞれの栽培方法や製造工程、味わいには明確な違いがあります。

この章では、まず緑茶の基本構造と分類をわかりやすくご紹介します。

緑茶はすべて「チャノキ(Camellia sinensis)」由来の非発酵茶

日本の緑茶は、チャノキという同じ植物から作られています。摘採後すぐに蒸気で加熱して酸化酵素の働きを止め、酸化(発酵)を防ぐことで、茶葉本来の鮮やかな緑色と爽やかな風味を保ちます。

代表的な緑茶は次の通りです:

  • 煎茶:日本茶の約7割を占める主流品種。渋みと旨みのバランスが良い
  • 玉露:日光を遮ることで甘みと旨みが凝縮された高級茶。特有の覆い香も特徴
  • 抹茶:粉末状の緑茶で、茶葉を丸ごと摂取。茶道や製菓・飲料用途にも広く使用
  • 番茶・玄米茶・ほうじ茶:製造時期や加工法に違いがあり、いずれも緑茶に分類されます

栽培方法の違い|日光の管理が風味に直結

緑茶の風味の違いは、栽培段階での「日光の管理」が大きく関与しています。とくに抹茶や玉露は「被覆栽培」と呼ばれる技法で生育されます。

被覆栽培:旨みを高める伝統技術

被覆栽培とは、収穫の20〜30日前から茶園全体に覆いをかけて直射日光を遮る手法です。以下のような効果があります:

  • テアニン(アミノ酸)が保持され、旨みが強くなる
  • カテキン(渋み成分)への変化が抑えられ、まろやかさが際立つ
  • 被覆による独特の香り「覆い香(グリーンノート)」が形成される

抹茶用の碾茶(てんちゃ)と玉露はこの方法で育てられます。一方で、煎茶は日光をたっぷり浴びて育つ露地栽培により、清涼感ある渋みが特徴となります。


製造方法の違い|揉む・揉まない・粉砕の違い

収穫後の製造工程も味と栄養価を左右します。ここでは抹茶・煎茶・玉露の処理の違いを整理します。

蒸し→揉み→乾燥 vs. 蒸し→乾燥→粉砕

  • 煎茶・玉露:摘んだ茶葉を蒸し、揉んで形を整えた後に乾燥させます(揉捻製法)。茶葉を抽出して飲む「浸出型」の緑茶です。
  • 抹茶:碾茶専用の茶葉を蒸した後、「揉まずにそのまま乾燥」させたものを、石臼や気流式粉砕機で微粉末にしたもの。茶葉をそのまま飲む「全葉摂取型」の緑茶です。

抹茶は一切揉まないため、細胞壁が壊れにくく、粉末化によって食物繊維やクロロフィルも摂取できるのが特徴です。


味や香りの違い|製法と栽培が生む個性

抹茶・煎茶・玉露それぞれに、独自の風味があります。以下にまとめます。

湯温の調整も重要です。 玉露は50℃前後、煎茶は70〜80℃、抹茶は80℃程度で点てると風味が引き立ちます。


健康成分と摂取方法の違い

緑茶には共通してカテキン、テアニン、ビタミンC、サポニン、クロロフィルなどの機能性成分が含まれていますが、飲み方によって摂取量に差が生じます。

抹茶:栄養素を丸ごと取り入れる

  • 粉末を溶いて飲むため、食物繊維・葉緑素・脂溶性ビタミンなども摂取可
  • EGCG(エピガロカテキンガレート)の摂取量も多くなりやすい

玉露:リラックス成分が豊富

  • 被覆によってテアニン含有量が高く、リラックス効果・集中力維持が期待されます
  • 低温抽出でも旨味がしっかり出る

煎茶:抗酸化成分をバランス良く

  • カテキンとビタミンCが多く、抗酸化作用・生活習慣病予防への可能性が研究されています
  • 食事と一緒に摂取しやすい

※いずれも栄養補助食品ではなく、日常的な飲用による効果が中心です。

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まとめ|違いを知って、もっと美味しく選ぶ

抹茶・煎茶・玉露は、同じ茶葉から生まれたとは思えないほどの違いを持っています。栽培、製法、味、香り、そして健康効果まで、それぞれの特徴を知ることで、より豊かなお茶生活を楽しめます。

  • 抹茶:全葉摂取型。濃厚な味と高い栄養価
  • 玉露:甘みと香りが贅沢。特別なひとときに
  • 煎茶:すっきり爽快。毎日の健康習慣に最適

季節や気分、シーンに応じて最適な一杯を選びましょう。

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