トルコの抹茶事情|人気の背景と市場トレンドを徹底解説
チャイ文化が根付くトルコで、いま静かに「抹茶ブーム」が広がっています。イスタンブールを中心に抹茶ラテや抹茶スイーツを扱うカフェが登場し、若者世代や観光客に支持されているのです。背景には健康志向の高まりやアジア文化への関心があり、家庭でも抹茶を楽しむ人が増えています。
本記事では、トルコにおける抹茶人気の理由、市場の現状と拡大トレンド、カフェ文化や家庭での楽しみ方を徹底解説します。さらに、日本ブランドにとってのビジネスチャンスも整理し、今後の可能性を探ります。
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トルコで抹茶が注目される理由

トルコといえば国民的飲み物「チャイ(紅茶)」が圧倒的な存在感を持っています。家庭でも職場でも欠かせない飲み物として、長年トルコ人の生活に根付いてきました。
そんな中、ここ数年で若者を中心に「抹茶」が新たなトレンドとして注目され始めています。では、なぜ伝統的なお茶文化が根付く国で、抹茶が支持を集めているのでしょうか。
健康・美容志向とウェルネスブーム
近年のトルコでは、都市部を中心に健康志向や美容意識の高まりが顕著です。20〜30代の若者は特に、砂糖や脂質を多く含む従来のスイーツ・ドリンクよりも、栄養価が高くヘルシーな商品を選ぶ傾向を強めています。
抹茶は抗酸化作用のあるカテキンやリラックス効果をもたらすテアニンを含み、美容・健康の両面でメリットがあるとされます。こうした点が、ダイエット志向やスキンケアに敏感な層に響いています。さらに、欧米から波及した「ウェルネスブーム」に合致することもあり、抹茶は自然にトルコ社会へ浸透しつつあります。
コーヒー&トルコティー文化への新しい選択肢
トルコでは伝統的にチャイが日常的に飲まれ、2000年代以降はスターバックスをはじめとする欧米系カフェの進出でコーヒー文化も広がりました。
しかし、コーヒーの過剰摂取や強いカフェインによる不眠や胃への負担を懸念する声も増えています。
そこで、「チャイでもコーヒーでもない第3の飲み物」として抹茶が浮上しました。抹茶はカフェインを含みつつも、テアニンによってリラックス効果が得られるため、覚醒と安定を両立できる飲み物として評価されています。結果として、チャイやコーヒーと競合するのではなく、共存しながら日常に新しい選択肢を与えているのです。
日本文化・アジアトレンドの浸透
さらに、アジア文化への関心の高まりも抹茶人気を後押ししています。韓流ドラマやK-POP、日本のアニメや漫画、和食などが若者文化に浸透し、その一環として「抹茶=日本文化を象徴する存在」として認知が拡大しました。
特にイスタンブールの若者にとって、抹茶を飲むことは単なる健康習慣ではなく、「トレンドを体感するライフスタイル」の一部です。SNSでの拡散力も大きく、抹茶ラテや抹茶スイーツの写真がインスタグラムやTikTokに投稿されることで、憧れと好奇心をかき立てています。
トルコで抹茶が注目される理由は、健康志向・文化トレンド・ライフスタイルの変化が重なった結果であり、単なる一時的なブームではなく、持続的な市場成長の土台になりつつあります。
トルコ抹茶市場の現状と拡大

抹茶人気は「流行に敏感な若者の一部のブーム」にとどまらず、着実に市場規模として拡大しています。輸入量や小売展開、ブランドの進出状況を分析することで、その成長ポテンシャルがより鮮明になります。
抹茶輸入・販売の動向
ここ10年でトルコにおける抹茶輸入量は右肩上がりに増加しています。主な供給国は日本と中国であり、特に日本産抹茶は「高品質」「正統性」を強みとしてプレミアム市場を形成しています。
2020年以降は新型コロナの影響もあり、健康志向の高まりと共に抹茶需要が拡大。これにより輸入抹茶の小売価格は安定して上昇しています。1缶あたりの価格帯は比較的高水準ながら、それを受け入れる購買層が確実に存在する点が、トルコ市場の特異性といえるでしょう。
価格競争ではなく、高品質志向の市場が成長しているのがトルコ抹茶市場の特徴です。
スーパーやオンラインでの取り扱い拡大
かつて抹茶は一部の日本食材店やカフェに限られていました。しかし、現在は大手スーパーの棚やECサイトでも気軽に購入できるようになっています。
特に人気なのが、家庭で手軽に使える抹茶パウダー、ティーバッグ、スティックタイプのインスタント抹茶ラテです。こうした商品は忙しい都市生活者にフィットし、家庭での抹茶消費を後押ししています。
さらに、オンラインショップの台頭により地方都市にも流通網が広がり、イスタンブールやアンカラ以外の地域にも抹茶が浸透し始めています。
日本ブランドと現地ブランドの展開比較
市場拡大の中で、日系ブランドとトルコ国内ブランドのアプローチには明確な違いがあります。
日本ブランド
宇治・西尾といった産地を前面に出し、「本物志向」「高品質」を打ち出したプレミアム戦略を展開。現地富裕層やインバウンド観光客に支持されています。
トルコブランド
ピスタチオやバクラヴァといった既存スイーツ文化に抹茶を融合させ、親しみやすいフュージョン商品を開発。現地の食文化との調和を強みにしています。
この「プレミアム路線」と「ローカライズ路線」が同時に進んでいることが、市場をより多層的に広げているのです。
日本ブランドの“正統性”とトルコブランドの“現地適応力”が相互補完的に作用し、抹茶市場の拡大を加速させています。
イスタンブールを中心とした抹茶カフェ文化
大都市イスタンブールでは、抹茶を軸としたカフェ文化が広がりを見せています。抹茶ラテや抹茶スイーツを楽しむ若者や観光客の存在が、トレンドの拡大を後押ししているのです。特に高感度なエリアを中心に、抹茶は「おしゃれで新しいライフスタイル」を象徴する存在となっています。
人気カフェ事例(抹茶ラテ、抹茶スイーツ)
ニシャンタシュやベシクタシュといった高級住宅街や学生街では、抹茶を扱うカフェが相次いで登場しています。メニューには、定番のアイス抹茶ラテや抹茶バブルティーに加え、抹茶チーズケーキや抹茶ティラミスなどSNS映えするスイーツが並びます。
一部のカフェでは日本から茶道具を輸入し、伝統的な抹茶点てを体験できるサービスも始まっています。こうしたユニークな試みが「抹茶=本格的かつトレンディ」というイメージを強化しているのです。
若者世代とSNSでの拡散力
20代の若者層は、抹茶を「トレンディでおしゃれな飲み物」として受け止めています。InstagramやTikTokに抹茶ラテやスイーツの写真を投稿することで、さらに認知が拡大。特に「#matchalatte」「#抹茶スイーツ」といったハッシュタグは、現地でも人気が高まっています。
口コミや投稿の拡散により、抹茶を扱うカフェは「行列のできるスポット」として注目され、同世代の来店動機を刺激しています。とりわけ女性層の間では「カフェ巡り+抹茶=新しい自己表現」として定着しつつあります。
観光客需要との相乗効果
イスタンブールは世界有数の観光都市です。海外から訪れる観光客にとって「現地で日本の抹茶を味わえる」という体験は大きな魅力。特にアジアからの旅行者は、日本の味を異国で再発見できる場として抹茶カフェを訪れています。
この観光需要がトルコ人の若者文化と相乗効果を生み、現地市場の成長をさらに加速させています。抹茶は「観光客と地元の若者が交わる共通のカルチャー」となりつつあるのです。
家庭で広がる抹茶の楽しみ方

トルコでは、抹茶はカフェでの特別な体験だけでなく、家庭でも日常的に楽しまれるようになっています。背景には、簡便性の高い商品が増えたことと、幅広いアレンジが可能な魅力が挙げられます。忙しい都市生活の中でも、自宅で気軽に「カフェ品質」を再現できる点が支持を集めているのです。
DIY抹茶ラテやスムージー
スーパーやオンラインで購入した抹茶パウダーを使い、自宅で抹茶ラテやスムージーを作る人が増えています。牛乳やアーモンドミルク、豆乳といった植物性ミルクと合わせることで、よりヘルシーで自分好みの一杯を楽しめるのが人気の理由です。
SNSでは「#homemadematcha」などの投稿も見られ、自宅で抹茶を点てる動画やレシピが共有されており、家庭消費の広がりに拍車をかけています。
ベーカリー・スイーツへの活用(トルコ菓子との融合)
抹茶はドリンクだけでなく、伝統的なトルコ菓子に新しい風を吹き込む素材としても注目されています。
例えば、ピスタチオが主役の「バクラヴァ」や「カダイフ」に抹茶を取り入れる試みが登場しています。ピスタチオの鮮やかな緑とは異なる、抹茶特有の深いグリーンとほろ苦さが加わることで、和とトルコのフュージョンスイーツが生まれています。
こうした新感覚スイーツは、若者や観光客の間で「一度試してみたい特別な一品」として注目されています。
ティーバッグ・スティック商品の普及
近年のトルコ市場では、スティックタイプの抹茶ラテ粉末やティーバッグが急速に普及しています。カップに入れてお湯やミルクを注ぐだけで抹茶ドリンクを楽しめるため、オフィスや学校でも重宝されています。
価格も手頃で、スーパーやECサイトで簡単に入手できるため、学生や若い社会人の購買層を中心に人気が拡大中です。こうした利便性の高い商品の登場が、家庭における抹茶習慣の定着を支えています。
日本ブランドにとってのビジネスチャンス

トルコ市場はまだ黎明期にありますが、その分大きな伸びしろを秘めています。
特に健康志向・文化的関心の高まりを背景に、抹茶は「一過性のブーム」ではなく「新しい市場カテゴリー」として定着しつつあります。
日本ブランドが進出する際には、以下のポイントを押さえることが成功の鍵となります。
プレミアム抹茶・本格派へのニーズ
トルコでは「日本産=高品質」という認識が強く、特にセレモニアルグレード(茶道用)やオーガニック抹茶はプレミアム市場で高く評価されています。現地消費者は価格の安さよりも「品質・信頼性」を重視する層が一定数存在しており、富裕層やヘルスコンシャスな若者に支持されやすいのが特徴です。
したがって、日本ブランドは価格競争に巻き込まれるのではなく、「高付加価値戦略」を打ち出すことが重要です。
健康・サステナブル訴求の効果
トルコの消費者は環境問題や健康に関心が高く、「オーガニック」「無農薬」「サステナブル」といったキーワードは非常に響きやすい傾向があります。特に若い世代は、環境配慮を重視する欧州的な価値観を共有しており、ブランドが社会的責任を果たしているかどうかを重視します。
そのため、日本ブランドは「伝統製法」「自然との共生」「地域農家との取り組み」といったブランドストーリーを明確に伝えることで、他ブランドとの差別化を図ることが可能です。
トルコ企業とのコラボレーション事例の可能性
現地のカフェチェーンや菓子メーカーと提携し、抹茶スイーツや限定ドリンクを共同開発することも有効な戦略です。例えば、トルコ伝統菓子バクラヴァに抹茶を取り入れる、抹茶フラッペを季節限定で提供するなど、現地文化と日本ブランドを融合させる試みは注目を集めやすいでしょう。
このとき、「日本ブランドの信頼性」と「トルコ企業の現地適応力」が掛け合わされることで、単なる輸入品の販売ではなく、現地消費者に深く浸透する新しい価値を提供できます。
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まとめ|チャイ文化と共存する抹茶の未来
トルコにおける抹茶人気は、単なる一時的な流行ではなく、健康志向・アジア文化トレンド・観光需要といった複数の要因が重なり合って生まれた持続的な市場拡大の兆しです。
国民的飲み物であるチャイに取って代わるものではなく、「チャイやコーヒーと並ぶ第3の選択肢」として抹茶が日常に浸透しつつある点が大きな特徴です。カフェ文化や家庭でのアレンジ商品、さらにはプレミアム市場まで、幅広い消費シーンが整いつつあります。
日本ブランドにとっては、まだ開拓余地の大きいトルコ市場で、本格派の抹茶体験・サステナブルなブランド価値・現地企業とのコラボレーションを通じて存在感を高める絶好のチャンスが広がっています。
今後、抹茶はチャイ文化と共存しながら、トルコの食卓やライフスタイルに新しい彩りを加えていくでしょう。



