一番茶・二番茶・三番茶・秋てん茶・新茶の違いとは?味・香り・用途を徹底比較
一番茶・二番茶・三番茶・秋てん茶・新茶の違いが分かると、味・香り・価格・用途の選び方が一気にラクになります。
この記事では、それぞれの茶期がもたらす旨味・渋み・香りの差を、初心者の方にも分かりやすく解説。さらに、「日常用はどれ?」「贈答や季節限定で喜ばれるのは?」といったシーン別の選び方まで網羅します。
\こちらもおすすめです!/
\抹茶粉末をお探しの企業様へ/
弊社では、京都・宇治をはじめ、鹿児島・福岡・静岡など日本各地の産地から、
有機JAS認証付きのセレモニアルグレードから加工用まで、幅広いグレードの抹茶を取り揃えております。
「案件はあるのに、安定して抹茶を仕入れられない…」
「カフェの新メニューで抹茶を使いたい!」
そんなお悩みをお持ちの企業様は、ぜひ抹茶タイムズにご相談ください。
まずはお気軽にお問い合わせください。
一番茶とは?旨味と香りが際立つ春の初摘み

一番茶(いちばんちゃ)は、その年に最初に摘まれる新芽から作られるお茶で、別名「新茶」とも呼ばれます。
冬の間にたっぷりと養分を蓄えた茶の木が、春の陽気とともに芽吹き、4月下旬から5月上旬にかけて摘み取られる、それが一番茶です。
立春から数えて88日目にあたる「八十八夜」(およそ5月2日頃)前後が最盛期で、この日に摘まれたお茶は昔から「不老長寿のお茶」「縁起茶」として珍重されてきました。
茶葉はやわらかく、太陽の光をまだそれほど浴びていないため、甘み・旨味のもととなるアミノ酸(特にテアニン)を多く含みます。
反対に、苦味や渋味をもたらすカテキンは少なめ。
そのため、一番茶はまろやかで優しい味わい、そして青葉のような清々しい香りが特徴です。
一番茶の特徴と味わい
- 摘採時期:4月下旬〜5月上旬(地域により前後)
- 主な成分:テアニン・アミノ酸・少量のカフェイン
- 味の特徴:甘みと旨味が濃く、苦味が少ない
- 色:透明感のある明るい萌黄色
特に注目したいのは、テアニン含有量が二番茶の約3倍にもなること。
テアニンは日光に当たるとカテキンに変化するため、春先の柔らかい新芽にしか多く残りません。
この成分が、一番茶特有の「やさしい甘み」「コク」「香り立つ余韻」を生み出しています。
さらに、静岡・掛川地方などでは深蒸しという製法を用い、茶葉を長く蒸すことで一番茶の柔らかい芽をよりとろみのある口当たりに仕上げています(例:丸玉園「特上掛川深蒸し茶」)。
一方で、宇治地方では玉露や抹茶の原料として、一番茶の新芽を覆い(被覆栽培)して育てることで、光合成を抑え旨味を濃縮させる手法が伝統的に用いられています。
このように、一番茶は育て方と加工方法によって表情を変える、日本茶の中でもっとも繊細で贅沢な茶葉なのです。
一番茶の用途とおすすめの飲み方
一番茶は、高級煎茶・玉露・抹茶・冠茶など、上級茶葉の原料として使用されます。
旨味を引き出すには「湯温」と「抽出時間」が鍵。
美味しく淹れるポイント
- 茶葉:1人あたり2〜3g(ティースプーン山盛り1杯)
- 湯温:70〜80℃に少し冷ましたお湯を使用
- 抽出時間:40〜60秒ほどじっくり待つ
- 茶碗に少しずつ交互に注ぎ、最後の一滴まで注ぐ
熱湯を使うと、せっかくのテアニンが壊れて渋みが出やすくなります。
低温でゆっくり淹れることで、「とろみのある旨味」と「青葉の香り」がしっかり感じられます。
夏場は冷茶にしても甘みが際立ち、冷水でもテアニンがしっかり溶け出すため、リラックス効果が高いのも魅力です。
また、奈良の藤田茶園によれば、一番茶(新茶)は「フレッシュさ」が魅力である一方、時間の経過とともに風味がまろやかに熟成していくそうです。
つまり、新茶の時期に味わうみずみずしい香りと、夏以降に楽しむ落ち着いた旨味は、同じ一番茶でも異なる顔を見せてくれるのです。
一番茶が「特別」とされる理由
一番茶が「日本茶の最高峰」とされるのは、単に最初に摘まれるからではありません。
茶の木は冬の間、栄養を根に蓄え、春になるとそれを一気に新芽へ送り込みます。
この蓄えの一滴が最も凝縮された瞬間に収穫されるため、一年の中で最も滋味深く、香味のバランスが整った茶葉となるのです。
加えて、八十八夜に摘まれるお茶は「八=末広がり」が二重に重なることから縁起物とされ、昔から「八十八夜の茶を飲むと長生きする」ともいわれます。
そのため贈答用としても人気が高く、初夏の季語としても親しまれています。
一番茶を楽しむおすすめシーン
- 朝の一服に:清々しい香りで一日のスタートをリセット
- 仕事中や休憩に:テアニンによるリラックス効果で集中力アップ
- おもてなし・贈答に:縁起の良い“初摘み茶”として喜ばれる
「春の訪れを感じる一杯」として、季節の節目に味わうのが一番茶の醍醐味です。
摘みたての香りと旨味をそのまま閉じ込めた春の雫を、ぜひ急須で丁寧に淹れてみてください。
二番茶とは?渋みが心地よいバランス型のお茶

二番茶(にばんちゃ)は、一番茶を摘み取ってから約45日後に収穫される茶葉のことを指します。
春の柔らかい新芽を摘んだ一番茶に続き、初夏の強い日差しを浴びて育つため、やや力強く、キリッとした渋みが特徴です。
香りはやや控えめながら、飲み飽きしないすっきりとした後味が魅力で、普段使いにちょうど良い日本茶として親しまれています。
二番茶の特徴
- 摘採時期:6月上旬〜中旬(地域により前後)
- 味わい:ほどよい渋みと爽やかなキレ
- 成分:カテキンが増加し、テアニンが減少
- 価格:一番茶よりリーズナブル
世界緑茶協会によると、一番茶摘採後の茶樹は約2週間で新芽の生長を再開し、45日前後で次の摘採期を迎えるとされています。
この時期は気温も高く、成長速度が早いため、茶葉は短期間でぐんぐん伸び、日光を多く浴びることでカテキンが増加します。
その結果、二番茶は渋みや苦味がほどよく際立ち、引き締まった味わいと爽やかな飲み口が楽しめるお茶となります。
一方で、甘みや旨味をもたらすテアニンの含有量は一番茶の約1/3ほど。
つまり、二番茶は「旨味よりも渋味」「柔らかさよりもコク」を感じられる、凛とした味わいの日本茶なのです。
二番茶に含まれる成分と健康効果
二番茶の魅力は、味だけでなく成分バランスの良さにもあります。
狭山茶農家・ささら屋によると、二番茶の茶葉は日照量が多いことでカテキン量が新茶より多く、健康面で次のような作用が期待できます。
主な成分と働き
特にカテキンは、抗酸化作用や脂肪燃焼作用に優れており、日常的に飲む健康茶として最適。
そのため、二番茶は「おいしくて体にもやさしい」お茶として、ペットボトル緑茶や健康飲料にも幅広く利用されています。
二番茶の味と香りのバランス
一番茶の「甘く柔らかい旨味」に対して、二番茶は締まりのある味と余韻が特徴です。
その飲み口は、まるで春の穏やかさから夏の活力へと移り変わるよう。
一口含むと、青々しい香りとともにキリッとした渋みが広がり、すぐにすっきりとした後味へと変化します。
この香りと渋みのコントラストが、日常の食事や和菓子にもよく合う理由。
まさに、「暮らしの中の緑茶」として最もバランスの取れた存在といえるでしょう。
二番茶の主な用途
- ペットボトル緑茶・ティーバッグ製品
- 玄米茶・ほうじ茶などのブレンド原料
- 日常的な煎茶(家庭用・業務用)
品質とコストのバランスが良く、飲食店や給茶機などにも多く採用されています。
一番茶が特別な一服なら、二番茶は毎日の生活を支えるお茶。
まさに「日本人の暮らしに最も寄り添うお茶」といえるでしょう。
二番茶の美味しい淹れ方
二番茶の魅力を引き出すには、高温・短時間抽出がポイント。
基本の淹れ方
- 急須に茶葉5gを入れる
- 沸騰したお湯(90〜95℃)を250〜300ml注ぐ
- 約15〜20秒待ち、少しずつ均等に注ぎ分ける
渋みをしっかり楽しみたい場合は、30秒ほど置いてから注ぎましょう。
反対に、さっぱり仕上げたい時は70〜80℃に下げて淹れるのもおすすめです。
この「温度調整」によって、同じ二番茶でも味わいががらりと変化します。
朝は高温でキリッと、夜は低温でまろやかに。そんな楽しみ方ができるのも二番茶の魅力です。
二番茶を味わう季節の楽しみ
6月の初夏に収穫される二番茶は、梅雨の合間に感じる夏の香りのような存在。
新茶の柔らかさに対して、季節が進んだ力強さを感じさせてくれます。
「少し濃いめで飲みたい」「冷茶でさっぱりしたい」そんな気分に寄り添ってくれるのが二番茶。
冷やしても美味しく、夏の食卓にもよく合う万能な一杯です。
三番茶とは?夏に摘まれる爽快な味わいのお茶

三番茶(さんばんちゃ)は、二番茶の収穫から約1か月後、7月頃の真夏に摘まれる茶葉です。
高温と強い日差しのもとで急速に成長するため、葉が厚く硬くなり、香ばしくキリッとした風味を持つのが特徴です。
お茶の世界では「夏の香りを閉じ込めたお茶」とも呼ばれ、ほうじ茶や水出し茶など、さっぱり系のお茶の原料として親しまれています。
三番茶の特徴
- 摘採時期:7月前後(地域・気候により変動)
- 味わい:やや苦味が強く、香ばしく力強い
- カフェイン:一番茶と同程度〜やや少なめ
- 用途:加工用茶葉(ほうじ茶・ペットボトル茶・ティーバッグなど)
三番茶の茶葉は、強い日差しを浴びて育つためカテキンが豊富で、抗酸化力が高いのも特徴です。
その一方で、テアニン(旨味成分)は少なく、すっきりとした苦味と香ばしさが際立ちます。
焙煎(ほうじ茶化)することで香ばしい甘みが引き立ち、夏の冷茶や食中茶に最適な味わいになります。
生産現場での位置づけ
三番茶を摘むかどうかは、生産者にとって大きな判断ポイントです。
宇治の老舗「流芳園(りゅうほうえん)」によると、三番茶を収穫すると茶の木が疲弊し、翌年の一番茶の品質に影響を与えることがあります。
そのため、「三番茶をあえて摘まない」という選択をする農家も少なくありません。
一方で、静岡や鹿児島などの大規模生産地では、三番茶を加工・業務用茶葉として有効活用する戦略をとることも。
たとえば、ペットボトル緑茶やティーバッグ商品に使われるお茶の多くは、この三番茶がベースとなっています。
つまり、三番茶は品質より量ではなく、「暮らしの中に寄り添うお茶」として価値を持っているのです。
三年番茶との違い
三番茶と混同されやすいのが「三年番茶」。
名前は似ていますが、まったく別の製法・性質を持つお茶です。
| 比較項目 | 三番茶 | 三年番茶 |
|---|---|---|
| 原料 | 夏に摘まれた茶葉(主に三番茶) | 茎や葉を3年以上熟成させた番茶 |
| 製法 | 収穫後すぐに加工・焙煎 | 長期熟成+焙煎 |
| 味 | 香ばしくキリッとした渋味 | まろやかで優しい甘み |
| カフェイン | 通常の煎茶と同程度 | 非常に少ない(カフェインレスに近い) |
| 飲用シーン | 食事中や冷茶向き | 妊婦・子ども・高齢者にも安心 |
かわしま屋によると、三年番茶は三年以上熟成または三年以上育成した茶木の葉や茎を焙煎して作られるお茶で、
カフェインやタンニンが極めて少なく、「マクロビオティック(食養生)」の基本茶として知られています。
一方、三番茶は夏の成長期に摘まれるフレッシュな茶葉をすぐ加工するもので、熟成茶ではありません。
つまり、
- 三番茶
- 夏の収穫茶
- 三年番茶
- 熟成された健康茶
同じ番茶でも、目的も味もまったく異なるのです。
三番茶の味わいと楽しみ方
三番茶は繊維質が多く、やや硬めの茶葉から生まれるコクと香ばしさが魅力です。
煎茶のように低温で淹れるよりも、高温・短時間で抽出するのがポイント。
基本の淹れ方(急須の場合)
- 茶葉:5g
- 湯温:90〜95℃
- 抽出時間:20〜30秒
こうすると、夏らしい爽快な渋みと香りが立ち上がります。
冷水でじっくり抽出すれば、カテキンの渋みが抑えられ、透き通った甘みとすっきりした後味が楽しめます。
おすすめの飲み方
- ホットで: 焙煎香を楽しむリラックスタイムに
- 冷茶で: 暑い日の水分補給に、食事と相性抜群
- ブレンドで: 玄米茶・ほうじ茶の香ばしさを引き立てる素材としても優秀
三番茶が活躍するお茶の種類
三番茶は、主に焙煎・加工用茶葉として利用されます。
代表的なのは以下のようなお茶です。
- ほうじ茶:強火焙煎で香ばしく、カフェインが減少
- 玄米茶:香ばしさと軽やかさのバランスが良い
- ティーバッグ茶:香り・味が安定しやすく、抽出性が高い
特に宇治の流芳園では、三番茶の茎部分(雁が音)を活かした「かりがねほうじ」を販売しており、
浅煎りの上品な香ばしさが人気を集めています。
一番茶では出せない深い香りと夏の爽快感が、三番茶ならではの魅力です。
三番茶を「飲む」だけじゃない活用法
BIOKURA や かわしま屋のレシピでも紹介されているように、三番茶や三年番茶は料理や自然療法にも活用されています。
例えば、三番茶をベースにした「梅醤番茶」は、疲労回復や胃腸の不調に良いとされる伝統的な飲み方。
また、煮物や炊き込みご飯の出汁代わりに使うと、香ばしい風味が料理に奥行きを与えます。
おすすめ活用例
・梅干し+生姜+三番茶 → 梅生番茶(疲れ・冷え対策に)
・三番茶で切り干し大根を煮る → 胃腸を整える養生おかず
夏の暑さで弱った体を内側から整える、飲む食養生としての一面も持っています。
秋てん茶(秋冬番茶)とは?ポリサッカライド豊富な健康茶

秋てん茶(あきてんちゃ)、または秋冬番茶(しゅうとうばんちゃ)は、
夏を越えて秋の10〜11月頃に摘まれる茶葉から作られるお茶です。
春や初夏の柔らかな新芽とは異なり、枝や茎がしっかりと太く、
その中にカテキンやポリサッカライド(多糖類)などの機能性成分を豊富に含んでいます。
秋てん茶は、香りこそ控えめながら、後味は軽やかで香ばしく、
体に優しい食後の一杯として親しまれています。
秋てん茶の特徴
- 摘採時期:10月〜11月頃
- 味わい:あっさりとした口当たり、やや渋みあり
- 主な成分:ポリサッカライド・カテキン・ミネラル類
- 主な効果:血糖値上昇抑制・抗菌作用・整腸作用
秋の収穫期は、日照時間が短く気温が下がるため、
茶の木は光合成による成長をゆるめ、代謝成分を枝や茎に蓄えます。
この過程で生成されるのが、ポリサッカライド(多糖類)です。
ポリサッカライドは血糖値の上昇をゆるやかにし、
腸内環境を整える働きがあるとされる成分。
そのため、秋てん茶は健康志向・ダイエット・生活習慣ケアの分野でも注目されています。
「碾茶(てんちゃ)」としての秋茶
宇治茶問屋・桑原善助商店によると、
本来、碾茶(抹茶の原料)は春の一番茶が中心でしたが、
1980年代以降、愛知県西尾を中心に二番茶・秋番茶の碾茶(秋碾茶)が生産されるようになりました。
秋碾茶は、主に加工用・業務用抹茶の原料として利用されています。
秋の葉は厚く繊維質が多い一方で、焙煎や粉砕に適した構造を持つため、
ほうじ抹茶・ラテベース・菓子原料などへの応用が進んでいます。
ただし桑原善助商店が指摘するように、
覆い下で栽培していない秋番の茶葉を「抹茶」と表示することには業界内でも議論があり、
秋てん茶として区別する動きが見られます。
それだけ、秋摘み茶には独自の価値とポジションが築かれつつあるのです。
成分と健康効果:秋てん茶が体にやさしい理由
秋てん茶に含まれる代表的な機能性成分は、ポリサッカライド(多糖類)とカテキンです。
ポリサッカライド
糖の吸収をゆるやかにし、血糖値の上昇を抑える働きがあるとされます。
この作用は糖尿病予防や、食後の血糖コントロールを目的とした健康茶としても注目されています。
また、腸内で善玉菌のエサとなり、整腸・免疫サポートにも役立つとされています。
カテキン
抗酸化・抗菌・抗ウイルス作用があり、風邪予防や脂肪燃焼にも効果が期待できます。
秋の茶葉は日照をしっかり受けているため、カテキン含有量が高いのが特徴です。
ミネラル類
秋の茶葉は根からミネラルを吸収する時期にあたるため、
カリウム・カルシウム・マグネシウムなどのバランスも豊富です。
そのため、疲れやすい季節の変わり目に飲むと、体の調子を整える助けになります。
味わいと香りの特徴
秋てん茶は、渋みとまろやかさの中間にあるような独特の味わいを持っています。
口当たりは軽く、苦味は少なく、鼻に抜けるような香ばしさが印象的です。
煮出しでも美味しく、冷やして飲むとさらに香ばしい後味が残ります。
一番茶や二番茶のような華やかな香りではなく、
どこか土の香りや実りの余韻を感じる、落ち着いた秋の味わいです。
秋てん茶の美味しい飲み方
秋てん茶は、煮出し・水出し・焙じのいずれにも適した万能茶です。
基本の淹れ方(煮出し)
- 茶葉 10g に対し、水 500ml
- 沸騰したお湯で 3〜5分煮出す
- 火を止めたら茶こしで濾し、そのまま温かく、または冷やして飲む
煮出すことでポリサッカライドがしっかり抽出され、
健康効果を最大限に引き出すことができます。
冷茶として
夏場や運動後には冷やして飲むのもおすすめ。
苦味が和らぎ、後味にほんのり甘みが感じられます。
秋てん茶の用途と人気の理由
- 食後の血糖コントロール茶
- 健康・ダイエットサポート茶
- ほうじ茶・玄米茶ブレンド素材
- 秋抹茶・抹茶ラテベースの原料
健康志向の高まりにより、飲む健康習慣としての需要が拡大しています。
カフェインも比較的少なく、子どもや高齢者にも安心して飲めるお茶です。
新茶とは?一年に一度だけ味わえる初物の縁起茶

新茶(しんちゃ)とは、その年の一番最初に摘まれた新芽を使って作られたお茶のこと。
一般的には「一番茶」と呼ばれる茶期の中でも、立春から数えて八十八日目(5月2日前後)に収穫される「八十八夜の新茶」が最上級とされています。
日本では古くから「新茶を飲むと一年間無病息災で過ごせる」「初物を食べると七十五日長生きできる」といった言い伝えがあり、縁起の良い福を呼ぶお茶として珍重されてきました。
そのため、新茶の季節は「春の訪れ」と「健康長寿」を祝う文化として、今も多くの人に親しまれています。
新茶の特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 香り | 若葉のようにみずみずしく、爽やかな青葉香 |
| 味わい | 甘みと旨味のバランスが絶妙で、苦みは穏やか |
| 主な成分 | テアニン(アミノ酸)豊富、カテキン少なめ、カフェイン控えめ |
| 効果 | リラックス作用・集中力向上・ストレス緩和 |
新茶のおいしさの秘密は、冬の間に茶の木が蓄えた栄養にあります。
茶の木は寒い季節に成長を止め、根に旨味成分であるテアニン(アミノ酸)を蓄積。
春の暖かさとともにそれを新芽に送り出すため、新茶には最も濃厚な旨味と香りが宿ります。
一方、苦味や渋みのもとであるカテキンは、日照を受ける時間が増える夏以降に多く生成されるため、
春摘みの新茶は渋みが少なく、まろやかで優しい甘みが特徴です。
新茶の旬と産地の違い
日本列島は南北に長いため、新茶の収穫時期は地域によって異なります。
南の地域から徐々に北上していくのが特徴で、まるで「桜前線」のように新茶の季節が日本を駆け上がっていきます。
| 産地 | 新茶の摘採時期 | 特徴 |
|---|---|---|
| 鹿児島茶 | 3月末〜4月中旬 | 早摘みでまろやか、やさしい香り |
| 宮崎茶 | 4月中旬〜5月上旬 | 甘みが強く香り豊か |
| 静岡茶 | 4月中旬〜5月中旬 | 日本一の生産量、旨味と渋みのバランス |
| 宇治茶(京都) | 4月下旬〜5月上旬 | 香り高く上品、玉露にも使われる高級茶 |
| 狭山茶(埼玉) | 5月上旬〜下旬 | 濃厚な味わい、コクのある余韻 |
これらの新芽を摘み取った後、約45日後に二番茶、さらに夏には三番茶が収穫されます。
つまり、新茶はその年に最初に生まれる初物の香りなのです。
八十八夜と新茶の縁起
「八十八夜」は立春(2月4日ごろ)から数えて88日目にあたる日で、
2025年は5月1日(木)が八十八夜にあたります。
この日は古来より農作業の目安とされ、
「八十八夜に摘んだ茶は長生きできる」と伝えられる縁起の良い日。
また、「八」の字が二つ重なり、さらに「米」の字を分解すると「八十八」になることから、
五穀豊穣・健康長寿・繁栄を象徴する日ともいわれています。
そのため、八十八夜の新茶は「福を呼ぶお茶」「不老長寿のお茶」として贈答用にも重宝されてきました。
新茶の香りと味わい
新茶の香りは、他の茶期では味わえないほどに青く清々しい香り。
まるで新緑の風が通り抜けるような青葉香が湯気とともに立ち上ります。
味わいは、
- 最初に柔らかな甘み、
- 中盤にほのかな渋み、
- 余韻に旨味と香気の広がり
という三段構成。
口に含むたびに春の芽吹きを感じさせ、心がほどけるような心地よさをもたらします。
新茶に多く含まれるテアニンとは?
新茶の旨味を支えるのがテアニン(アミノ酸の一種)です。
この成分はお茶特有の「まろやかさ」や「コク」を生み出すだけでなく、
科学的にもリラックス効果・ストレス軽減・睡眠の質改善などの作用が確認されています。
仕事や勉強の合間に一杯の新茶を飲むことで、
カフェインによる覚醒とテアニンによる鎮静がバランスよく働き、
集中しながらも落ち着いた状態を保てるとされています。
新茶のおいしい淹れ方
新茶は繊細な香味を引き出すため、温度と時間の管理が大切です。
基本の入れ方
- 茶葉を一人分につきティースプーン2杯(約5g)
- 沸騰したお湯を湯呑みに移し、70〜80℃まで冷ます
- そのお湯を急須に注ぎ、約40秒蒸らす
- 急須を2〜3回軽く回し、茶葉を開かせる
- 湯呑みに少しずつ均等に注ぎ、最後の一滴まで注ぎ切る
コツ
- 旨味を重視するならぬるめ(70℃前後)でじっくり抽出
- 香りと渋みを楽しむなら熱め(85〜90℃)で短時間抽出
- 開封後は香りが逃げやすいので1ヶ月以内に飲み切るのがおすすめ
新茶の贈り方と楽しみ方
新茶は「季節のご挨拶」や「お祝いの贈り物」としても人気があります。
贈るシーン例
- 八十八夜の縁起物として「無病息災・長寿」の願いを込めて
- 新生活・就職・進学のお祝いに「新しい門出」の象徴として
- お中元や手土産として「季節の香り」を届ける贈り物に
お茶請けには、柏餅・最中・せんべいなど素朴な和菓子が好相性。
食後にゆったりと楽しむことで、春から初夏への季節の移ろいを感じられます。
抹茶をもっと知る、もっと楽しむ。
抹茶は「飲む」だけではなく、知るほどに味が深まる世界です。
一番茶から新茶まで、その違いを理解すると、日々の一服がまるで別物になります。
「どうして抹茶は苦いの?」「点て方で味は変わる?」「ラテに合うのはどんな抹茶?」
そんな“ちょっと気になる疑問”を、抹茶タイムズで一緒に紐解いてみませんか?
まとめ|茶葉の違いを知って、自分に合った一杯を
一番茶から新茶・二番茶・三番茶・秋てん茶まで、茶期ごとに味・香り・栄養の個性があります。
特別なひとときを楽しむなら「一番茶」・旬と縁起を味わうなら「新茶」・日常のリフレッシュには「二番茶」・香ばしさを求めるなら「三番茶」・健康を意識する方には「秋てん茶」。
気分とシーンに合わせて、今年のベスト一杯を見つけてみてください。



