一番茶・二番茶・三番茶・秋てん茶・新茶の違いとは?味・香り・用途を徹底比較

「一番茶・二番茶・新茶、何がどう違うのか」と迷ったことはありませんか。実は、これらは摘採時期の違いによって、味・香り・成分・価格・用途がまったく異なります。そのため、違いを理解するだけで、日常の一杯の選び方と楽しみ方が大きく変わります。また、BtoBの仕入れ・製品開発においても、茶期の特性は原料選定の重要な判断軸になります。本記事では、一番茶から秋てん茶まで全5茶期を比較表付きで解説し、目的別の選び方までまとめています。

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5つの茶期を一覧で比較

最初に全体像を把握すると、個別の解説が理解しやすくなります。

茶期別・特徴と用途の早見表

茶期摘採時期味の特徴主な用途価格帯
一番茶(新茶)4月下旬〜5月上旬甘み・旨味が強く、苦味少なめ高級煎茶・玉露・贈答高め
新茶(八十八夜)5月2日前後最もみずみずしい青葉香と甘み縁起茶・贈答・特別な一服高め
二番茶6月上旬〜中旬渋み・コクがほどよく爽やか日常用煎茶・ペットボトル中程度
三番茶7月前後香ばしく苦味が強いほうじ茶・玄米茶・業務用低め
秋てん茶10〜11月頃あっさり・香ばしい後味健康茶・加工用抹茶原料低め〜中程度

つまり、「何のために使うか」を先に決めると、茶期の選択が一気にシンプルになります。

「新茶」と「一番茶」は同じ?違う?

混乱しやすいのが、新茶と一番茶の関係です。 結論として、新茶は一番茶の中の特別な呼び名です。 一方、一番茶は「その年最初に摘まれた茶葉全般」を指す広い概念です。 さらに、新茶は立春から88日目(八十八夜)前後に摘まれたものを特に指す場合が多く、縁起物として区別されます。 つまり、「新茶=一番茶」という理解はおおむね正しいですが、新茶のほうが季節的・文化的な意味合いが強い表現です。 そのため、贈答や縁起を重視する場合は「新茶」、品質・原料基準で選ぶ場合は「一番茶」という使い分けが適切です。

一番茶とは?旨味と香りが際立つ春の初摘み

一番茶の味・成分・特徴

はじめに一番茶は、冬の間に根に蓄えられた栄養が春の新芽に一気に注ぎ込まれた茶葉です。そのため、旨味成分のテアニン(アミノ酸)が特に豊富で、二番茶の約3倍の含有量とされています。また、苦味・渋味をもたらすカテキンはまだ少なく、まろやかで優しい味わいが特徴です。さらに、透明感のある萌黄色の水色も、一番茶ならではの美しさです。

項目内容
摘採時期4月下旬〜5月上旬
テアニン含有量二番茶の約3倍
味の特徴甘み・旨味が強く、苦味少なめ
透明感のある萌黄色

さらに、宇治地方では覆い下栽培(被覆栽培)によって光合成を抑え、旨味をさらに濃縮させる手法が伝統的に用いられています。 つまり、一番茶は栽培方法と加工技術によって、品質の幅が最も広い茶期でもあります。

美味しい淹れ方と活用シーン

とりわけ一番茶の旨味を最大限に引き出すには、低温・長時間抽出が基本です。

  • 茶葉:2〜3g(ティースプーン山盛り1杯程度)
  • 湯温:70〜80℃に冷ましたお湯
  • 抽出時間:40〜60秒

なぜなら、熱湯を使うとテアニンが壊れ、渋みが強く出やすくなるからです。 そのため、低温でゆっくり淹れることが、まろやかな旨味を引き出す最大のポイントです。 また、冷水でゆっくり抽出する水出しでも、甘みが際立つ一杯になります。 さらに、奈良の藤田茶園によると、時間の経過とともに風味が落ち着いて熟成するため、新茶時期と夏以降では異なる表情を楽しめます。

おすすめシーン: 朝の一服・おもてなし・贈答用・茶道(薄茶・濃茶)

新茶|八十八夜に摘まれる一年一度の縁起茶

新茶ならではの香りと味わい

特に、新茶の最大の特徴は他の茶期では再現できない「青葉香」です。また、春の新緑を感じさせるみずみずしい香りと、柔らかな甘みが一体となった味わいは、一番茶の中でも特別な存在です。さらに、テアニンが特に豊富なため、リラックス効果・集中力向上・ストレス緩和への作用が期待されています。加えて、「八十八夜に摘んだ茶を飲むと長生きできる」という言い伝えがあり、縁起物としても珍重されてきました。そのため、贈答用として新茶の季節に特別な需要が生まれます。

新茶の美味しい淹れ方:

  • 湯温:70〜80℃
  • 抽出時間:約40秒
  • 開封後は1か月以内に飲み切ることを推奨

産地別の摘採時期と贈答シーン

日本列島は南北に長いため、新茶の収穫時期は産地によって異なります。つまり、鹿児島の新茶と狭山の新茶では、約1か月の開きがあります。また、産地によって香りや渋みの個性が異なるため、飲み比べも新茶の楽しみ方のひとつです。

産地摘採時期特徴
鹿児島3月末〜4月中旬早摘みでまろやか
静岡4月中旬〜5月中旬旨味と渋みのバランスが良い
宇治(京都)4月下旬〜5月上旬香り高く上品
狭山(埼玉)5月上旬〜下旬濃厚でコクのある味わい

おすすめの贈答シーン: 八十八夜の縁起物・新生活祝い・お中元・手土産

二番茶とは?渋みが心地よいバランス型のお茶

二番茶の味・成分・用途

次に二番茶は、一番茶摘採から約45日後、初夏の強い日差しを受けて育つ茶葉です。 そのため、日照量が増えることでカテキン含有量が高まり、キリッとした渋みとコクが特徴になります。 一方、テアニンは一番茶の約1/3程度まで減少します。 つまり「旨味よりも渋みとコク」を求める場面や、健康効果を重視する用途に適しています。

項目内容
摘採時期6月上旬〜中旬
主な成分カテキン(多)・テアニン(少)
味の特徴渋みと爽やかなキレ
価格帯一番茶よりリーズナブル

また、世界緑茶協会の情報によると、一番茶摘採後の茶樹は約2週間で成長を再開し、45日前後で次の摘採期を迎えます。さらに、カテキンには抗酸化・抗菌・脂肪燃焼作用があるとされており、日常的に飲む健康茶として最適です。加えて、品質とコストのバランスが良いため、ペットボトル飲料や給茶機にも幅広く採用されています。

美味しい淹れ方と活用シーン

まず二番茶は高温・短時間抽出が基本です。

  • 茶葉:5g
  • 湯温:90〜95℃
  • 抽出時間:15〜20秒

また、温度を70〜80℃に下げるとまろやかな味わいに変化します。そのため、朝は高温でキリッと・夜は低温でまろやかにと、気分で淹れ方を変えられるのが魅力です。さらに、冷茶にしても美味しく、夏の食卓にもよく合います。

主な用途: ペットボトル緑茶

三番茶とは?夏に摘まれる爽快な味わいのお茶

三番茶の特徴と生産現場での位置づけ

次に三番茶は、二番茶収穫から約1か月後、真夏の強い日差しのもとで急速に成長した茶葉です。そのため、葉が厚く硬くなり、香ばしくキリッとした風味が際立ちます。一方、テアニンは少ないため、上級茶としての飲用より加工用原料としての活用が中心です。また、宇治の老舗・流芳園によると、三番茶を収穫すると茶の木が疲弊し、翌年の一番茶品質に影響を与える場合があります。そのため、「三番茶をあえて摘まない」という選択をする農家も少なくありません。一方、静岡・鹿児島などの大規模産地では、加工・業務用として有効活用する戦略をとることも多いです。

つまり、三番茶は生産者にとって戦略的な判断が問われる茶期でもあります。

主な用途: ほうじ茶・玄米茶・ペットボトル茶・ティーバッグ

三番茶と三年番茶の違い

三番茶と三年番茶は名前が似ています。そのため混同されやすいですが、まったく別のお茶です。

比較項目三番茶三年番茶
原料夏に摘まれた茶葉茎・葉を3年以上熟成させた番茶
製法収穫後すぐに加工・焙煎長期熟成+焙煎
香ばしくキリッとした渋味まろやかで優しい甘み
カフェイン通常の煎茶と同程度極めて少ない
飲用シーン食事中・冷茶向き妊婦・子ども・高齢者にも安心

かわしま屋によると、三年番茶は三年以上熟成または育成した茶木の葉や茎を焙煎して作られます。そのため、カフェインやタンニンが極めて少なく、マクロビオティックの基本茶として知られています。一方、三番茶は夏の収穫茶であり、熟成茶とはまったく異なります。つまり、三番茶は「夏の収穫茶」、三年番茶は「熟成された健康茶」として、目的から使い分けることが重要です。

秋てん茶(秋冬番茶)|ポリサッカライドが豊富な健康茶秋てん茶の成分と健康効果

次に秋てん茶は、10〜11月頃に摘まれる茶葉から作られます。 特にこの時期の茶葉は枝や茎が太く、ポリサッカライド(多糖類)を豊富に含んでいます。とりわけポリサッカライドは糖の吸収をゆるやかにし、血糖値の上昇を抑える効果があるとされています。 また、腸内の善玉菌のエサとなり、整腸・免疫サポートへの作用も期待されています。 そのため、健康志向・ダイエット・生活習慣ケアの分野で注目が高まっています。

成分期待される効果
ポリサッカライド血糖値上昇抑制・整腸作用
カテキン抗酸化・抗菌・脂肪燃焼
ミネラル類疲労回復・体調管理

また、秋の茶葉は根からミネラルを吸収する時期にあたるため、カリウム・カルシウム・マグネシウムのバランスも豊富です。つまり、秋てん茶は飲みやすさと機能性を両立した、日常の健康茶として優れた選択肢です。

基本の淹れ方(煮出し): 茶葉10gを水500mlで3〜5分煮出す。なぜなら、煮出すことでポリサッカライドがしっかり抽出され、健康効果を最大限に引き出せるからです。

碾茶(抹茶原料)としての秋てん茶

宇治茶問屋・桑原善助商店の情報によると、1980年代以降、愛知県西尾を中心に秋碾茶(秋摘みの碾茶)の生産が広がっています。 特に秋碾茶は主に加工用・業務用抹茶の原料として利用されています。 また、ほうじ抹茶・ラテベース・菓子原料などへの応用も進んでいます。 ただし、覆い下栽培を行っていない秋番の茶葉を「抹茶」と表示することには業界内で議論もあります。 そのため、「秋てん茶」として区別する動きも見られ、原料調達時には表示基準の確認が推奨されます。

目的別・茶期の選び方まとめ

「どの茶期を選べばいいかまだ迷っている」方は、以下を参考にしてください。

シーン別おすすめ茶期チェックリスト

こんなときは…おすすめの茶期
贈答・おもてなし・茶道一番茶 / 新茶(八十八夜)
毎日飲む日常用・コスパ重視二番茶
ほうじ茶・玄米茶・業務用原料三番茶
健康管理・血糖ケア・カフェイン控えめ秋てん茶
季節のご挨拶・縁起物として新茶(八十八夜)
加工用抹茶・ラテベース原料(BtoB)秋てん茶 / 二番茶

また、価格を抑えながら品質を保ちたい場合、二番茶はコストパフォーマンスの高い選択肢です。一方、特別な用途や贈答には、一番茶・新茶の豊かな香味が圧倒的な価値を発揮します。さらに、BtoBの原料選定では、茶期に加えて栽培方法・認証の有無も合わせて確認することが重要です。つまり、「価格」ではなく「用途と場面」を基準にすることが、選び方の精度を高めます。

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抹茶は「飲む」だけではなく、知るほどに味が深まる世界です。
一番茶から新茶まで、その違いを理解すると、日々の一服がまるで別物になります。

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まとめ:用途を先に決めると選び方がシンプルになる

まとめとして、5つの茶期の違いを、改めて整理します。

  • 一番茶:旨味・甘みが最高峰。特別な一服・贈答・茶道向き
  • 新茶(八十八夜):青葉香とみずみずしさが特別。縁起茶・季節の贈り物向き
  • 二番茶:渋みとコクのバランス型。日常使い・健康飲料・業務用向き
  • 三番茶:香ばしくコスト効率が高い。ほうじ茶・加工用原料向き
  • 秋てん茶:ポリサッカライドが豊富。健康茶・加工用抹茶原料向き

また、茶期は「高い=良い」ではなく「用途に合っているかどうか」で判断することが重要です。 さらに、BtoBの原料調達においては、茶期の特性が製品の風味・コスト・認証対応に直結します。 そのため、茶期の知識は消費者・バイヤーのどちらにとっても、選択精度を高める実用的な情報です。

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