マレーシアの抹茶事情|多文化社会で広がる健康志向とカフェトレンド

東南アジアの中心に位置するマレーシアでは、ここ数年で抹茶の人気が急速に高まっています。
カフェ文化が根付く都市部では抹茶ラテが定番化し、スーパーやコンビニでも抹茶味のお菓子やアイスを気軽に購入できるようになりました。背景には健康志向・多民族文化との融合・日本文化ブームといった複合的な要因があります。

本記事では、マレーシアにおける抹茶人気の背景、市場規模とトレンド、現地カフェやブランドの事例を紹介しながら、日本ブランドにとってのビジネスチャンスを徹底分析します。マレーシア市場を知ることで、抹茶のグローバル展開の可能性をより深く理解できるでしょう。

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マレーシアで抹茶が人気を集める背景

マレーシアでは、ここ数年で抹茶が一気に市民権を得ました。スーパーやコンビニで気軽に購入できるだけでなく、街中のカフェでも抹茶ラテは定番メニューになっています。なぜ多民族国家マレーシアで、抹茶がこれほど受け入れられているのでしょうか。その背景を整理してみましょう。

健康志向・美容志向と抹茶の親和性

抹茶は、カテキンやテアニン、ビタミンなどを豊富に含むスーパーフードとして世界的に注目されています。マレーシアでも、都市部を中心に「健康」「美容」「集中力アップ」への関心が高まり、抹茶の効能がライフスタイルと結びついて受け入れられています。

とくに若年層や女性は、美容やダイエットを意識した飲み物を選ぶ傾向が強く、「罪悪感のない甘さ」として抹茶ドリンクを選ぶ人が増えています。さらに、SNS文化が浸透しているマレーシアでは、スターバックスのストロベリー抹茶ラテのように「映える要素」と「健康イメージ」を兼ね備えた商品が爆発的な人気を集め、抹茶の認知度を一気に押し上げました。

多民族社会(マレー系・中華系・インド系)の食文化との融合

マレーシアは、マレー系・中華系・インド系が共存する多民族社会です。そのため、食文化も非常に多様であり、抹茶はこの柔軟な食文化にスムーズに溶け込みました。

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このように、それぞれの食習慣に合わせて抹茶がアレンジされることで、「民族を超えて楽しめる味」として定着してきました。多民族社会だからこそ、抹茶の可能性は大きく広がっているのです。

日本食・アニメ文化・観光の影響

抹茶人気の背景には、日本文化そのものの浸透があります。寿司やラーメンなどの日本食が定番化した流れを受けて、抹茶も「次なる日本体験」として注目を浴びています。

さらに、アニメやドラマを通じて「抹茶=日本らしい飲み物」というイメージが強く根付いており、現地の若者は「本物の日本文化に触れたい」という憧れから抹茶を選ぶ傾向があります。

また、訪日観光客の増加も追い風です。日本旅行で体験した抹茶スイーツや茶道体験をきっかけに、帰国後もその味を求める人が増えています。マレーシア国内でも、茶筅を使った本格的な抹茶ラテを提供するカフェが登場し、「本物感のある日本文化体験」が現地で味わえるようになったことは、抹茶人気をさらに押し上げる要因となっています。

マレーシアの抹茶市場規模とトレンド

マレーシアにおける抹茶需要は、飲料やスイーツ分野を中心に年々拡大傾向にあります。市場全体の統計はまだ発展途上にありますが、調査会社のデータやカフェチェーンの展開から見ても、抹茶関連商品の売上は右肩上がりです。特にクアラルンプールやペナン、ジョホールバルといった都市部ではカフェ文化が定着し、抹茶は「おしゃれで健康的なライフスタイルを象徴する存在」として広く浸透しています。

抹茶ドリンク(タピオカティー・フラッペ)市場の成長

マレーシアで若者を中心に人気を集めているのが抹茶ドリンク市場です。タピオカドリンクのリーディングブランドであるTealiveでは、西尾産抹茶を使った「抹茶ラテ」「抹茶フラッペ」が定番メニューとなっており、店舗の看板商品にまで成長しています。

これらの商品は、単に味を楽しむだけでなく、「映えるドリンク」としてInstagramやTikTokで拡散され、若年層の間でトレンド化しました。さらに、スターバックスやローカルチェーンも抹茶を使ったシーズナルメニューを投入し、市場の競争を加速させています。こうした動きにより、抹茶は「特別な日本文化体験」から「日常的に選ばれる飲料」へと変化してきました。

ベーカリー・スイーツでの抹茶メニューの浸透

抹茶の浸透は飲料だけにとどまりません。ケーキショップやベーカリーでも抹茶は人気フレーバーの一つとなっています。代表的な例として、Secret Recipeでは「抹茶チーズケーキ」「抹茶ケーキ」が主力商品として販売され、幅広い世代に支持されています。

また、スーパーやコンビニでは抹茶味のキットカットや抹茶アイスが定番商品として並び、家庭でも手軽に抹茶を楽しめる環境が整いました。日本のファミリーマートがマレーシアに展開する宇治抹茶ソフトクリームはSNSで話題を集め、店舗集客の起爆剤にもなっています。

つまり、抹茶は「特別な嗜好品」から「日常的なおやつ・デザート」へと浸透し、市場の裾野を大きく広げているのです。

購買層と価格帯の特徴

マレーシアの抹茶市場を理解する上で重要なのが二層構造です。

富裕層・都市部の中間層
高品質で本格的な日本産抹茶を求める傾向が強く、宇治や西尾といった産地ブランドに付加価値を感じます。価格が多少高くても「本物」を選び、日系抹茶専門店を利用することが多いのが特徴です。
若年層・学生層
価格を重視し、手軽に楽しめる抹茶ドリンクやスナックを好みます。Tealiveやコンビニ商品はこの層に刺さりやすく、「気軽に試せる抹茶体験」を提供しています。

この二層の消費行動が共存していることで、抹茶市場は「プレミアム志向」と「大衆志向」の両輪で成長しています。ブランド戦略としても、どちらの層をターゲットにするかによってマーケティング手法や商品設計が大きく変わる点が注目すべきポイントです。

マレーシアの人気抹茶カフェ・ブランド事例

マレーシアでは、ローカルカフェチェーン・日系ブランド・小売/ECといった多層的なプレイヤーが抹茶市場をけん引しています。それぞれの強みを活かした展開が、抹茶を「特別な嗜好品」から「日常的な定番」へと押し上げているのです。

現地カフェチェーン(Tealive・Secret Recipe など)

ローカル発のカフェチェーンは、マレーシアにおける抹茶需要の土台を築いています。

Tealive

タピオカティーで一世を風靡したTealiveは、日本の西尾抹茶を前面に打ち出したドリンクを展開。カスタマイズ性の高さと「映える見た目」で若年層を中心に大人気です。抹茶ラテや抹茶フラッペはSNS投稿を狙った定番ドリンクとなり、抹茶の認知度を一気に高めました。

Secret Recipe

マレーシア全土に店舗を構える大手ベーカリーカフェで、抹茶ケーキや抹茶チーズケーキをレギュラー商品として提供。子どもから大人まで幅広い世代に支持され、誕生日やお祝いシーンでも選ばれる存在になっています。


これら現地ブランドは「価格の手頃さ」と「ローカルらしいアレンジ力」で、抹茶を日常に根付かせる大きな役割を果たしています。

日系抹茶専門店(辻利・ななや・ナナズグリーンティーなど)

一方で、“本物志向”を求める層には日系ブランドが人気です。

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これらの店舗は「日本で体験した本物の味を現地でも楽しめる」ことを強みとし、ブランド体験そのものがステータス化しています。

スーパー・コンビニ・ECでの抹茶商品の広がり

日常的な消費を支えているのは、スーパーやコンビニ、そしてECです。

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こうして、「特別なカフェ体験」から「家庭での気軽な消費」まで網羅する流通網が広がり、マレーシアにおける抹茶市場の裾野をさらに押し広げています。

日本抹茶ブランドにとってのビジネスチャンス

マレーシア市場は、東南アジアにおける抹茶需要の拡大をけん引する重要な拠点です。人口の増加と都市化、さらにSNSを軸とした消費行動の変化によって、日本ブランドにとっては数多くのチャンスが広がっています。ここでは特に注目すべきポイントを整理します。

高品質抹茶を求める富裕層・都市部消費者

クアラルンプールやペナンなどの都市部では、富裕層やグローバル志向の消費者が「本物志向」を強めています。彼らは単なる「抹茶風味」では満足せず「京都・宇治」「愛知・西尾」といった産地ブランドのストーリーに価値を見いだします。

この層は価格に対して比較的寛容で、高品質=ステータスという意識が強いのが特徴です。例えば、抹茶パウダーやプレミアムスイーツをギフト用途として購入する動きが定着すれば、日本ブランドにとって高い利益率を確保できる市場になります。

ハラール認証の重要性と展開戦略

マレーシアはイスラム教徒が約7割を占める国であり、ハラール認証は参入の必須条件といえます。認証があれば、スーパー・コンビニ・飲食チェーン・ECといった幅広いチャネルで販売が可能になり、消費者の信頼も獲得しやすくなります。

加えて、マレーシアはハラール製品の輸出拠点としても有力です。ここで認証を取得すれば、インドネシアや中東諸国といった周辺市場へ展開する際にも大きな強みとなります。つまり、マレーシア市場は単なる販売先にとどまらず、“ハラールゲートウェイ”としての役割を担うのです。

SNS・インフルエンサーを活用したプロモーション

マレーシアの消費者、とくにZ世代やミレニアル世代は、SNSの影響を強く受けます。InstagramやTikTokで「映える抹茶ドリンク」や「和スイーツ動画」が拡散されれば、購買行動に直結します。

現地のフード系インフルエンサーやライフスタイル系クリエイターとのコラボレーションは、短期間で認知を高める効果的な手段です。また、“日本直送” “限定フレーバー”といったストーリー性を加えることで、話題性を強化できます。

結果として、SNS戦略は単なる広告ではなく、「抹茶=トレンドの中心」というポジションを築くための武器となるのです。

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マレーシアをはじめ、タイ・シンガポール・欧米など、世界各国で抹茶ブームが広がっています。
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まとめ|マレーシアは東南アジアの抹茶需要拡大の鍵

マレーシアにおける抹茶人気は、健康志向の高まり・多民族文化への柔軟な融合・日本文化ブームといった複数の要素が重なり合うことで形成されています。抹茶はすでに都市部のカフェやコンビニに浸透し、特別な嗜好品から「日常的に楽しむ味」へと進化しました。

さらに、現地チェーンによる大衆化日系専門店による本物志向の体験が並行して市場を拡大し、スーパーやECが家庭需要を後押ししています。こうした多層的な成長モデルは、マレーシアが東南アジアの抹茶需要拡大をリードする理由の一つといえるでしょう。

日本ブランドにとっては、

  • 高品質抹茶を求める富裕層へのプレミアム戦略
  • ハラール認証を軸にした販路拡大と周辺国展開
  • SNSマーケティングによる若年層への浸透

といった複数のビジネスチャンスが広がっています。

つまり、マレーシア市場を押さえることは単なる一国展開にとどまらず、東南アジア全域への拡大を見据えた戦略的布石になるのです。

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