スペインの抹茶事情|健康志向とカフェ文化が生む新しいブーム
ヨーロッパの中でも健康志向とカフェ文化が共存する国・スペインで、いま抹茶が新たなブームを巻き起こしています。
地中海式食文化の中に「抹茶」という日本の伝統が溶け込み、ウェルネス・美意識・ライフスタイルの象徴として注目を集めています。
バルセロナやマドリードでは、抹茶ラテや抹茶スイーツが定番化し、SNSでは「#matchaspain」「#matchabarcelona」といったハッシュタグが急増。
さらに、家庭でも手軽に抹茶を楽しむ動きが広がり、スペイン独自の“抹茶文化”が形成されつつあります。
本記事では、スペインで抹茶が注目される理由から市場の現状、人気カフェの事例、そして日本ブランドにとってのビジネスチャンスまでを徹底解説します。
健康・文化・ビジネスの3つの視点から、“地中海の抹茶革命”を紐解いていきましょう。
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スペインで抹茶が注目される理由

ヨーロッパでも特に健康・美容意識が高い国、スペインでは、近年抹茶が“ウェルネスドリンク”として注目を集めています。
もともと地中海食文化が「オリーブオイル」「野菜」「魚」などの自然食を大切にしてきた背景があり、抹茶はその延長線上にあるナチュラルで機能的な飲み物として受け入れられています。
オーガニック志向・ビーガン志向の若者を中心に、「抹茶=心と体を整えるグリーンパウダー」という認識が定着しつつあるのです。
健康志向・ナチュラルフードブームの影響
スペインでは新型コロナ禍以降、「健康とメンタルのバランス」を意識した食生活への関心が急速に高まりました。
抗酸化・デトックス・リラックスといったワードが食トレンドの中心にあり、抹茶に含まれるカテキンやテアニンがその象徴的な存在となっています。
特に注目されているのは、
といった“機能性”の高さです。
ジュースバーやヨガスタジオでは、「Matcha Smoothie」「Matcha Energy Bowl」などのメニューが登場し、ヘルシーな朝食ドリンクとして定着。
「抹茶はただの粉末緑茶ではなく、体と心をリセットする時間の象徴」として、ウェルネス系コミュニティでも人気を集めています。
また、ビーガン・グルテンフリー志向が根強いバルセロナやマラガでは、植物性ミルクで作る抹茶ラテが日常的に楽しまれています。
このように、抹茶は「ナチュラル」「クリーン」「マインドフル」という価値観に見事にフィットしているのです。
カフェ文化・バリスタトレンドとの融合
スペインといえば、街角のバルやカフェでエスプレッソを嗜む「カフェ文化の国」。
そんな伝統的なコーヒー文化の中でも、近年は“Matcha Latte”が新しいエスプレッソの選択肢として広がりを見せています。
バルセロナやマドリードでは、「Matcha & Co Café」や「Nomad Café」などの人気店が抹茶ラテを定番メニューに導入。
特に観光客の間では、トトロや富士山のラテアートを描いた抹茶ラテがSNSで話題となり、
Instagramでは「#matchabarcelona」「#matchalatteart」といったタグが増加しています。
さらにスペイン人バリスタの間でも、抹茶を「新しいエスプレッソ」と捉え、
そのクリーミーな泡立ちや鮮やかなグリーンカラーを活かした独自の抽出技術を追求する動きが進んでいます。
コーヒー文化と日本茶文化が融合することで、スペインのカフェシーンはより多様で国際的な彩りを見せているのです。
スペイン抹茶市場の現状と広がり

スペインではここ数年、抹茶関連商品の流通量が急速に拡大しています。
輸入・小売・オンラインのすべての段階で製品が増加しており、
「カフェで飲むもの」から「家庭で楽しむもの」へと進化しつつあります。
とくに健康志向とデザイン性を兼ね備えたライフスタイル商品として、抹茶の存在感が高まっています。
輸入・販売の拡大傾向
スペインで流通している抹茶の多くは、日本やフランスを経由して輸入されたオーガニック抹茶です。
国営放送RTVEでは“Kyoto Matcha”を特集する番組が放送され、「京都や愛知・西尾産の抹茶は品質の証」と紹介されるほど、
日本産ブランドの信頼性が高まっています。
スペインの食品業界では、抹茶が「superfood(スーパーフード)」として注目され、
カテキン・テアニンなどの健康成分が科学的に紹介される機会も増えました。
メディアでは「集中力を高めるグリーンティー」「デトックス効果のある自然食品」として紹介され、
とくに20〜40代の女性層を中心に美容・健康目的での購買が増加しています。
また、現地企業の中には抹茶を使用したエナジーバーやスムージーパウダーを展開する動きも見られ、
「日常に取り入れやすい健康食材」として市場が拡大しています。
つまり、抹茶はもはやアジア系食品ではなく、欧州の健康食カテゴリーの一角として定着し始めているのです。
スーパー・オンライン・専門店での展開
大手デパート「El Corte Inglés」やスーパーマーケット「Carrefour」では、
抹茶粉末・ティーバッグ・スティックタイプが常設コーナーに並び、一般消費者にも身近な存在となりました。
さらに、オンラインでは「Amazon España」「Matcha & Co」「Té Matcha Bio」など、
スペイン国内ブランドが独自のマーケティングで急成長しています。
なかでもバルセロナ発の「Matcha & Co」は、
“Made in Japan, Designed in Spain”をコンセプトに、
日本産抹茶の品質を前面に出しつつ、北欧風のシンプルなデザインで欧州若年層に訴求。
公式ECサイトやInstagramで「#DrinkMatcha」「#MatchaLoversSpain」などのキャンペーンを展開し、
ブランド×ウェルネス×デザインの融合で支持を拡大しています。
また、観光地のギフトショップでも抹茶製品が販売され、
「旅先で出会う日本文化」としての認知も進んでいます。
このように、スペイン市場では「機能性」「審美性」「文化性」を兼ね備えた抹茶が、
健康的かつ洗練されたライフスタイルアイコンとして浸透しているのです。
バルセロナ・マドリードを中心とした抹茶カフェ文化

ヨーロッパ有数の観光都市であるバルセロナとマドリードでは、近年「抹茶ラテ」や「抹茶スイーツ」を提供するカフェが急増しています。
これまでコーヒー一色だったスペインのカフェ文化に、新しい“グリーン”の波が訪れているのです。
抹茶の鮮やかな色合いとヘルシーなイメージ、そして日本文化への憧れが重なり、国内外の観光客から熱い支持を集めています。
人気カフェの事例(Matcha Gracias / Nomad Caféなど)
バルセロナの中心地にある「Matcha Gracias」は、スペインでもっとも注目を集める抹茶専門カフェのひとつ。
メニューにはオーガニック抹茶を使った「Matcha Latte」や「抹茶チーズケーキ」、
さらには「Matcha Tiramisu」など、伝統的スイーツと抹茶を融合させたメニューが並びます。
店内は木材と和紙を基調にしたインテリアで統一され、まるで日本の茶室のような落ち着いた雰囲気。
観光客の多くは写真を撮り、「#matchabarcelona」や「#matchagracias」を付けてSNSに投稿しています。
一方、首都マドリードでは「Nomad Café」や「Roots Lamarca」などが抹茶ドリンクを定番化。
特に注目されているのが、「抹茶ラテ+タパス」というスペインならではの新しいペアリングです。
オリーブオイルに抹茶をブレンドしたディップや、抹茶を練り込んだチーズトーストなど、
地元食材との掛け合わせによって、“抹茶タパス”という新ジャンルが誕生しました。
これは単なるドリンクトレンドを超え、日本の抹茶文化とスペインの食文化の融合を象徴する現象といえます。
バルセロナではMichelin星付きレストランの一部でも抹茶が取り入れられ、
抹茶を「香りのアクセント」「苦味の演出」として使うシェフも増えています。
SNSによるトレンド拡散
この抹茶ブームを加速させているのが、InstagramやTikTokなどのSNSです。
「#matchaspain」「#matchabarcelona」「#matchalatteart」といったハッシュタグ投稿が急増し、
観光客が撮影した“映える抹茶スイーツやラテアート”が次々と拡散されています。
特に人気なのは、トトロやサクラを描いたラテアート、
グラスの層が美しい二層仕立てのアイス抹茶ラテなど、
「日本らしさ×デザイン性×ウェルネス」を掛け合わせたビジュアル。
スペインでは、見た目の美しさも消費の重要な要素とされており、
抹茶は“健康的でアーティスティックな飲み物”として高く評価されています。
さらに、インフルエンサーや旅行ブロガーによる発信を通じて、
「スペイン旅行で必ず訪れたい抹茶カフェ」という認識が広がっています。
こうしたSNS発信が口コミを超えて観光誘客の一因となり、
バルセロナやマドリードの抹茶カフェは、
もはや“グローバル観光コンテンツ”として存在感を放っているのです。
家庭でも広がる抹茶の楽しみ方

スペインでは、抹茶がカフェの枠を超え、家庭の日常に溶け込む存在になりつつあります。
「お茶=社交の時間」という文化が根付くスペインにおいて、
抹茶はティータイムやお菓子づくりと相性が良く、自宅で楽しむウェルネスドリンクとして人気が拡大しています。
特に健康志向の高まりを背景に、「朝の抹茶習慣」を始める人が増えているのが特徴です。
家庭での抹茶ラテ・デザートづくり
スペインのスーパーでは、スティックタイプの抹茶パウダーや抹茶入りティーバッグが登場。
これにより、専門店に行かなくても家庭で手軽に抹茶を楽しめるようになりました。
SNSや料理サイトでは「Matcha Muffin」「Cheesecake de Matcha」「Galletas de Matcha(抹茶クッキー)」といったレシピが人気を集め、
ハンドミキサーやミルクフォーマーを使って作る“DIY Matcha Latte”もトレンドになっています。
また、抹茶を使ったホームカフェアレンジが注目されており、
・アーモンドミルクやオーツミルクを使ったヴィーガン抹茶ラテ
・抹茶+はちみつ+豆乳のスムージー
・アイスキューブにした抹茶を牛乳に浮かべる「アイスマッチャラテ」
といった、見た目にも美しいアレンジがスペインの家庭で広がっています。
こうしたアレンジ性の高さが、抹茶人気を支える大きな要因となっています。
ウェルネス・ライフスタイルの一部に
さらに、抹茶は“心を整えるドリンク”としても定着しつつあります。
「朝の一杯で気持ちをリセットする」「瞑想やヨガの前に飲む」など、
マインドフルネスの文脈で取り入れる人が増えています。
抹茶に含まれるテアニンのリラックス効果と、適度なカフェインの覚醒効果が、
「穏やかに集中したい」という現代人のニーズにぴったり合っているためです。
ヨガ・ピラティス愛好者の間では、カフェインドリンクの代わりに抹茶を取り入れる“Green Mind Routine”という新しい習慣も広がっています。
また、ウェルネスブランドの一部では「Matcha Ritual(抹茶の儀式)」という表現を使い、
日常の中で自分を整える時間=抹茶時間を提案。
スペイン特有のスローフード文化とマインドフルネスの精神が融合し、
抹茶は“飲む瞑想”としての価値を確立しつつあります。
このように、スペインでは抹茶がカフェからキッチンへ、嗜好品から生活習慣へと進化し、
健康と心のバランスを重視するライフスタイルの象徴になっています。
日本ブランドにとってのビジネスチャンス

成熟した健康志向市場を持つスペインは、日本ブランドにとって大きなチャンスのある国です。
品質・文化・サステナビリティを軸にした戦略が有効です。
プレミアム・文化価値の訴求
「宇治」「西尾」などの産地ブランドによる差別化は強力です。
スペインでは“Kyoto Matcha”が高級抹茶の代名詞になりつつあり、品質と文化的背景が購買動機に直結します。
また、現地での茶会・試飲会・日本文化体験イベントなど、体験型プロモーションが効果的です。
文化を「味わう」ことで、ブランドの信頼とファンを生み出します。
サステナブル・オーガニック市場への参入
EUでは「有機認証(EU Organic)」が購買判断の基準となっており、環境配慮と品質保証が重要視されます。
サステナブルな生産体制をアピールできる日本ブランドは、他国産抹茶との差別化が容易です。
特に、再利用可能パッケージやトレーサビリティ導入など、社会的責任を示すブランド戦略が支持を集めています。
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まとめ|スペインの抹茶市場は“ウェルネス×カフェ文化”で成長中
スペインにおける抹茶人気は、単なる一過性のトレンドではなく、健康志向・カフェ文化・文化交流が融合して生まれた新しい市場です。
もともと地中海食を中心とした「自然で健康的な食文化」を持つスペインでは、
抹茶の持つ抗酸化力やリラックス効果が共感を呼び、ウェルネスの象徴として定着しつつあります。
カフェでは“Matcha Latte”が新たな定番ドリンクとなり、観光客が訪れるバルセロナやマドリードを中心に、
SNSで拡散される「映える抹茶スイーツ」がトレンドを牽引。
家庭でもスティック抹茶やティーバッグが普及し、日常のティータイムに抹茶が登場するようになりました。
つまり、抹茶は今やカフェ・家庭・観光の3つのフィールドで確固たる地位を築いているのです。
これからのスペイン市場では、「品質×文化×共感」が成功のカギになります。
単に“抹茶を売る”のではなく、「どの産地の茶なのか」「どんな物語を持つのか」を伝えることが重要です。
日本ブランドがその背景と価値を丁寧に発信することで、抹茶は地中海の地でも永続的なブランド文化として根づいていくでしょう。



