フランスの抹茶事情|健康志向とカフェ文化がつくる“美の抹茶ブーム”
フランスでは今、抹茶が「美と健康の象徴」として再び注目を集めています。
パリを中心に広がるカフェ文化の中で、抹茶ラテやスイーツが定番化し、美容・ウェルネス・デザインの三拍子がそろった“美の抹茶ブーム”が加速中です。
本記事では、フランスでの抹茶人気の背景から市場動向、現地ブランド事例、そして日本企業にとってのビジネスチャンスまでを徹底解説します。
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フランスで抹茶が注目される理由

フランスでは、美容と健康を重視するライフスタイルが定着し、「抹茶=美のスーパーフード」としての認識が急速に広がっています。
もともと紅茶やハーブティーを愛飲する文化が根づくフランスにおいて、抹茶は“第3のドリンク”として新たな地位を築きつつあります。
その背景には、健康志向・ヴィーガン文化・SNSトレンドという3つの要素が密接に関係しています。
健康・美容志向の高まり
フランスの抹茶人気を支える最大の要因は、ポリフェノールやカテキンなどの抗酸化作用。
「アンチエイジング」「美肌」「デトックス」など、美容と健康を両立できる飲み物として注目されています。
雑誌『VOGUE PARIS』や美容系Webメディアでも「抹茶はパリジェンヌの新しい朝のルーティン」として特集されるほどです。
特に20〜40代の女性層やインフルエンサーの間では、抹茶ラテ=“飲むスキンケア”というイメージが浸透。
オーツミルクやアーモンドミルクで割る“ヴィーガン抹茶ラテ”は、罪悪感のないカフェドリンクとして人気を博しています。
また、カフェインが穏やかに作用する点も評価され、「コーヒーよりリラックスできる飲み物」として日常化しています。
ポイント
カフェ文化・バリスタトレンドとの融合
フランスの抹茶人気を後押ししているのが、カフェ文化の成熟とバリスタトレンドの進化です。
パリ、リヨン、ニースといった都市では、抹茶が“新しいエスプレッソ”として定着し、
多くのカフェで「Matcha Latte」「Matcha Smoothie」が定番メニューになっています。
バリスタがカウンターで茶せんを使い、丁寧に抹茶を点てる光景も珍しくなくなりました。
その姿が「職人の美学=アートのような一杯」としてInstagramで拡散され、
フランス人の間で“抹茶を点てる”という行為そのものがライフスタイルの一部となっています。
さらに、抹茶はコーヒーの苦味が苦手な層にも好評で、
「ナチュラル」「エレガント」「グリーン・エナジー」といったキーワードで語られるようになりました。
抹茶がカフェ文化の一部として定着した今、フランスでは“美と意識を高めるドリンク”としての地位を確立しています。
フランス抹茶市場の現状と拡大

フランスでは今、抹茶が“ナチュラルでエレガントな飲み物”として定着しつつあります。
かつては限られた日本食レストランでしか飲めなかった抹茶が、いまではスーパー・百貨店・オンラインストアにまで広がり、日常的に楽しめる存在になりました。
背景には、輸入ルートの多様化とブランド展開の進化があります。
輸入・販売の拡大
現在フランスに流通する抹茶は、主に日本、ドイツ、オランダ経由で輸入されています。
特に日本の宇治・西尾・八女といった伝統産地の抹茶は、プレミアムティー市場の中心として評価が高く、専門店やパティスリーでも高級素材として採用されています。
現地ブランドの台頭も著しく、
- Matcha Union(パリ):ミニマルなデザインとサステナブル訴求で人気。
- Les Jardins de Gaia:オーガニック認証を取得し、環境配慮型ブランドとして確立。
- ANATAE(アナタエ):フランス人女性カミーユ・ベセラが創設した、苦味のない抹茶専門ブランド。
ANATAEは愛知県・西尾や静岡県産の抹茶を採用し、“フランス人のためのやさしい抹茶”をコンセプトに展開。
SNSを中心にファンを拡大し、創業から数年で年商100万ユーロ規模に成長しています。
こうした新興ブランドの成功は、フランス国内で「抹茶=トレンド×ヘルス×エシカル」という新しい価値観を定着させる要因となっています。
トレンドポイント
- EU市場では“オーガニック認証済み抹茶”が好まれる
- 若手女性起業家によるスタートアップが市場を牽引
- 日本の産地ブランドを「ストーリー」で伝えるマーケティングが主流
百貨店・オンライン・スーパーでの展開
流通の裾野も急速に広がっています。
パリの高級食料品店La Grande ÉpicerieやGaleries Lafayette Gourmetでは、
抹茶スイーツやラテ用パウダーが定番コーナーに常設され、
抹茶が“ギフトにも選ばれる高級嗜好品”として位置づけられています。
一方で、MonoprixやCarrefourといったスーパーマーケットでは、
スティックタイプやティーバッグ形式の「日常使い抹茶」が人気上昇中。
オンラインではAmazon Franceが主な販路として機能しており、
「Matcha bio」「Matcha japonais」といった検索キーワードが上位を占めています。
このように、
「専門店 → 百貨店 → スーパー → 家庭」という流れが完成し、
抹茶はもはや“アジアのエキゾチックドリンク”ではなく、
“フランスのライフスタイルに溶け込む日常茶”として確実に根づいているのです。
パリを中心に広がる抹茶カフェ文化

パリの街角では、抹茶ラテを片手に歩く人々の姿がすっかり日常の風景になりました。
観光客だけでなく、地元のパリジャン・パリジェンヌの間でも、抹茶は「美意識を象徴するドリンク」として浸透しています。
この背景には、フランス特有のカフェ文化と“美の哲学”が融合した新しいトレンドがあります。
人気抹茶カフェの事例
フランスの抹茶ブームを体現するのが、パリを中心に増加する抹茶専門カフェの存在です。
- UMAMI Matcha Café(ウマミ・マッチャ・カフェ)
- フランス初の日本茶専門カフェとして知られ、厳選された宇治抹茶を使用。
「テロワールを味わう抹茶体験」をコンセプトに、現地の茶愛好家にも人気です。
- MATCHA Café Paris(マッチャ・カフェ・パリ)
- SNS映えする抹茶ティラミスや抹茶クレープが話題。
Instagramでは#matchacafeparisの投稿が数千件を超え、観光客の定番スポットとなっています。
- KODAMA(コダマ)
- フランス人オーナーが運営するティーバーで、和の抹茶とフレンチデザインの融合が特徴。
木の温もりを感じる店内で点てた抹茶を味わう体験は、まさに“アートなティータイム”。
- 初代 抹茶 オペラ店(Shodai Matcha Paris)
- 日本発のブランドがパリに進出し、濃厚な抹茶ソフトクリームや和風パフェが大人気。
現地のフランス人が“新しいデザート文化”として受け入れています。
- MATCHA SOCIAL CLUB(マッチャ・ソシアル・クラブ)
- 2024年にオープンした注目の新世代カフェ。
抹茶ラテのほか、フルーツ×抹茶のフュージョンドリンクやアートラテが人気で、
若年層の女性を中心に「ウェルネス×抹茶」という新価値を発信しています。
これらの店舗はいずれも、「抹茶=トレンド × ヘルス × エレガンス」という価値観を体現しています。
パリでは、抹茶がもはや“日本文化の輸入品”ではなく、フランスのカフェ美学に融合した存在として根づきつつあります。
SNSと“美意識”が作るトレンド
抹茶ブームを拡散しているのは、SNS発信力と“フレンチ美学”の融合です。
Instagramでは「#matchaparis」「#matchafrance」の投稿が右肩上がりに増加。
ラテアート・抹茶スイーツ・グリーンの彩りある写真が、
「ヘルシーで洗練されたライフスタイル」の象徴として共有されています。
とくに抹茶ラテのアート化が人気で、花びらや金箔をあしらった“アート抹茶”が若者の心を掴んでいます。
その投稿がきっかけで地方都市や他国へも抹茶カフェが波及しており、
SNSは今や、フランス全土の抹茶人気を押し広げる最大の推進力となっています。
家庭で広がる抹茶の楽しみ方

フランスでは、カフェ文化の枠を超えて、家庭でも抹茶を楽しむスタイルが広がっています。
紅茶やハーブティーに代わり、抹茶を「マッチャモーメント」として日常に取り入れる人が増加。
ティータイムを大切にするフランス人にとって、抹茶は心身を整える新しいリチュアル(習慣)として定着しつつあります。
抹茶ラテ・デザートのDIYブーム
家庭で手軽に作れる抹茶スイーツとラテのDIY文化がブームとなっています。
フランスでは「Matcha Recette(抹茶レシピ)」という検索ワードがGoogleトレンドで急上昇しており、
料理系YouTuberやインスタグラマーが発信する抹茶スイーツ動画が数多く再生されています。
人気のレシピは、抹茶フィナンシェ、抹茶マドレーヌ、抹茶タルトなど、
フランス伝統菓子と抹茶を掛け合わせた“ジャポニスム”スイーツ。
香ばしいバターの香りと抹茶の渋みが絶妙にマッチし、家庭でも簡単に再現できる点が人気です。
また、オンラインショップでは茶せん付きのスターターセットやオーガニック抹茶キットが販売され、
「自宅で抹茶を点てる」習慣が浸透。
初めてでも楽しめるよう、ANATAEやMATCHA UNIONなどのブランドが、
“美しい所作を学ぶ抹茶入門”というコンセプトでセットを展開しています。
フランスの家庭で人気の抹茶レシピ
- 抹茶マドレーヌ(ほろ苦×バターの香り)
- 抹茶ティラミス(抹茶×マスカルポーネの融合)
- 抹茶ガトーショコラ(カカオと抹茶のマリアージュ)
ウェルネスとマインドフルネスの融合
フランスでは、ヨガ・瞑想・ウェルビーイングといったライフスタイルが一般化しています。
その中で抹茶は、カフェインを穏やかに摂取できる「マインドフルネスドリンク」として人気を拡大。
朝のルーティンとして抹茶を点てることで、「静けさ」「集中」「整う時間」を楽しむ人が増えています。
こうした動きに呼応して、パリやボルドーでは“Tea Ceremony Workshop(茶道体験会)”が開催され、
「茶道=静寂と集中のアート」として紹介されるようになりました。
茶器や茶筅を扱う所作そのものが“心を整える行為”として注目され、
フランスのウェルネス市場において、抹茶は“心の美しさを磨く飲み物”として新たな地位を築いています。
日本ブランドにとってのビジネスチャンス

フランス市場は、美意識・健康志向・エシカル消費という3要素が高次元で融合した、非常に成熟したマーケットです。
流行を追うだけでなく、「美しさの背景」や「生産者の思想」に共感して購入する消費者が多く、
日本ブランドにとっては“本物の抹茶”を正しく伝える絶好の舞台といえます。
成功の鍵は、「品質 × 文化 × デザイン」の3軸で差別化することです。
単なる食品ではなく、“物語のある美の体験”として抹茶を届けるブランド戦略が求められます。
プレミアム・文化価値の訴求
フランスでは、「宇治・西尾・八女」といった日本の産地ブランドが“信頼のシンボル”として認知されています。
特に宇治抹茶は、香りと色の美しさから高級パティスリーやホテルのスイーツ素材として定番化。
「素材の背景を語れること」が、消費者からのブランド信頼を生み出しています。
また、茶道や職人文化といった“日本の美の精神”を打ち出すことも大きな差別化要素です。
「抹茶=芸術 × クラフトマンシップ」という価値観を伝えることで、
単なるドリンクではなく、“アートとしての抹茶”というポジションを確立できます。
その好例が、フランスで成功しているANATAE(アナタエ)。
創業者カミーユ・ベセラ氏は、日本の茶農家を訪ね歩き、「苦くない抹茶」として西尾産を採用。
SNSで「#matchamoment」「#anataematcha」の発信を続け、
日本の丁寧な生産背景をストーリーとして届けたことで、瞬く間にファンを獲得しました。
この“文化を伝えるブランド姿勢”こそ、日本ブランドが評価される最大の理由です。
成功のポイント
- 産地の特性や職人の哲学をストーリー化する
- “見た目の美”ではなく“内面の美”を提案する
- 文化的背景をデザインと一体化して伝える
サステナブル・オーガニック展開
フランスでは、環境意識の高さからサステナブル・オーガニック志向が購買の前提となっています。
EUオーガニック認証(EU Organic)やフェアトレードマークの有無は、
消費者が「信頼できるブランド」を見極める判断基準の一つです。
日本ブランドがこの市場で成功するためには、
生産者の顔が見える透明性と環境への配慮を明示する姿勢が欠かせません。
たとえば、「農薬不使用」「ソーラー乾燥」「リユース茶筅」などの具体的な取り組みを伝えることで、
「地球にも自分にも優しい抹茶」というメッセージが響きます。
さらに、パッケージにもサステナビリティを反映させることで、
“飲む人の価値観”と“地球の未来”を結ぶブランドストーリーが完成します。
日本の茶産地が持つ持続可能な農業の知恵や自然との共生哲学は、
まさにフランス市場で最も共感を呼ぶ要素なのです。
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まとめ|フランスの抹茶市場は“美と文化”が共鳴する成長拠点
フランスにおける抹茶ブームは、単なる一過性のトレンドではありません。
美容・健康・デザイン感度の高い層が牽引し、抹茶は「美しさを育むライフスタイル」の象徴となっています。
パリを中心に広がる抹茶カフェ文化、家庭でのDIYブーム、そしてウェルネス志向の高まり。
これらすべてが、抹茶を“心と身体を整える文化的飲み物”へと進化させています。
今のフランスでは、抹茶は“アート×ウェルネス”を融合した新しい美のスタイル。
カフェではエスプレッソの代わりに抹茶ラテが選ばれ、
家庭では瞑想やヨガの前に抹茶を点てる——そんな風景が当たり前になりつつあります。
日本ブランドにとって、フランス市場はまさに“発信の舞台”です。
品質や味わいだけでなく、茶の精神・職人技・自然との共生といった文化的価値を伝えることで、
フランスの洗練された消費者に深く響くブランド体験を提供できます。
これからの時代、フランスは日本の抹茶文化を世界へ届ける“象徴的ハブ”となるでしょう。



