ベトナムへ抹茶を輸出する完全ガイド2026|VFA自己宣言・ラベル規制・関税優遇とOEMの実務
ベトナムは抹茶ラテとカフェ文化の急成長で、いま日本産抹茶のアジア新興市場として最も注目される国のひとつです。ただし、輸入には食品安全庁(VFA)管轄の自己宣言制度、Decree 43/2017/ND-CPに基づくベトナム語ラベル規制、HSコード別の関税申告など、独自の実務ハードルが存在します。本記事では、海外バイヤー・OEM事業者・卸売事業者がベトナム向け抹茶輸出で押さ
るべき規制と実務を、2026年5月時点の最新情報で整理します。
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なぜ今、ベトナムが日本産抹茶の最有力市場なのか
ベトナムは、東南アジアの中でも抹茶消費の伸び率がもっとも高い国のひとつとされます。ホーチミン市・ハノイ・ダナンを中心に、抹茶ラテ専門店やフルーツティーチェーンが急増しており、Z世代を中心としたカフェ文化が市場拡大をけん引しています。
ベトナム統計総局(GSO)のデータでは、2024年時点で人口約1億人、平均年齢は約33歳と若年層が厚く、ミドルクラスの拡大とともに「ちょっと贅沢な飲食体験」への支出が拡大しています[要出典]。Highlands Coffee、Phúc Long、The Coffee Houseなど大手チェーンが抹茶ドリンクを定番化し、SNS発のローカルブランドも次々と立ち上がっています。
加えて、日越両国の経済連携協定(VJEPA・AJCEP)、CPTPPの発効により、日本産食品の関税優遇が活用できることも追い風です。特に粉末抹茶のHSコード(0902.10.10 / 0902.20.10)では、原産地証明書を添付すれば実効税率を大幅に下げられる枠組みが整っています。
「コスト見合いのカフェグレード」と「プレミアム個包装」の双方に需要があり、サプライヤー選定の幅が広いことも、ベトナム市場の魅力です。日本産抹茶を、品質・規制対応・物流の3点で安定供給できるサプライヤーを早期に確保することが、参入の起点になります。
しかし「書類で詰む」のがベトナム輸出のリアル

一方で、ベトナム輸出は「商品が良ければ売れる」という単純な構図ではありません。多くの海外バイヤーが直面するのが、書類整備の甘さによる通関ストップです。
ベトナム食品安全法(Law on Food Safety 55/2010/QH12)とDecree 15/2018/ND-CPに基づき、ベトナムに輸入されるすべての食品(粉末抹茶を含む)は、「製品自己公表書(Bản tự công bố sản phẩm)」を提出してからでないと、原則として流通させることができません。
さらに、ラベル(Nhãn hàng hóa)はDecree 43/2017/ND-CPで詳細に規定されており、ベトナム語表記・栄養成分表・賞味期限(NSX/HSD)・輸入者情報など、複数項目を満たさなければ通関を通過できません。日本国内向けのラベルをそのまま貼ったまま輸出した結果、税関で差し止められ、現地でラベル貼り直しの追加コストが発生するケースは珍しくありません。
「中国産より高くても、日本産を扱いたい」というベトナムの優良バイヤーは増えています。しかし、書類不備で納期が遅れれば、その信頼関係は一瞬で崩れます。サプライヤー選定の段階で、輸出書類対応の実績を確認することが、何よりの保険になります。
ベトナム食品輸入の規制マップ全体像
ベトナムへ食品を輸入するうえで、関係する法令・機関は複数あります。それらを最初に俯瞰しておくと、書類準備の優先順位が見えてきます。
| 領域 | 根拠法・所管機関 | 抹茶輸出での実務ポイント |
|---|---|---|
| 食品安全 | 食品安全法 Law 55/2010/QH12 / 保健省(MOH) | 全食品の安全責任原則 |
| 自己宣言制度 | Decree 15/2018/ND-CP / VFA | 製品ごとに「Bản tự công bố sản phẩm」を提出 |
| ラベル規制 | Decree 43/2017/ND-CP(改正 Decree 111/2021) | ベトナム語ラベル、賞味期限、原材料、輸入者情報の必須記載 |
| 残留農薬 | Circular 50/2016/TT-BYT 等 | 茶葉カテゴリーのMRL基準を満たす |
| 関税・通関 | ベトナム税関(GDVC) / Customs Law | HSコード分類、EPA原産地証明書 |
| 認証(任意) | ハラル(HALCERT) / 有機(TCVN 11041) | バイヤー要件に応じて取得 |
行政の管轄は、保健省傘下の食品安全庁(VFA / Cục An toàn thực phẩm)が中心となります。VFAは自己宣言制度の運用と検査・抜き打ち査察を担当し、書類不備や表示違反があれば流通停止命令を発動する権限を持ちます。
抹茶のような乾燥茶葉加工品の場合、特にチェックされるのは「原材料の純度(混ぜ物がないか)」「重金属・残留農薬」「微生物(大腸菌群、サルモネラ、カビ)」の3点です。サンプル発注時に直近のCOA(分析証明書)を必ず取り寄せ、ベトナム基準値内に収まっているかを確認しましょう。
VFA自己宣言制度の実務|必要書類・期間・費用

ベトナム輸出で最初に立ちはだかるのが、製品自己公表書(Bản tự công bố sản phẩm)の手続きです。これはDecree 15/2018/ND-CPで導入された制度で、輸入者または現地代理店が自社責任で「この製品はベトナムの食品安全基準に適合します」と省級食品安全局に届け出るものです。
提出に必要な主な書類
- 分析証明書(COA):発行から12か月以内のものが望ましい
- 製造工程フロー(HACCP / ISO 22000 / FSSC 22000準拠が望ましい)
- ラベル原案(ベトナム語版・サンプル)
- 配合表・栄養成分情報
- 製造者の資格証明書(食品製造ライセンス、有機JAS、ハラル等)
- 販売事業者登録証(ベトナム現地パートナー側)
書類は通常ベトナム語または英訳付きで提出します。COA・ラベル等は公証(Notarized)または領事認証が求められるケースもあります。
標準的な処理期間は、書類が揃ってから約5〜10営業日で受理通知が出るのが一般的ですが、追加書類要求が入ると2〜4週間に伸びることがあります。費用は申請料そのものは数万円程度ですが、翻訳・公証・代理人手数料を合わせると1製品あたり10万〜30万円規模になることもあります[要出典]。
日本側のサプライヤーがCOAやラベル英訳を即時提示できるかは、申請スピードを大きく左右します。書類対応の早いサプライヤーを選ぶこと自体が、ベトナム参入の成功要因になります。
ベトナム式ラベル規制の落とし穴|Decree 43/2017対応

ラベル規制で見落とされがちなのが、Decree 43/2017/ND-CPおよびその改正Decree 111/2021/ND-CPの「ベトナム語必須記載項目」です。日本国内のラベルと異なり、必須項目を1つでも欠くと通関で差し戻されます。
ベトナム語で必須の記載項目
- 商品名(Tên hàng hóa)
- 原材料(Thành phần)
- 数量・重量(Định lượng)
- 製造日(Ngày sản xuất, NSX)・賞味期限(Hạn sử dụng, HSD)
- 製造者・輸入者の名称と住所
- 原産国(Xuất xứ)
- 保存方法(Hướng dẫn bảo quản)
- 使用方法(Hướng dẫn sử dụng)
- ロット番号(Số lô)
このうち、製造日と賞味期限の表記順序、原材料の重量比表記、輸入者情報の所在地表記は、現地税関と現地小売チェーンで厳しく確認されます。
特に注意したいのは、「上から貼るラベル(オーバーラベル)」の処理です。日本向けに作ったパッケージにベトナム語シールを貼って対応するのは可能ですが、シールが既存表示を完全に隠してしまうと、ベトナム側で「原表示を改ざんしている」と判断されて差し止められるリスクがあります。理想は、輸出向けに別パッケージを起こすか、貼付位置をDecree 43に準拠して設計することです。
栄養成分表については、Circular 29/2023/TT-BYTにより、対象食品では2025年から段階的に必須化が進んでおり、抹茶の場合も小売向け個包装ではエネルギー・たんぱく質・脂質・炭水化物・ナトリウムなど主要項目の記載が強く推奨されます。
HSコード・関税・日越EPA優遇の活用法
粉末抹茶のHSコード分類は、製品形態によって異なります。出荷前にコードを誤ると関税額が変わり、後の修正申告で時間とコストを失うため、輸入者・税関代理人と事前にすり合わせる必要があります。
| 製品形態 | HSコード | 概要 |
|---|---|---|
| 緑茶 / 不発酵茶(粉末未満) | 0902.10 / 0902.20 | 重量・包装サイズで枝番が変わる |
| 抹茶パウダー(食品グレード) | 0902.20.10 / 0902.20.90 | 茶葉粉末の代表分類 |
| 加工茶飲料・調合飲料原料 | 2101.20 等 | 砂糖・粉乳混合の場合は分類が変わる |
純粋な茶葉粉末か、配合済みの粉末プレミックスかで、関税率もEPAの優遇可否も変わるため、出荷前にHSコードを輸入者と税関代理人と共同で確認することが重要です。
ベトナムは日本との間で、二国間EPA(VJEPA・2009年発効)と多国間EPA(AJCEP・2008年発効、CPTPP・2018年発効)を持っています。これらを活用すれば、日本産抹茶の実効関税率をMFN(最恵国)税率より大きく引き下げることが可能です。具体的な税率は年度・HSコード・協定により変動するため、最新情報はベトナム税関ポータル(customs.gov.vn)で確認します。
優遇税率を適用するには、原産地証明書(Certificate of Origin)の添付が必要です。VJEPA / AJCEPでは「Form VJ / Form AJ」、CPTPPでは「Form CPTPP(自己証明含む)」を取得します。日本商工会議所(JCCI)で発給が可能で、原則として船積前または船積後3営業日以内に申請するのが安全です。
失敗するバイヤーの落とし穴7つ

ベトナム輸出で実際によく起こるトラブルを、現場の声を基に7つに整理します。多くは事前に把握していれば回避できるものです。
- VFA自己宣言の更新漏れ:製品レシピや製造者を変更したのに、自己宣言を更新せず流通させ、抜き打ち査察で停止
- ラベル原案の校了遅延:ベトナム語翻訳の校正で何度も往復し、出荷スケジュールが2か月後ろ倒し
- HSコードの自己判断:輸入者と税関の間でコード解釈が割れ、関税還付で揉める
- EPA原産地証明書の取得忘れ:Form VJ / AJを取らずに出荷し、優遇税率が使えず実効コストが上振れ
- オーバーラベルでの原表示隠蔽:既存表示を完全に隠してしまい、改ざんと判断され差し止め
- COA有効期限切れ:書類受理直前にCOAが12か月を超過し、再分析でリードタイムが延びる
- 中国産抹茶との品質誤認:バイヤー側が「matcha=どれも同じ」と認識しており、価格交渉で日本産プレミアムが理解されない
このうち、1〜6番は日本側サプライヤーの書類対応力で大幅に防げるものです。「現地パートナー任せ」にせず、日本側の供給責任として書類整備を引き受けることが、ベトナムでの安定流通の鍵になります。
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賢いバイヤーが見るサプライヤー選定の5基準

ベトナムで成功している海外バイヤー・OEM事業者が、日本側サプライヤーを選ぶ際に重視する基準を整理します。これらは「価格」より優先される項目です。
- 書類対応力:COA、HACCP / ISO 22000、有機JAS、ラベル英訳・ベトナム語訳をワンストップで提供できるか
- 産地と用途のマッチング:カフェラテ向けはコスト見合い、プレミアム小売向けは宇治・西尾の高品質、製菓・OEM向けは色出しの良い静岡・鹿児島など、用途別の産地提案ができるか
- EPA・原産地証明への精通:Form VJ / AJ / CPTPPの取得経験があり、輸入者にスキームを助言できるか
- ロット安定性:同一スペックを毎月10kg〜1t規模で安定供給できるか(クリスマス・テト等の需要ピーク対応含む)
- クレーム・トレーサビリティ対応:ロット単位の追跡、抜き打ち検査時の即応、改善報告までを文書で提示できるか
ベトナム市場で生き残る日本産サプライヤーは、価格ではなく書類とトレーサビリティで選ばれている — これが現場の共通認識です。短期の価格メリットを追うより、書類対応力で「いつでも安定して通関できる体制」を確保するほうが、結果として在庫ロス・販売機会損失を抑えられます。
日本抹茶輸出機構株式会社が選ばれる理由|3つの強み
ベトナムを含むアジア各国の海外バイヤーから選ばれている、日本抹茶輸出機構株式会社の強みを3点にまとめます。
1. 日本各地から用途別に最適産地を提案
宇治・西尾・静岡・鹿児島・八女など、日本の主要産地ネットワークを持ち、バイヤーの用途(カフェラテ・プレミアム小売・製菓OEM・サプリ原料など)と販売地域に応じて、産地とグレードを組み合わせて提案します。「ベトナムのカフェチェーン向けに、色濃く・苦みのバランスを取った業務用グレードを月500kg」というような実務要件にも対応可能です。
2. EU / US FDA / 台湾TFDA / シンガポールSFA / ベトナムVFAなど輸出基準に完全対応
COA・残留農薬(MRL)分析・HACCP / ISO 22000・有機JAS・ハラル認証書類など、輸出に必要なドキュメントをワンストップで提供します。ベトナムのVFA自己宣言書類・Decree 43/2017対応のラベル原案・EPA原産地証明書(Form VJ / AJ / CPTPP)についても、過去の輸出実績に基づき、書類フォーマットの雛形からサポートします。
3. B2B専門:10kg〜1t / 月の安定供給、世界20か国以上への実績
ベトナムを含む東南アジア、EU、中東、北米、東アジアと、世界20か国以上のバイヤーへの輸出実績があります。月10kgの試験ロットから、月1t規模のカフェチェーン定常供給まで、規模に応じた供給体制を整えています。テト(旧正月)前後の需要ピーク、雨期の物流影響など、ベトナム特有のサイクルにも対応します。
成功させるベトナム向け仕入れフロー
実際にベトナム向けに抹茶仕入れを始めるバイヤーが、最短で安定供給に乗せるためのフローを整理します。初回ロットの立ち上げまで、概ね2〜4か月を見込むのが現実的です。
- サンプル発注(0〜2週間):用途・想定販売価格・販売地域を共有 → 産地・グレード候補を3パターン送付 → 現地カッピング・配合テスト
- 書類事前確認(2〜4週間):COA・残留農薬分析・HACCP / ISO 22000の各証明書 → VFA自己宣言の必要書類リストアップ → ラベル原案のベトナム語化
- VFA自己宣言提出(2〜6週間):省級食品安全局へ提出 → 受理通知の取得 → ロット番号と紐づけ
- 量産発注・原産地証明取得(4〜8週間):発注書発行 → 量産・出荷準備 → Form VJ / AJ / CPTPPの取得
- 船積・通関(4〜6週間):海上輸送(温度管理便推奨) → ベトナム税関での書類照合 → ラベル現地検査
- 流通開始 → 定常発注:ロット安定供給に移行(月次・隔月の発注計画化)
日本側サプライヤーが書類対応に長けていれば、この期間を1か月以上短縮できます。逆に、書類整備が遅いサプライヤーを選ぶと、初回ロットだけで半年近くかかるケースもあります。
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まとめ|ベトナム抹茶輸出は「書類で選ばれる時代」
ベトナム市場は、抹茶の需要規模・成長率ともにアジア有数の魅力を持ちながら、VFA自己宣言制度・Decree 43/2017ラベル規制・EPA原産地証明など、書類整備のハードルが他のASEAN諸国より一段高い市場です。
しかし裏を返せば、書類対応力で他社と差別化できる、成熟しすぎていない市場でもあります。日本側サプライヤーが書類整備を一気通貫で引き受けられるか — それが、ベトナム展開の成否を分けます。価格より書類、コストより信頼性。ベトナム市場で勝つために必要なのは、結局その一点に集約されます。
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日本抹茶輸出機構株式会社
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