2026年新茶相場速報|碾茶価格が前年比2倍?!バイヤーが今すぐ知るべき3つのこと
2026年4月、ついに新茶の初取引が始まりました。最大産地・鹿児島県の平均価格は早くも前年比6割高。

鹿児島の生産農家と複数件お話をしましたが、碾茶の価格は、昨年の2倍になるとの噂が上がっていました。有機の一番茶に関しては、碾茶価格で14,000〜18,000円での取引が始まっており、海外の顧客が値段の高騰についてこれるかが懸念になってきそうです。
このように、鹿児島県では今日時点で碾茶の相場価格は、2倍になるとの噂も上がっています。宇治一番茶は2025年の時点ですでに前年比2倍超を記録し、秋碾茶にいたっては6倍近い水準で推移しました。
しかしこれは一時的な高騰ではありません。日本の茶業界は今まさに「令和の米騒動を超える」構造転換の真っ只中にあります。つまり、「来年になれば落ち着く」と待っていると遅い可能性があります。
本記事では、2026年新茶相場の実態を最新データで速報解説するとともに、海外バイヤー・輸入事業者・OEM担当者が今すぐとるべき調達戦略を具体的に示します。「来年になれば落ち着く」——そう待っている間に手遅れになる可能性があります。そのため今すぐ読んで、調達計画を見直してください。
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【速報データ】2026年新茶の取引価格——何がどれだけ上がっているのか

「実際のところ、どれくらい上がっているのか」——まず数字で現実を把握することが出発点です。2026年の新茶相場は、過去のどの年とも異なる水準でスタートしています。そこで、速報データと2025年の実績をあわせて整理します。
2026年鹿児島産新茶——初取引で早くも前年比6割高
2026年4月23日付の日本経済新聞によると、2026年の新茶初取引において最大産地・鹿児島県の平均価格が前年比6割高となりました。欧米を中心とした海外の抹茶ブームの影響が色濃く出ており、国産茶葉全体の需給が極めて逼迫した状態でスタートしています。
鹿児島県は荒茶生産量で全国シェア44%を誇る最大産地です。しかもその鹿児島でさえ、いきなり6割高という水準で動いています。つまりこれは例外的な産地の話ではなく、日本の茶市場全体が構造的な供給不足に入ったことを示す数字です。
2025年相場が示す「構造転換」——全茶種で前年比2〜6倍の衝撃
2026年の高騰を理解するために、まず2025年の実績データを確認しておく必要があります。以下は静岡茶市場の令和7年度取扱実績です。
| 品目 | 2024年(円/kg) | 2025年(円/kg) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 煎茶・一番茶 | 1,386 | 1,888 | 136% |
| 煎茶・二番茶 | 554 | 1,199 | 216% |
| 煎茶・秋番茶 | 303 | 1,920 | 633% |
| 碾茶・一番茶 | 3,000 | 4,000 | 133% |
| 碾茶・秋碾茶 | 1,000 | 4,500 | 450% |
出典:株式会社静岡茶市場 令和7年度取扱実績累計表
特に衝撃的なのは**秋番茶が633%、秋碾茶が450%**という数字です。というのも、本来もっとも廉価であるはずの秋番茶が一番茶(新茶)の単価を上回るという事態は、茶業の歴史においても極めて異例です。したがって市場全体が極度の供給不足に陥っていることを、この数字は明確に示しています。
宇治一番茶は前年比2倍超——手摘みはキロ5万円に到達
また、宇治産の状況はさらに深刻です。2025年5月に始まった宇治一番茶のセリ価格は、**平均1kgあたり43,330円と2024年の4,862円から前年比+116%**となりました。さらにセリが進むにつれて落札額はどんどん上昇し、手摘み抹茶はキロ5万円という水準にまで達しました。
それだけでなく、供給側も深刻です。JAのデータによると、2025年の宇治手摘み抹茶の生産量は前年比約40%減(10,216kg→6,140kg)、機械摘みの一番茶も約18%減となっています。需要が拡大する一方で、供給が激減する——このダブルパンチが宇治の価格を押し上げた構造です。
なぜここまで上がっているのか——高騰の3つの構造的要因

相場の高騰を「今年だけの特殊事情」と捉えてしまうと、調達戦略を誤ります。なぜなら今回の高騰には、短期では解消しない3つの構造的な要因があります。それぞれを正確に理解することが、長期的な調達計画の基礎になります。
要因① 世界的な抹茶需要の爆発が碾茶を「枯渇」させた
最大の要因は、世界的な抹茶需要の急拡大です。2025年の緑茶輸出額は721億円と、2024年の364億円からわずか1年で倍増しました(財務省貿易統計)。その結果、国内の碾茶(抹茶の原料)の需給を根本から揺るがしています。
農家にとって、煎茶を作るよりも碾茶を作るほうが明らかに収益が高い状況になっています。そのため、静岡では従来「煎茶:碾茶=8:2」だった生産比率が逆転しつつあります。宇治ではこの転換がすでに起きており、静岡・鹿児島でも同様の動きが加速しています。つまり、碾茶の増産が進む一方で、煎茶の供給が急減し、茶市場全体の需給バランスが崩れているのです。
要因② 気候変動による収量激減——2025年は高温障害が直撃
2025年の春夏は記録的な高温が続きました。茶の木も生き物であり、これだけ暑い日が続き雨が降らなければ、どれだけ肥料を与えても弱ってしまいます。気候変動による生育不良が収穫量の大幅減につながり、京都地域では約25%の減産が報告されています。
需要が拡大する中での供給減は、価格を押し上げる強力な圧力となります。しかも気候変動は来年以降も継続するリスクがあり、「今年だけの異常気象」と楽観視することは危険です。つまり、気候リスクを織り込んだ調達計画が、これからのバイヤーには不可欠です。
要因③ 農家の離農・コスト高騰——供給構造が崩壊しつつある
3つ目の要因は、生産基盤そのものの脆弱化です。生産者の高齢化が進み、肥料・燃料・物流費の高騰が農家の経営を圧迫しています。その結果、収益の低い秋番茶の収穫を断念する農家が増え、市場への供給量は下降の一途をたどっています。
さらに、数少ない茶葉をめぐって大手メーカーや問屋間の激しい買い付け競争が起きています。スポット市場で高品質な原料を確保することが非常に難しくなっています。茶業関係者の間では「今後5〜10年にわたって段階的な価格上昇が続く」という見方が広がっています。つまりこれは一時的な高騰ではなく、産業構造の変革期であるという認識が定着しつつあります。
バイヤーが今すぐ知るべき「3つのこと」——相場高騰が調達戦略に与える影響

ここまでのデータと背景を踏まえ、海外バイヤー・輸入事業者が今すぐ理解しておくべき3つのポイントを整理します。これが本記事のタイトルに掲げた「3つのこと」です。読んで終わりではなく、今日の調達判断に直結させてください。
知るべきこと① 「2026年新茶は異常な高値が基準」——値下がり待ちは危険
「相場が落ち着いてから動こう」——しかしこの判断が、最も危険です。複数の業界関係者が共通して指摘しているのは、2026年の新茶取引は2025年の「異常な高値」をそのまま基準として始まるということです。市場では1.5倍以上の値上がりもささやかれています。
例えば、うおがし銘茶(創業1931年・築地)は2026年新茶以降の商品価格を現行比1.3倍に改定。また、茶三代一も1.4〜1.5倍程度の改定を実施し、「今後5〜10年の長期視点でも段階的な価格見直しが避けられない」と明言しています。そのため、値下がりを待っている間に、適正な在庫を確保できなくなるリスクを直視してください。
知るべきこと② 原料確保の競争が激化——「買えなくなる」リスクが現実化
2025年、宇治の茶問屋はセリで次々と碾茶を買い付けていきました。その背景には「12月ごろには宇治の碾茶が枯渇する」という強い危機感がありました。実際に、老舗茶舗が販売数量の制限を設けるという事態にまで発展しています。
つまり、「サンプルを取り寄せ中」「価格交渉を進めている」というスタンスでは、手遅れになる可能性があります。 抹茶ブームが産地に行き渡った2025年春以降、スポット市場での安定調達はほぼ不可能に近い状況になっています。したがって今必要なのは、信頼できるサプライヤーとの年間契約を早期に締結することです。
知るべきこと③ 相場高騰は「品質の選別」を加速させる——安値調達の罠
相場が高騰すると、安価な代替品が市場に流入しやすくなります。その結果、中国産や粗悪品が「日本産」「宇治産」を名乗って流通するリスクが高まります。「安く買えた」と思ったら品質がまったく別物だったというケースが増えています。
実際に、抹茶やドリンク用茶葉の扱いがない茶問屋の中には、経営危機に陥り倒産するケースも出始めています。高騰局面での安値調達は、短期的なコスト削減に見えて、ブランドリスクと品質リスクを同時に抱え込む行為です。むしろ相場が乱れているからこそ、産地・品質・COAを明示できる信頼できるサプライヤーとの取引がより重要になります。
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産地別に見る2026年相場の見通し——どこから仕入れるべきか

一口に「日本産抹茶」といっても、産地によって価格・供給量・リスクの大きさは異なります。したがってこの高騰局面において、産地ごとの特性を理解した上で分散調達を設計することが、安定確保のカギとなります。
宇治(京都)——価格高騰が最も激しい産地。代替戦略が不可欠
宇治は日本産抹茶の最高ブランドです。しかし2025年実績では機械摘み18%減・手摘み40%減という衝撃的な減産が起きています。2026年もこの延長線上にあり、プレミアムグレードの宇治一番茶は需給逼迫が最も激しい産地です。
そのため実務的な対応としては、「飲用・茶道・高級OEM」用途には宇治産を確保しつつ、ラテ・製菓・大量OEM用途には他産地に切り替えるという役割分担が合理的です。宇治一点集中の調達はリスクが高すぎます。
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鹿児島——供給量は最大。ラテ・製菓グレードの有力な調達先
鹿児島県は荒茶生産量で全国シェア44%を誇る日本最大の産地です。2026年初取引で前年比6割高となったものの、供給規模は依然として最大であり、ラテグレード・製菓グレード向けには引き続き最も現実的な調達先の一つです。さらに有機JAS対応農家も増加しており、EU・米国向けの有機認証ニーズにも応えやすい産地です。

鹿児島の新茶の品質に関しては、降水量の少なさから懸念がされていましたが、昨年に比べて良いといった状況です。
静岡・八女——増産対応が進む。中長期の調達先として価値が上がる
日本農業新聞によると、福岡・八女では高値相場を受けて2025年に6年ぶりの三番茶入札が復活しました。2019年以来「価格が生産費に合わない」として見送られていたものが、需要の高まりを受けて農家が再び生産に踏み切った形です。また静岡でも碾茶への転換が加速しており、中長期的には供給量の増加が期待できます。
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高騰局面でバイヤーが取るべき3つの調達戦略
産地別の状況を踏まえ、今すぐ実践すべき調達戦略をまとめます。
① 年間コントラクト(事前契約)の締結
スポット市場への依存を脱し、農家・加工業者と年間数量・価格を固定する契約を早期に結ぶ。これが高騰局面での「在庫確保の最優先手段」です
② 複数産地・複数グレードの分散調達
宇治一点集中を避け、宇治(プレミアム用途)+鹿児島(ラテ・製菓用途)+静岡・八女(補完用途)の組み合わせでリスクを分散する
③ 用途別グレードの最適化
すべての用途に最高グレードを使う必要はありません。飲用・高級OEMには一番茶を確保しつつ、製菓・加工用には価格対効果の高いグレードに切り替えることで、調達コストを合理的に管理できます。
相場高騰の時代に「安定調達できるサプライヤー」の条件

価格が急騰している局面では、サプライヤーの実力差が如実に出ます。安く買えることよりも、**「確実に確保できること」と「品質を保証できること」**が、サプライヤー選定の最優先基準になります。
相場高騰期こそ「農家との直接ネットワーク」が命綱になる
スポット市場や卸問屋を経由した調達は、相場が高騰すると真っ先に在庫が枯渇します。なぜなら問屋は自社の既存顧客を優先するため、新規バイヤーや取引量の少ないバイヤーは後回しになりがちです。
一方、農家・加工業者と直接契約・直接ネットワークを持つサプライヤーだけが、高騰局面でも優先的に原料を確保できます。「80以上の農家・加工業者との直接ネットワーク」「300MT以上の年間取扱実績」「30カ国以上への輸出実績」——これらの数字は、高騰局面での供給安定性を支える具体的な根拠になります。
「在庫・価格・品質」の3点を透明に提示できるサプライヤーを選ぶ
相場が乱れている時期ほど、サプライヤーの情報開示力が問われます。したがって、以下の3点をすべて満たせるサプライヤーを選ぶことが、バイヤー側のリスク管理の基本です。
- ① 在庫の透明性:現在の確保数量・納期・産地・茶期を明確に提示できるか
- ② 価格変動の事前通知:相場変動を先読みして、価格改定前に情報共有できるか
- ③ COAの提出体制:農薬残留・重金属・微生物検査を輸出先国基準で提出できるか
この3点を満たせないサプライヤーは、相場高騰期には頼りになりません。逆に言えば、満たせるサプライヤーは、高騰局面でも長期的なパートナーとして価値を発揮します。
産地ネットワークの広さが「選択肢の多さ」を生む
単一産地・単一グレードしか扱えないサプライヤーでは、高騰や減産が起きた際に代替提案ができません。そのため、宇治・静岡・鹿児島・八女の複数産地をカバーし、セレモニアルグレードから製菓グレードまで幅広く取り扱えるサプライヤーだけが、「このグレードが取れないなら、こちらの産地のこのグレードで代替できます」という提案ができます。つまり相場が乱れる時代ほど、サプライヤーの守備範囲の広さが調達の安定性を左右します。
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まとめ|「高騰は続く」——今すぐ動くバイヤーが生き残る
本記事の要点を3点でおさらいします。
【2026年新茶相場の3つのポイント】
- ① 鹿児島産は2026年初取引で前年比6割高。宇治は2025年実績で前年比2倍超・手摘みキロ5万円に到達
- ② 高騰は需要拡大×気候変動×農家離農という3要因が重なった構造問題。今後5〜10年続く転換期の入口にある
- ③ 「値下がり待ち」は最悪の戦略。今すぐ信頼できるサプライヤーとの年間契約締結が最善策
相場が高騰しているからこそ、パートナーの質が結果を分けます。安値を追いかけて品質リスクを抱えるバイヤーと、適正価格で安定した品質を確保するバイヤーの間に、1〜2年後には大きな差がついているはずです。つまり、相場高騰を「選別のチャンス」と捉えて、今すぐ動くことが長期的な競争優位につながります。



