カナダの抹茶事情|広がる健康志向とカフェ文化

カナダでは近年、抹茶が健康志向の高まりやカフェ文化の広がりを背景に注目を集めています。トロントやバンクーバーを中心に抹茶ラテやスイーツが人気となり、スーパーやオンラインショップでも抹茶パウダーが身近に購入できるようになりました。一方で、日本産と中国産の違いや高品質抹茶の供給不足など、課題も見え隠れしています。

本記事では、カナダにおける抹茶市場の現状・人気商品・課題・今後の展望をわかりやすく解説し、抹茶ビジネスや海外トレンドに関心のある方に最新の情報をお届けします。

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カナダで抹茶が人気を集める背景

カナダではここ数年、抹茶の人気が急速に拡大しています。もともと紅茶やコーヒー文化が根付く国ですが、健康志向の高まりと多文化社会の影響を受けて、日本の伝統飲料である抹茶が「次なるウェルネスドリンク」として注目されているのです。特にトロントやバンクーバーといった都市部では、抹茶ラテを片手に通勤するビジネスパーソンや、フィットネス帰りに抹茶スムージーを楽しむ若者の姿も珍しくありません。

健康志向とスーパーフード需要

カナダではオーガニックやナチュラル食品の需要が非常に高く、チアシードやキヌア、アサイーなどと同じく、抹茶も「スーパーフード」として定着しつつあります。抹茶はカテキンやテアニン、抗酸化成分を豊富に含むため、免疫力サポート・アンチエイジング・ストレス軽減といった効果が期待されており、健康雑誌やウェルネス系メディアでも頻繁に紹介されています。

また、ヨガやピラティス、マインドフルネスといったライフスタイルを実践する層からは、「抹茶を飲むこと自体がセルフケアの一環」として受け入れられているのも特徴です。実際に、トロントのウェルネス系カフェでは「抹茶×アーモンドミルク」「抹茶×オートミルク」など、植物性ミルクと組み合わせたビーガン対応のメニューも提供され、幅広い層から支持を集めています。

カフェ文化・多国籍食文化との親和性

カナダはカフェ文化が非常に強く、新しいドリンクを受け入れる土壌があります。もともとスターバックスやTim Hortonsといったチェーンが日常に根付いており、その中で「コーヒー以外の選択肢」として抹茶が浸透してきました。特に「抹茶ラテ」や「抹茶フラペチーノ」は、鮮やかな緑色がSNS映えすることもあり、若年層の人気を大きく後押ししています。

さらに、カナダは移民国家であり、日本や中国、韓国などアジア系コミュニティが都市部に集中しています。そのため、アジア食文化の受容が早く、寿司やラーメンと同じように抹茶も自然に広まりました。バンクーバーでは抹茶をメインに据えたデザートカフェがオープンし、抹茶ティラミスや抹茶ソフトクリームが地元の人々や観光客に親しまれています。

このように、「健康志向」と「カフェ文化」、そして「多文化社会」という3つの背景が組み合わさることで、カナダでの抹茶人気は一過性のブームではなく、生活に根付いた習慣へと変わりつつあるのです。

カナダで人気の抹茶商品・メニュー

カナダでは、抹茶は単なる伝統的な飲み物にとどまらず、飲料・スイーツ・家庭用パウダーといった幅広い形で楽しまれています。特に「抹茶ラテ」は若者や女性を中心に人気が高く、いまや都市部のカフェに欠かせない定番メニューとなっています。

抹茶ラテ・フラッペ系ドリンク

スターバックスをはじめとする大手チェーンはもちろん、トロントやバンクーバーのローカルカフェでも抹茶ラテやアイスブレンドは定番化しています。鮮やかな緑色とミルクのまろやかさの組み合わせは、視覚的なインパクトが強く「インスタ映え」することからSNSで拡散されやすく、若年層の人気をさらに押し上げています。

最近では「抹茶×オートミルク」「抹茶×アーモンドミルク」といったプラントベースのアレンジや、メープルシロップを加えた「カナダらしい抹茶ラテ」など、ローカル文化を取り入れたメニューも登場しています。こうした多様なアレンジは、ビーガンや乳製品アレルギーのある層にも受け入れられており、抹茶の裾野を広げる要因となっています。

抹茶スイーツ(ケーキ・ドーナツ・アイス)

抹茶スイーツもカナダで急速に存在感を高めています。トロントの人気ベーカリーでは抹茶チーズケーキや抹茶クロワッサンが看板商品となり、ドーナツチェーンでは期間限定の「抹茶ドーナツ」が販売されることもあります。

また、夏場には抹茶アイスや抹茶パフェが人気で、バンクーバーではアジア系カフェが提供する抹茶ソフトクリームに行列ができるほど。さらに、ホリデーシーズンには「抹茶クリスマスクッキー」や「抹茶ブラウニー」といった季節イベントと結びついた商品も登場し、抹茶は年間を通じて楽しめるフレーバーとして定着しつつあります。

小売店・スーパーでの抹茶パウダー販売

飲食店だけでなく、家庭向けの抹茶パウダーもカナダで広がりを見せています。都市部のスーパーやオーガニックショップでは、日本産抹茶やアメリカ発の抹茶ブランドの商品が販売され、ホームカフェ需要を支えています。

特に人気なのは「オーガニック認証」を取得した抹茶で、ラベルに“Organic Matcha”と表示されているだけで信頼感が高まり、健康意識の高い消費者が積極的に購入しています。家庭では抹茶ラテやスムージー、さらにはパンケーキやクッキー作りに使われるなど、レシピの幅も広がっています。YouTubeやInstagramでは「Homemade Matcha Latte in Canada」といった動画が多く投稿されており、自宅で抹茶を楽しむライフスタイルが定着し始めていることがわかります。

カナダ市場における抹茶ブランドと販売チャネル

カナダでの抹茶の普及には、カフェや小売店といった販売チャネルだけでなく、多様なブランドの存在が大きな役割を果たしています。都市ごとの特徴や流通網の違いを見ていくと、カナダにおける抹茶文化の広がり方が鮮明に浮かび上がります。

ローカルカフェ(トロント・バンクーバー中心)

トロントやバンクーバーの都市部では、ローカルカフェが抹茶の人気を支える重要な場となっています。カフェメニューには「抹茶ラテ」や「抹茶スムージー」が定番化しており、ラテアートに抹茶を用いたユニークな演出も見られます。

特にバンクーバーはアジア系人口が多く、日本茶文化への親和性が高いエリアです。ここでは抹茶を主役に据えた専門カフェが登場し、抹茶ティラミスや抹茶パフェなど、日本さながらのスイーツを提供しています。観光客にも人気があり、「カナダで本格的な抹茶体験ができる場所」としてSNSや口コミで広がっています。

日系・アジア系スーパーでの販売拡大

家庭で抹茶を楽しむ層を支えているのが、日系やアジア系スーパーの存在です。代表的なのが、カナダ全土に展開する「T&Tスーパーマーケット」。ここでは日本産の抹茶パウダーや抹茶菓子が豊富に並び、日系住民だけでなく、カナダ人消費者の“家庭で抹茶を使う習慣”を育てる役割を果たしています。

また、韓国系や中国系スーパーでも抹茶関連商品が販売されており、ケーキ用抹茶パウダーやインスタント抹茶ラテなど、幅広いニーズに対応。これにより「外で飲む抹茶」から「家でも楽しむ抹茶」へと消費シーンが広がりを見せています。

海外ブランド(Matchaful, DAVIDsTEA など)の進出

カナダ市場では、国内外のブランドも抹茶を積極的に商品ラインナップに加えています。アメリカ発の「Matchaful」は、オーガニック認証を取得した抹茶を販売し、サステナブルなライフスタイルと結びつけたブランド戦略で支持を拡大中です。

さらに、カナダ本社の「DAVIDsTEA」は国内最大級のティーブランドとして知られ、抹茶パウダーやフレーバー抹茶を販売。パッケージデザインやギフト需要にも力を入れ、抹茶を日常生活の一部として楽しむスタイルを提案しています。

このように、ローカルカフェ・アジア系スーパー・海外ブランドの3つの流通網が相互に補完し合うことで、カナダの抹茶市場は着実に成長を続けています。

カナダ抹茶市場の課題

成長を続ける一方で、カナダの抹茶市場にはいくつかの課題も存在します。消費者の関心は高まりつつあるものの、価格・品質・認証制度への対応といった側面で改善が求められています。

高品質抹茶の供給不足と価格の高さ

カナダで流通する本格的な日本産抹茶は、輸入コストや為替の影響を受けやすく、どうしても価格が高くなる傾向にあります。抹茶ラテ1杯がカフェで6〜8カナダドル(約700〜900円)程度と、コーヒーに比べて割高に感じられることも少なくありません。

この価格差は、消費者の購買行動に直接影響を与えています。日常的に楽しむよりも「ちょっとしたご褒美ドリンク」としての位置づけになりがちで、市場の拡大スピードを鈍化させる要因となっています。そのため、一部の消費者は価格の安い中国産や東南アジア産の抹茶に流れるケースも見られ、品質とコストのバランスが課題となっています。

中国産と日本産の差に対する消費者理解不足

カナダの一般消費者の中には「抹茶=緑茶パウダー」と認識している人も多く、伝統的な石臼挽き抹茶と粉砕茶葉パウダーの違いが十分に理解されていません。その結果、「どれも同じグリーンパウダー」として扱われ、本物の日本産抹茶の価値が伝わりにくい状況があります。

こうした誤解を解消するためには、ブランドや小売店が積極的に情報発信を行い、生産地のストーリーや製法の違いを伝える教育的アプローチが欠かせません。特にオンライン販売ページやパッケージでの説明、カフェでのメニュー表記など、消費者に直接触れる場面での啓発が求められています。

認証・オーガニック需要への対応

カナダの消費者は「オーガニック認証」や「フェアトレード認証」といった第三者の保証ラベルを非常に重視します。これは単なる健康志向だけでなく、環境保護やサステナビリティへの関心が強いことの表れです。

そのため、日本産抹茶を輸出する際も、オーガニック認証を取得していない商品は敬遠される傾向があります。また、サプライチェーンにおける透明性が問われるケースも増えており、「どこの農園で、どのように栽培された抹茶なのか」を明確に示す必要があります。

この課題に応えるためには、日本の生産者やブランドが国際規格に対応し、グローバル市場で信頼を勝ち取る仕組み作りを強化することが不可欠です。

今後の展望|カナダ市場はどう拡大するか

抹茶は一過性のトレンドではなく、今後も成長が期待されるカテゴリーです。カナダにおける抹茶市場は、健康志向やカフェ文化を背景にすでに一定の浸透を果たしていますが、今後はさらに多様な方向に広がる可能性を秘めています。

抹茶=“ウェルネスドリンク”としての定着

カナダではすでに「コーヒーの代替」や「リラックス効果のあるお茶」として抹茶が認知され始めています。朝の1杯として抹茶を飲む人や、在宅勤務中に集中力を高めるために抹茶ラテを取り入れる人も増えています。

特に注目されるのは、ウェルネスやマインドフルネスとの親和性です。ヨガや瞑想スタジオで「抹茶を飲んで心を整える」というイベントが実施されるなど、抹茶は単なる飲み物から「ライフスタイルをサポートする存在」へと進化しつつあります。今後は、サプリメントやプロテインパウダーとの融合といった新しい商品カテゴリーが誕生する可能性もあります。

日本茶産地とのコラボや体験型イベント

カナダ市場拡大のカギを握るのは、単なる商品の提供にとどまらず、文化的背景を伝える体験型アプローチです。日本の茶産地と連携したポップアップイベントや抹茶ワークショップは、カナダ人に「本物の抹茶文化」を届ける場として有効です。

例えば、茶道体験や抹茶点て体験を通じて、「なぜ抹茶は特別なのか」というストーリーを共有することで、単なる健康飲料から「文化価値を持つ高付加価値商品」へと認識が変わります。さらに観光需要と結びつけば、日加交流やインバウンド観光の拡大にもつながるでしょう。

オンライン直販・D2Cモデルの可能性

カナダの消費者はオンライン購入に非常に積極的であり、Amazonや大手ECサイトを通じて抹茶を購入するケースが一般的です。ここに日本ブランドが直接参入し、D2C(Direct to Consumer)モデルで販売することで、消費者に「鮮度の高い本物の抹茶」を届けられる可能性があります。

さらに、D2Cの強みは単なる商品販売にとどまりません。パッケージデザインやブランドストーリーを通じて、「どこの茶園で育った抹茶か」「どうやって石臼で挽かれているか」といった背景を伝えることで、消費者との長期的な関係性を築くことができるのです。定期購入モデルやサブスクリプションの導入も、カナダ市場において有望な戦略となるでしょう。

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カナダの抹茶市場はまだまだ伸びしろが大きく、健康志向やカフェ文化を背景に今後も発展していくことが期待されています。
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まとめ|カナダの抹茶市場は伸びしろ十分

カナダの抹茶事情を見てきたように、同国ではここ数年で抹茶人気が急速に高まっています。背景には、

  • 健康志向の高まりとスーパーフード需要
  • カフェ文化や多国籍社会との親和性
  • ラテやスイーツを中心とした多様な商品展開

といった要因があり、抹茶は単なるブームではなく、生活に根付く新しいカテゴリーとして定着しつつあります。

一方で、日本産抹茶の供給不足や価格の高さ、品質の理解不足、オーガニック認証への対応といった課題も浮き彫りになりました。これらを乗り越え、日本ブランドがストーリー性と品質を武器に展開すれば、カナダ市場にはまだ大きな可能性が広がっています。

今後は「ウェルネスドリンクとしての定着」「日本茶文化を伝える体験型イベント」「オンライン直販・D2Cモデル」の3つが市場拡大のカギを握るでしょう。

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