日本産抹茶と中国産抹茶の違いとは?品質・味・安全性を徹底比較

「安い中国産でも品質は十分?」「日本産は本当にそこまで違うのか?」 抹茶の仕入れを検討するバイヤーほど、この問いにぶつかります。 また、SNSや抹茶ブームの影響で両者の違いが曖昧なまま市場に流通する商品も増えています。 そのため産地だけで判断すると、仕入れ後に品質クレームや規制対応の問題が発生するリスクがあります。 本記事では、製法・味・成分・安全性・価格の5軸で両者を比較します。 さらに、BtoBバイヤーが仕入れ判断に使えるチェックリストも用意しています。

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有機JAS認証付きのセレモニアルグレードから加工用まで、幅広いグレードの抹茶を取り揃えております。

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まず結論:日本産と中国産、何が違うのか

先に結論から整理します。 どちらが「良い」かではなく、「何が違うか・どの用途に向くか」が重要です。

比較項目日本産抹茶中国産抹茶
遮光栽培期間20〜28日間(碾茶製法が前提)短期間または遮光なしの場合が多い
乾燥方法蒸し製法(酸化を止める)炒り製法が主流(香ばしさが出る)
粉砕方法石臼挽きが高グレードの標準機械粉砕が主流
味の特徴旨味・甘みが豊か、苦味が少ない渋み・えぐみが出やすい傾向
テアニン含有量多い(旨味の主成分)少ない傾向(ただし改善中)
鮮やかな濃緑色黄緑〜やや黄みがかる場合がある
価格帯(1kg)高め(中国産の1.5〜5倍程度)低〜中程度
主な用途茶道・薄茶・高級ラテ加工食品・菓子・低価格ラテ
農薬管理日本国内の厳格な基準ロット・産地によってばらつきあり

つまり、「どの用途に使うか」を先に決めることが、選択ミスを防ぐ最短ルートです。

品質の差はなぜ生まれるのか?製法の違いから理解する

品質の差を生む根本原因は、製法の違いです。 そのため、産地名より「どの製法で作られたか」を確認することが、品質判断の基本になります。

① 遮光栽培期間の違い(碾茶製法の有無)

日本の抹茶の原料「碾茶(てんちゃ)」は、収穫前20〜28日間遮光して育てます。 また、この遮光工程によって旨味成分のテアニンが増加し、苦味成分のカテキンが抑えられます。 そのため、まろやかで甘みのある風味が生まれます。 一方、中国産の多くは遮光栽培を行わないか、期間が短い場合があります。 その結果、カテキンが多くなり、渋みやえぐみが強くなる傾向があります。 ただし、中国の湖北省・恩施や貴州省・銅仁では、日本式の被覆栽培を導入する生産者が増えています。 つまり、「中国産=遮光なし」という前提は、すでに過去のものになりつつあります。

② 乾燥方法の違い(蒸し vs 炒り)

日本産は収穫後すぐに蒸すことで、酸化を止めます。 また、この蒸し製法が鮮やかな緑色と青葉の香りを維持する要因です。 一方、中国の緑茶製法は「釜炒り」が主流です。 そのため、香ばしさが出る反面、抹茶特有の「覆い香(甘い海苔系の香り)」が生まれにくくなります。 つまり、乾燥方法の違いが、香りの方向性を根本から変えています。

③ 粉砕方法の違い(石臼挽き vs 機械粉砕)

日本産の高グレード品は石臼で挽きます。 また、石臼挽きは1時間に30〜50gしか生産できないため、希少性とコストに直結します。 さらに、熱が発生しにくいため、香りと栄養成分の劣化が少ない点が強みです。 一方、中国産の多くは機械粉砕を採用しています。 そのため、大量生産が可能でコストを抑えられる一方、粒子が粗くなりやすく口当たりに差が出ます。 つまり、石臼挽きか否かが、最終的な食感と溶けやすさに大きく影響します。

味・色・香りの違いを科学的データで比較

官能評価スコアで見る日中比較(2025年Foods誌研究)

2025年1月、Foods誌(MDPI)に日中産地の抹茶を比較した学術研究が掲載されました。 また、この研究(PMC11720590)では官能評価と代謝物分析が実施されています。 結果は以下の通りです。

産地官能評価スコア
静岡(日本)93.5点
恩施(中国)90.7点
武夷山(中国)89.1点
銅仁(中国)86.5点
杭州(中国)86.2点

ただし、この評価は中国の国家標準(沸騰水3分抽出)に基づくものです。 そのため、通常の抹茶の点て方とは異なる条件での結果であることに注意が必要です。 また、この研究は中国政府の助成で実施されており、中国側が自国産の品質改善を積極的に測定している構図でもあります。 つまり、「日本産が圧倒的に優れている」という単純な結論は現実と乖離しつつあります。 一方で、研究用の最良サンプルと、市場に流通する大量生産品には依然として差があります。

テアニン・カテキン含有量の差が味に与える影響

静岡県立大学の中村順行特任教授は、次のように述べています。 「5年ほど前は、日本産のほうがテアニンが多くカテキンが少ないという特徴があった。しかし、中国では生産技術も高まり、品質は格段に向上してきた」(Yahoo!ニュース・FRIDAY、2025年10月)

また、テアニンは旨味と甘みの主成分であり、カテキンは苦味・渋みのもとです。 そのため、テアニンが多い抹茶ほど「まろやかで上品な味」になります。 さらに、泡立ちや溶解性にも成分構成が影響します。 つまり、成分含有量の確認が、仕入れ品質の判断において最も重要な指標のひとつです。

安全性・農薬基準の違い

日本のポジティブリスト制と輸入検査の仕組み

日本では2006年からポジティブリスト制が施行されています。 また、この制度は「リストに記載のない農薬はすべて0.01ppm以下」という非常に厳格な基準です。 さらに、中国からの輸入茶葉は厚生労働省の検疫でモニタリング検査を受けます。 そのため、日本市場に流通している中国産抹茶は、一定の安全基準をクリアしています。 つまり、「中国産=すべて危険」という認識は正確ではありません。

中国産茶葉の農薬問題と現状

一方で、ロット・産地によって残留農薬のばらつきが大きい点は事実です。 また、査読済み論文(NCBI・PMC12300606、2025年)では、中国産茶葉からネオニコチノイド系農薬が検出されたケースが報告されています。 ただし、この研究は烏龍茶・紅茶が対象であり、抹茶への直接適用には注意が必要です。 さらに、高級茶・春摘みは収穫前が寒い時期のため農薬使用量が少ない傾向があるという見方もあります。 そのため、安全性の判断は「産地」より「ロット別のCOA(分析証明書)」で確認することが合理的です。

バイヤーが確認すべきCOA・MRL基準

B2B仕入れにおいて、以下のドキュメントを必ず要求してください。

確認項目内容
COA(分析証明書)残留農薬・重金属・微生物の検査結果
MRL適合証明輸出先国の最大残留農薬基準への適合
有機JAS / EUオーガニック有機栽培の第三者認証
トレーサビリティ情報産地・茶期・生産者の記録

また、EU・米国FDA・台湾TFDA・シンガポールSFAなど、輸出先によって求められる基準が異なります。 そのため、販売予定市場の規制を先に確認してから仕入れ先を選定することが重要です。

価格差と用途別の使い分け

1kgあたりの価格差の実態

中国メディアの調査によると、同規格の抹茶でも日本産は中国産の約1.5倍の価格になるとされています。 また、グレードによっては10倍以上の差が生じる場合もあります。 さらに、日本産の高グレード(石臼挽き一番茶)は供給量が限られるため、需要急増時には入手困難になるケースもあります。 そのため、用途に見合ったグレードを選ぶことが、コストと品質のバランスを保つカギです。

用途別おすすめグレード

用途推奨産地・グレード理由
茶道・薄茶・濃茶日本産(棚がけ・手摘み・石臼挽き)旨味・香り・色の三拍子が必須
高品質抹茶ラテ日本産 中〜高グレード旨味がミルクに負けないレベルが必要
スイーツ・菓子日本産Dグレード or 高品質中国産苦味が風味として活きる。コスト効率重視
食品加工・大量製造高品質中国産(COA確認済み)コスト優先だが安全性の確認は必須

つまり、「日本産か中国産か」ではなく「何に使うか・どのグレードが適切か」が正しい問いです。

中国産抹茶市場の最新動向

貴州省銅仁市の急成長と世界供給への影響

中国・貴州省銅仁市では2024年に抹茶生産量が1,200トンを超えました。 また、生産高は3億元(約60億円)を突破し、日本・米国・フランスへの輸出も始まっています。 さらに、スターバックスや日本の外食大手ゼンショーへの供給実績も報告されています。 そのため、中国産抹茶はすでにグローバルなサプライチェーンに組み込まれています。 ただし、銅仁の生産量は今後5,000トンを超える見通しであり、品質の標準化が急務とされています。 つまり、中国産を一律に「低品質」と見なすのは現実とずれてきています。

「宇治抹茶」表示問題と偽装リスク

一方で、2025年4月には日本の茶商が「中国産なのに宇治抹茶と表示している商品がある」と問題を提起しました。 また、見た目や香りが本物に近い模倣品も流通しており、消費者だけでなくバイヤーも見抜くことが難しい状況です。 そのため、「産地名の表示だけ」で仕入れ先を信頼することはリスクを伴います。 つまり、トレーサビリティと第三者認証の確認が、偽装リスクを回避する唯一の手段です。

BtoBバイヤーが仕入れ先を選ぶ際のチェックリスト

以下のリストで、候補サプライヤーを評価してください。

品質・原料の確認

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安全性・認証の確認

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供給安定性の確認

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用途対応の確認

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まとめ:産地より「製法と用途」で選ぶのが正解

日本産抹茶と中国産抹茶の違いを整理すると、以下になります。

  • 製法の差が品質の差を生む。遮光期間・乾燥方法・粉砕方法の3点が核心
  • 科学データでは日本産がリードしつつも、中国産上位産地との差は縮まっている
  • 安全性は「産地」ではなく「ロット別COAと認証」で判断する
  • 価格差は用途に応じた使い分けで解消できる
  • 偽装リスクにはトレーサビリティの確認が唯一の対策

また、バイヤーとして最も重要なのは、「産地ブランドへの依存」ではなく「製法・認証・供給安定性を軸にした選定」です。 そのため、信頼できるサプライヤーとの長期的なパートナーシップが、仕入れリスクを最小化する最短ルートです。

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