UAEで抹茶ブランドを展開するには?現地ニーズと商品設計を解説
近年、ドバイやアブダビのカフェで「抹茶ラテ」を見かけない日はないほど、UAEでは抹茶が日常に浸透し始めています。健康志向の高まりとSNSでの拡散力、そしてノンアルコール文化との相性の良さを背景に、抹茶は”一時の流行”から”定着するカテゴリー”へと移りつつあります。一方で、現地で長く愛されるブランドを築くには、輸入手続きだけでなく「現地ニーズに合った商品設計」が欠かせません。本記事では、UAEの抹茶消費者の実像と、売れるブランドをつくるための商品設計・価格・チャネル戦略を、toB(バイヤー・OEM・メーカー)の視点で解説します。
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なぜ今、UAEで抹茶ブランドが伸びているのか

データで見ると、UAEの抹茶市場は2025年時点で約630万米ドル規模とされ、中東・アフリカ(MEA)地域のなかでも約37%と最大級のシェアを占めています。さらにUAEの茶飲料市場全体は2026〜2031年にかけて年率8%超の成長が見込まれ、抹茶はその伸びを牽引するプレミアムカテゴリーの一つです。
牽引役は明確です。第一に、200を超える国籍の駐在外国人と、感度の高いZ世代。第二に、コーヒーに代わる「気分が上がる一杯」を求めるウェルネス志向。第三に、抹茶ラテ・コールドブリュー抹茶・抹茶スイーツを次々と打ち出すカフェやホテルの存在です。コーヒー文化が成熟しているUAEでは、バリスタが扱う第三の選択肢として抹茶が自然に受け入れられており、メニュー化のハードルが低い点も追い風になっています。
加えて見逃せないのが、UAE特有のノンアルコール文化です。お酒を前提としない社交シーンが多いため、抹茶のような「上質で物語性のある嗜好飲料」が入り込む余地が大きいのです。最近はセレモニアルグレードを指名買いする消費者も増え、市場は明確に高品質シフトを見せています。
さらにUAEは、GCC諸国やアフリカ市場への再輸出ハブとしても機能します。ドバイの物流インフラとフリーゾーンを活かせば、UAE国内向けにとどまらず周辺国への展開も視野に入ります。つまりUAEでブランドを確立することは、中東・アフリカ全体への足がかりにもなり得るのです。この「市場としての魅力」と「ハブとしての価値」の二面性こそ、いま多くの事業者がUAEに注目する理由といえます。
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しかし「売れる抹茶ブランド」をつくるのは簡単ではない

とはいえ、UAEで「売れ続ける抹茶ブランド」を立ち上げるのは、想像以上に難所があります。
前提として、ハラル対応(MOIAT/UAE.S規格)やアラビア語・英語の二言語ラベル、食品登録といった規制対応は避けて通れません。ただし、これらはあくまで”スタートラインに立つための条件”にすぎません。
本当の分岐点は、その先にあります。日本でそのまま売れていた商品が、UAEの消費者には響かないことが珍しくないのです。富裕層は本物を見分ける目が肥えており、多国籍な味覚が入り混じり、夏場は外気温50℃に迫る高温物流が品質を脅かします。つまり、現地の生活文化と嗜好に最適化した「商品設計」と「ブランドの立ち位置」を描けるかどうかが、成否を分けます。
競争環境も見落とせません。価格を武器にした中国産抹茶や、すでに現地で認知を得たカフェ発のブランドが存在し、”ただ日本産であること”だけでは差別化になりにくくなっています。日本産ならではの鮮やかな色調・豊かな香気・確かな安全性を、消費者に伝わる形で商品とブランドストーリーに落とし込めるかどうかが問われます。価格競争に巻き込まれず、価値で選ばれるポジションをどう築くかが、最初の戦略課題です。
UAEの抹茶消費者を読み解く——4つの現地ニーズ

支持される抹茶ブランドを設計するには、まず消費者の動機を解像度高く理解することが出発点です。ここでは特に重要な4つの現地ニーズを整理します。
① ノンアルコールでも満たされる「特別な一杯」
UAEではアルコールを伴わない外食・社交が一般的です。そのため、単なる健康飲料ではなく「気分を上げてくれる上質な嗜好品」としての抹茶に強い需要があります。セレモニアルグレードのストレート抹茶や香り高い抹茶ラテは、コーヒーやモクテルと並ぶ”大人の選択肢”として設計すると刺さります。バーやラウンジでの抹茶ベースのノンアルドリンク提案も、付加価値の高い打ち手になります。
② 健康・ウェルネス&ヴィーガン需要
抗酸化・集中力サポート・低カフェインといった機能性は、健康意識の高い層に強く訴求します。さらにヴィーガン・植物性のニーズも拡大しており、オーツミルクやアーモンドミルクとの相性を打ち出した提案や、無添加・砂糖不使用の訴求が有効です。植物由来の抹茶はハラルに適合させやすい点も追い風で、フィットネス層やヨガ・ウェルネス施設との協業も相性が良いカテゴリーです。
③ ラマダン・イフタール&ギフト文化
UAEではラマダン期のイフタール(断食明けの食事)やEid(祝祭)を中心に、贈答文化が非常に発達しています。ハラル認証済みで高級感のあるパッケージのギフトは、個人・法人の双方で大きな需要があります。抹茶×デーツ、抹茶スイーツの詰め合わせなど、現地の歳時記に合わせた季節商品は強力な武器になります。法人向けのコーポレートギフトでは、ロゴ入りの特別仕様が高単価で動くため、年間の需要ピークを見据えた生産計画が重要です。
④ SNS映えとプレミアム志向
鮮やかなグリーンはSNSと相性が抜群で、「映える×本物」を両立する商品は拡散されやすい傾向にあります。富裕層の多いUAEでは価格よりも品質・ストーリー・産地が重視されるため、宇治・八女などの産地名を冠したプレミアム設計が効果的です。インフルエンサーやカフェとのタイアップを前提に、ビジュアルと体験までを含めて設計すると、認知拡大の初速を高められます。
これら4つのニーズは独立しているわけではなく、しばしば重なり合います。たとえば「ヴィーガン対応のセレモニアル抹茶を、ラマダン向けの高級ギフト缶で展開する」といった具合に、複数のニーズを束ねた商品ほど現地で強い支持を得やすくなります。自社のターゲットがどのニーズの組み合わせに該当するかを最初に定義しておくことが、ブレない商品設計の土台になります。
売れる商品設計①——グレード・フレーバー・SKU

現地ニーズを踏まえたら、次は具体的な商品設計です。まず核となるのが「グレード設計」と「フレーバー・SKU設計」です。
抹茶はおおまかに、点てて飲むセレモニアルグレード、ミルクと合わせるラテ・カフェグレード、焼成・加工に使う製菓・RTDグレードに分かれます。UAEでは、この3層をチャネルと価格帯に合わせて使い分けることが重要です。
フレーバーとSKUでは、ストレートだけでなく付加価値商品の幅を持たせると、棚やメニューでの存在感が高まります。加糖ラテミックス、スティック個包装、RTD(そのまま飲める)タイプ、さらにデーツ・サフラン・ローズといった中東で親しまれる風味とのブレンドは、現地化の強い差別化になります。
| 用途・グレード | 主な販売先 | 設計のポイント |
|---|---|---|
| セレモニアル | 専門店・高級EC・ギフト | 単一産地・高香気、ストーリー訴求 |
| ラテ/カフェ | カフェ・ホテル・HoReCa | 発色と泡立ち、ミルク耐性 |
| 製菓・RTD | メーカー・スイーツ・飲料 | 色調の安定・コスト・大ロット |
グレード設計でもう一つ重要なのが「名前と中身の一致」です。セレモニアルと表示しながら実際はラテ向けの品質、という商品はUAEの目の肥えた層にすぐ見抜かれ、ブランドの信頼を損ないます。表示と実際の品質を一致させ、可能であれば産地・摘採時期・粒度といった裏付け情報を添えることが、プレミアム市場での信頼構築につながります。SKUは多すぎても在庫リスクと棚の混乱を招くため、まずは主力1〜2品に絞り、反応を見ながら派生商品を増やす設計が現実的です。
売れる商品設計②——パッケージ・価格帯・チャネル

グレードとSKUが決まったら、パッケージ・価格・チャネルを一体で設計します。
パッケージは、UAEの環境を前提に「遮光・密閉・酸素遮断」を最優先に。高温物流でも鮮度と発色を保てる仕様が必須です。そのうえで、アラビア語・英語の二言語表記、ハラルロゴ、賞味期限・原産地を明記し、ラマダン・Eid向けには高級缶やギフトボックス、法人ギフト向けにはロゴ入りカスタムも検討します。
価格は、グレードとチャネルに整合させます。セレモニアルは高価格帯のプレミアム、ラテ向けは中価格帯のボリューム、製菓・RTDは業務用の量産価格、というように層を分けて設計します。チャネルごとに最適な打ち手は次のとおりです。
| チャネル | 推奨グレード | パッケージ・価格の方向性 |
|---|---|---|
| 高級スーパー・グルメ店 | セレモニアル/ラテ | プレミアム小売・映えるデザイン |
| 専門EC(noon等) | 全グレード | レビュー・定期購入の導線 |
| カフェ・ホテル(HoReCa) | ラテ/カフェ | 業務用大袋・安定供給重視 |
| ギフト・ラマダン | セレモニアル | 高級缶・ハラル・季節限定 |
| メーカーOEM/PB | 製菓・RTD | 大ロット・原料コスト最適化 |
加えて、賞味期限の残存期間にも注意が必要です。UAEでは輸入時に一定以上の残存期間が求められるケースがあり、製造から店頭までのリードタイムを逆算した生産・出荷計画が欠かせません。高温環境では品質劣化も早まるため、定温輸送(リーファーコンテナ)や少量・高回転の供給設計を組み合わせると、鮮度を保ったまま棚を維持しやすくなります。価格設定でも、こうした物流コストや関税を織り込んだうえで、各チャネルの想定上代から逆算して原価ラインを決めることが、利益を残す設計のコツです。
失敗するブランドの落とし穴

最後に、UAEでつまずきやすいポイントを押さえておきましょう。多くは「設計の順番」を誤ることで起きます。
- 規制対応の後回し:ハラル書類や二言語ラベルが整わず、商談直前で出荷が止まる
- グレードと価格・チャネルの不一致:高級スーパーに業務用グレードを置くなど、ポジショニングがちぐはぐ
- ハラル証明の不備:MOIATが認める機関の証明でないと、再輸出・小売で弾かれる
- パッケージ未対応:二言語・高温対策が不十分で、棚で鮮度劣化や法令不適合に
- 供給の不安定:人気が出ても継続供給できず、棚落ち・リピート喪失
- 夏季の品質劣化:高温物流を想定しない梱包で、発色・香りが落ちる
- 現地任せの丸投げ:輸入代理店に任せきりにすると、ブランドの世界観や品質基準が現場で薄まる
これらは、最初に「規制・商品設計・供給」を一体で描いておけば、ほぼ回避できます。逆に言えば、どこか一つでも後回しにすると、せっかくの好機を逃しかねません。立ち上げ前のチェックリスト化をおすすめします。
賢いブランドは仕入れ先をどう選ぶか
売れるブランドは、商品設計と同じ熱量で「仕入れ先(サプライヤー)選び」に向き合います。UAE展開で見るべき基準は、おおむね次の5つです。
- 海外輸出の実績と国数(規制対応の経験値)
- 用途別グレードの提案力(セレモニアル〜製菓まで)
- OEM・プライベートブランドへの対応
- ハラル・二言語ラベルなど輸出書類のサポート
- 小ロット試作から安定供給までの柔軟性
| 卸業者 | 海外輸出実績 | 用途別グレード提案 | OEM/PB対応 | 輸出書類・ハラル支援 | 小ロット〜安定供給 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日本抹茶輸出機構(JMEX) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
| あいや | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ○ |
| 福寿園 | ○ | ◎ | △ | ○ | ◎ |
| 辻利兵衛本店 | ○ | ◎ | ○ | △ | ○ |
| 中井製茶場 | ○ | ○ | ◎ | ○ | ◎ |
この比較表から分かるように、UAEで抹茶ブランドを展開する際は、「海外輸出実績」、「用途別グレード提案」、「OEM・PB対応」、「輸出書類・ハラル支援」、そして「小ロットから安定供給まで対応できる体制」を総合的に比較することが重要です。
UAEでは、高級カフェやホテル、リテール向けなど販売チャネルが多様であるため、現地ニーズに合わせた商品設計が成功の鍵となります。ブランド立ち上げ時は、小ロットで市場をテストしながら、需要拡大に応じて安定供給へ移行できる柔軟性も重要なポイントです。
UAE市場では、価格だけでなく、商品企画から輸出実務、継続供給まで一貫して支援できるパートナーを選ぶことが、ブランドを長期的に成長させるポイントになります。
その点、日本抹茶輸出機構株式会社(JMEX)は、「海外輸出実績」「用途別グレード提案」「OEM・PB対応」「輸出書類・ハラル支援」「小ロット〜安定供給」をバランスよく備えており、UAEで自社ブランドを展開したい企業にとって有力な選択肢の一つといえるでしょう。
JMEX(日本抹茶輸出機構)が選ばれる理由

これらの基準を高いレベルで満たすのが、日本抹茶輸出機構株式会社(JMEX)です。
第一に、43カ国への海外輸出実績を背景に、ハラルや二言語ラベルを含む各国規制への対応ノウハウを蓄積しています。UAE展開で必要になる輸出側の書類整備やグレード選定を、実績に基づいて伴走できます。
第二に、宇治・静岡・鹿児島・八女など、日本各地から用途別に最適な産地を提案します。セレモニアルの香り重視、ラテの発色重視、製菓のコスト重視といった狙いに合わせて、原料から設計できるのが強みです。同じ「抹茶」でも狙う味わいやコストによって最適な産地は変わるため、用途起点で産地を選べることは、ブランドの個性づくりに直結します。
第三に、OEM・プライベートブランドに対応し、小ロットの試作から月単位の安定供給までスケールできます。テスト販売で手応えを確かめ、軌道に乗ったら供給量を伸ばす——UAEでブランドを育てる現実的な進め方に寄り添います。立ち上げ初期のリスクを抑えながら、需要の伸びに合わせて供給を拡張できる体制は、UAEのように成長スピードの読みにくい市場で特に心強い選択肢です。
UAEで抹茶ブランドを成功させる展開フロー
UAEで抹茶ブランドを成功させるには、思いつきの順ではなく、設計の順で進めることが大切です。おすすめの流れは次のとおりです。
- 市場・チャネルの仮説づくり(誰に・どこで売るか)
- グレードとSKUの設計(セレモニアル/ラテ/製菓)
- サンプル取り寄せと現地テイスティング・テスト
- ハラル・二言語ラベルなど規制対応の準備
- パッケージと価格帯の確定(高温・ギフト需要を考慮)
- 初回ロットでのテスト販売と反応検証
- リピート供給と季節商品・チャネル拡張
重要なのは、各ステップを行き来しながら改善することです。テスト販売の反応を商品設計やチャネル戦略にフィードバックし、小さく試して素早く磨き込む——この反復こそが、成熟と多様性が同居するUAE市場で勝ち残るための実践的なアプローチです。最初から完璧を目指すより、現地の反応をデータとして取り込みながらブランドを育てる姿勢が、結果的に近道になります。
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まとめ
UAEの抹茶市場は、ノンアルコール文化・ウェルネス志向・ギフト文化・SNS映えという複数の追い風を受け、これから本格的に広がるフェーズにあります。勝ち残るのは、規制対応を前提としつつ、現地ニーズに最適化した「商品設計」と「安定供給」を両立できるブランドです。グレード・フレーバー・パッケージ・価格・チャネルを一体で描き、信頼できるサプライヤーと組むことが、成功への最短ルートになります。そして、UAEでの成功は中東・アフリカ全体への扉を開く一歩でもあります。
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