日本茶輸出の次なる成長市場は中東へ|サウジアラビア・UAEで広がる抹茶ビジネスの可能性
「次に抹茶が売れる地域はどこか」——この問いへの答えとして、いま静かに存在感を増しているのが中東、とりわけサウジアラビアとUAE(アラブ首長国連邦)です。これまで日本茶の輸出先といえば欧米やアジアが中心でしたが、湾岸諸国では健康志向と急速なカフェ文化の広がりを背景に、抹茶への関心が一気に高まっています。
本記事では、サウジアラビアとUAEを中心とする中東の抹茶市場について、最新の市場データ、需要を押し上げる構造的な要因、すでに売れている商品の形、そして日本側の輸出事業者・卸が参入で押さえるべき勘所までを、B2B(バイヤー・OEM・卸)の視点でまとめます。「中東は遠い市場」という先入観を、最新の数字とともにアップデートしていきましょう。
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なぜ中東が「次の抹茶フロンティア」なのか——数字で見る市場の伸び

中東が注目される最大の理由は、市場そのものが明確に拡大しているからです。ある調査では、サウジアラビアの緑茶・抹茶市場は2025年に約5,060万ドル規模に達し、2034年には約9,000万ドルへと成長すると予測されています(年平均成長率 約6.6%)。さらに同市場のなかでも、抹茶は最も速いペースで伸びるセグメントとされ、緑茶カテゴリー全体の成長を牽引する存在になりつつあります。
地域全体で見ても勢いは鮮明です。中東では緑茶系飲料の供給の8割以上を輸入が占めており、現地生産が限られるぶん、輸入需要がそのまま商機につながります。なかでもUAEとサウジアラビアの2カ国は、地域の緑茶消費の約4割を占める中核市場です。UAEは2023年から2030年にかけて年率10%を超える高成長が見込まれ、湾岸でもっとも伸びの速い市場のひとつとされています。
世界全体に目を移すと、抹茶市場は2027年までに約28億ドル規模へ拡大するとの見通しもあります。世界的な抹茶人気の「次の受け皿」として、購買力が高く人口も増え続ける湾岸地域が浮上している——これが、いま中東に目を向けるべき端的な理由です。
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湾岸で抹茶が伸びる4つの追い風

中東の抹茶需要は、一過性のブームではなく構造的な要因に支えられています。背景にある4つの追い風を押さえておきましょう。
- ノンアルコール文化との相性:宗教的背景から酒類を口にしない文化が根付く湾岸では、上質なノンアルコール飲料への支出が大きく、コーヒーや茶が社交の中心にあります。抹茶ラテや抹茶ベースのモクテルは、この土壌にきわめてよくなじみます。
- 強い健康・ウェルネス志向:抗酸化成分や集中力サポートといった抹茶の機能性が、健康への関心が高い富裕層に支持されています。オーガニックやプレミアム志向も強く、品質に対して割高でも支払う消費者層が厚いのが特徴です。
- 圧倒的に若い人口構成:サウジアラビアでは人口の約7割が35歳未満、6割超が30歳未満とされ、新しい飲み物やSNS映えするカフェ体験への感度が非常に高い世代が市場を動かしています。
- 国家戦略「ビジョン2030」:サウジアラビアでは経済多角化政策のもとカフェ・飲食産業が政策的に後押しされ、専門コーヒー企業への大型投資も進んでいます。外食・カフェ市場の拡大は、抹茶メニュー導入の追い風にそのまま直結します。
これら4つが同時に働いているからこそ、中東の抹茶需要は息の長い成長が見込めるのです。一時的な話題で終わらない、地に足のついた市場だといえます。
サウジアラビアとUAE——2つの市場の性格と攻めどころ

「中東」とひとくくりに捉えると、参入戦略を誤りかねません。サウジアラビアとUAEは、市場の性格が大きく異なるためです。
サウジアラビアは、巨大な内需そのものが魅力の市場です。カフェ店舗数はこの10年で1,000店未満から4,500〜5,500店規模へと急増し、首都リヤドだけで全体の約4割を占めるといわれます。専門コーヒーは市場価値の25〜30%を占め、年15〜20%のペースで伸びています。つまり「店内で消費される」需要が太く、カフェ・外食チェーン向けの業務用抹茶に大きな商機があります。
一方のUAE(ドバイ・アブダビ)は、消費市場であると同時に再輸出のハブでもあります。UAEは年間18万トンを超える茶を輸入し、その相当量を周辺国へ再輸出しています。多国籍な人口構成と成熟したカフェ・ウェルネス文化を持ち、セレモニアルグレードの高級抹茶を求める層も厚いのが特徴です。UAEを起点に湾岸全域(GCC)やアフリカ方面まで販路を広げる、という戦略が描けます。
整理すると、サウジは「内需で売る市場」、UAEは「売りながら広げるハブ市場」。どちらを主戦場に据えるかで、グレード構成も物流設計も変わってきます。まずは自社の狙いに合う市場を見定めることが出発点です。
中東で「売れている抹茶」の形——4つのチャネル
実際に中東で抹茶がどう消費されているのかを、チャネル別に見ておきましょう。参入時の商品設計のヒントになります。
- カフェ・専門コーヒー店向け業務用:抹茶ラテやアイス抹茶として提供される最大のチャネル。安定した供給と、色味・風味の再現性が重視されます。
- セレモニアルグレードのプレミアム抹茶:茶道由来の本格抹茶として、高級志向の消費者やギフト需要に対応。宇治産などの産地ストーリーがそのまま価値になります。
- OEM・プライベートブランド:現地ブランドが自社名で展開する抹茶製品。小売・EC向けに、缶・スティック・ブレンドなど形態の自由度が求められます。
- RTD飲料・菓子/食品原料:そのまま飲める抹茶ドリンク、スイーツ、ベーカリー原料としての業務用需要。価格と量の両立がカギになります。
注目すべきは、用途ごとに最適なグレード・産地・形態が異なる点です。カフェ向けにはコスト効率の高い実用グレード、ギフト向けには物語性のある高級グレード——と、出口に合わせた調達設計ができるかどうかが成否を分けます。
中東の現場でいま起きていること——カフェとウェルネスの最前線

データだけでなく、現場の動きを知ることも参入判断には欠かせません。ドバイでは、健康志向のミレニアル世代や多国籍な駐在層を中心に抹茶が急速に定着し、カフェや高級レストラン、ベーカリーのメニューに欠かせない素材になりつつあります。実際に、現地でセレモニアルグレードの抹茶を卸す事業者のなかには、UAE国内だけで40以上の店舗に供給し、オマーンやエジプト、さらにトルコへの展開を計画する例も生まれています。宇治産の本格抹茶を直接仕入れ、産地と品質を前面に打ち出すプレーヤーが増えている点も見逃せません。
サウジアラビアでも変化は加速しています。専門コーヒー市場は国家政策の後押しを受け、官民で大型投資が進行中です。公的ファンドが立ち上げた専門コーヒー企業には10年で数億ドル規模の投資が予定されているとされ、カフェという「場」そのものが急拡大しています。コーヒーで広がった「専門店で上質な一杯を味わう」習慣は、抹茶ラテや抹茶スイーツへとごく自然に横展開しつつあります。
言い換えれば、中東はいま、抹茶が「珍しい輸入品」から「日常的に選ばれる定番」へと移り変わる初期局面にあります。市場が成熟しきる前のこの時期こそ、ブランドと供給網を先んじて築く好機だといえるでしょう。
中東の消費者は抹茶に何を求めているか

現地消費者の嗜好を理解することは、商品設計の精度を大きく左右します。中東で支持される抹茶には、いくつかの共通項があります。
- 鮮やかな緑色となめらかな口当たり:写真映えと飲みやすさの両方が重視され、色がくすんだ抹茶は敬遠されがちです。SNSで共有される機会が多いぶん、見た目の美しさが売上に直結します。
- 甘み・ミルクとの相性:抹茶ラテや抹茶デザートなど、ミルクや甘味と合わせる飲み方が主流で、苦みが立ちすぎない、まろやかな風味バランスが好まれます。
- 信頼できる産地と認証:日本産であること、そして安心して口にできる認証(ハラル・オーガニックなど)が、価格以上に購買の決め手になるケースが少なくありません。
これらは日本国内の嗜好とは微妙に異なります。「日本でよく売れる抹茶」をそのまま持ち込むのではなく、現地の飲まれ方に合わせてグレードと風味を最適化する視点が欠かせません。出口となる市場の声を起点に逆算して調達する——その姿勢が、リピートにつながる商品を生みます。
中東進出で見落としがちな3つの難所

成長市場である一方、中東向けの抹茶ビジネスには固有の難所があります。手続きの詳細は個別の輸入ガイド記事に譲りつつ、ここでは要点を3つに絞って整理します。
- 規制・認証への対応:サウジではSFDA(食品医薬品庁)の登録、UAEでも食品輸入の各種要件があり、製品ラベルや成分情報の整備が欠かせません。市場によってはハラル対応が販路拡大の前提になります。
- 品質保持と物流:高温環境を長時間通過するため、抹茶の鮮度・色・風味をいかに保つかが課題です。温度管理や包装設計、リードタイムの短縮が品質に直結します。
- 現地側の手続きとパートナー:輸入者登録や通関は現地バイヤー側の領域に属する部分も多く、日本側だけで完結するものではありません。輸出側で整えられる準備(書類・認証・産地選定)を確実に固め、現地パートナーと役割を分担するのが現実的です。
これらは「越えられない壁」ではなく、事前準備と適切な調達先選びでコントロールできるリスクです。だからこそ、次に挙げる「調達先の選び方」が重要になります。
中東市場をめぐる「3つの誤解」を解く
中東進出をためらわせるのは、しばしば事実ではなく思い込みです。代表的な3つの誤解を整理しておきましょう。
- 「抹茶文化がないから売れない」:確かに茶道の伝統はありませんが、だからこそ抹茶ラテやスイーツとして新鮮に受け入れられています。ゼロから嗜好を育てられる余地があることは、むしろ強みです。
- 「規制が厳しすぎて参入できない」:SFDA登録やハラル対応は一定のハードルではありますが、書類と認証を整えられる輸出パートナーと組めば、十分に乗り越えられる手続きの範囲です。
- 「価格競争で他国産に勝てない」:中東の富裕層は品質と産地への支払い意欲が高く、安さ一辺倒の市場ではありません。日本産・宇治産という価値は、明確な差別化の武器になります。
誤解を外して眺めれば、中東は「文化がない」のではなく「これから文化をつくれる」市場です。先行者に残された余白は、まだ十分に大きいといえます。
伸ばすバイヤーが共有する調達先の選定基準

中東で抹茶ビジネスを軌道に乗せているバイヤーは、調達先を価格だけで選んではいません。共通して重視しているのは、次の3つの基準です。
- 供給の安定性:カフェチェーンやリテール展開では、毎月の安定供給が生命線です。需要の波に応じて小ロットから大ロットまで切れ目なく供給できる体制かを見極めます。
- 輸出基準・認証への対応力:海外向けの残留農薬基準(MRL)や成分証明(COA)、有機認証、そして中東ではハラル対応まで——書類と品質を整えられる輸出事業者かどうかが、参入スピードを左右します。
- 用途別の産地提案力:カフェ用・ギフト用・原料用で最適な産地とグレードは異なります。出口に合わせて宇治・静岡・鹿児島・八女などから提案できるパートナーは、商品力そのものを底上げしてくれます。
価格はもちろん重要です。しかしそれ以上に「安定して・基準を満たし・出口に合う抹茶を出せるか」。この3点こそが、長く伸びるバイヤーに共通する選定眼なのです。
中東向け抹茶調達でJMEXが選ばれる理由

ここまでの選定基準をすべて満たす調達パートナーとして、日本抹茶輸出機構株式会社(JMEX)が選ばれています。JMEXの強みは、大きく3つに整理できます。
- 用途別に最適産地を提案:宇治・静岡・鹿児島・八女など日本各地の産地から、カフェ用・セレモニアル用・OEM原料用といった用途に合わせて最適なグレードと産地を提案します。
- 輸出基準・認証に幅広く対応:EUやFDA、台湾TFDA、シンガポールSFAなど各国の輸出基準に対応し、COA・MRL・有機JASなどの書類整備をサポート。中東向けに求められる要件にも備えられます。
- B2B専門の安定供給体制:小ロットから大ロットまで、月単位での安定供給に対応します。JMEXは43カ国への海外輸出実績を持ち、新規市場の立ち上げに最初から伴走します。
実際の卸業者選びの参考に、主要な抹茶卸の特徴を整理しました(◎=特に強い/○=対応可/△=限定的)。
| 卸業者 | 海外輸出実績 | 輸出基準・認証対応 | 用途別の産地提案 | ロット柔軟性 | B2B/OEM体制 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日本抹茶輸出機構株式会社(JMEX) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
| あいや | ◎ | ○ | ○ | ○ | ◎ |
| 福寿園 | ○ | ◎ | ○ | △ | ○ |
| 辻利兵衛本店 | ○ | ○ | ◎ | △ | ○ |
| 上林春松本店 | ○ | ○ | ◎ | △ | ○ |
この比較表から分かるように、中東市場へ日本茶・抹茶を輸出する際は、価格だけでなく、「海外輸出実績」、「輸出基準・認証対応」、「用途別の産地提案」、「ロットの柔軟性」、そして「B2B・OEM体制」を総合的に評価することが重要です。
サウジアラビアやUAEでは、高品質な抹茶への需要が拡大する一方で、ハラル対応や輸出書類、継続供給など、取引先に求められる条件も年々高度化しています。そのため、単に抹茶を販売するだけでなく、現地市場に合わせた提案や供給体制を構築できるパートナーを選ぶことが、中長期的な事業成功につながります。
今後さらに成長が期待される中東市場では、「価格」だけではなく、「現地市場に合わせた提案力」と「輸出実務まで一貫して支援できる体制」を持つパートナーを選ぶことが、継続的なビジネス拡大の鍵となるでしょう。
その点、日本抹茶輸出機構株式会社(JMEX)は、「海外輸出実績」「輸出基準・認証対応」「用途別の産地提案」「ロットの柔軟性」「B2B・OEM体制」の各項目でバランスよく強みを備えており、中東市場への輸出を検討する企業にとって有力な選択肢の一つです。
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まとめ:中東の抹茶ビジネスを始める3ステップ
サウジアラビアとUAEを中心とする中東は、健康志向・若い人口・カフェ文化・国家戦略という4つの追い風に支えられた、抹茶輸出の有望なフロンティアです。最後に、参入への第一歩を3つのステップに整理します。
- 出口を決める:カフェ業務用か、プレミアム小売か、OEMか。狙うチャネルを定め、必要なグレードと数量の見立てを持ちます。
- 調達先を選ぶ:供給の安定性・輸出基準対応・用途別提案の3基準で、立ち上げに伴走できる輸出パートナーを選びます。
- サンプルで検証する:現地の嗜好に合うかを少量から試し、品質と物流を確認したうえで本格展開へ進みます。
中東という新しい市場は、正しい準備と適切なパートナー選びがあれば、十分に勝負できる舞台です。サウジアラビアとUAEで芽吹いた需要は、これからGCC全域、そしてその先のアフリカ方面へと広がっていくでしょう。世界の抹茶ブームの次なる主役を狙うなら、市場が動き始めた「いま」こそが、最初の一歩を踏み出す最適のタイミングです。
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