抹茶の供給難が深刻化|世界的ブームの裏で何が起きているのか?

世界中で抹茶が注目を集めるなか、日本国内では“抹茶の供給難”という深刻な問題が表面化しています。京都の老舗から全国のカフェチェーンにいたるまで、在庫切れや販売制限が相次ぎ、「本物の抹茶」が手に入りにくい状況が続いています。

本記事では、抹茶の供給不足が起きている理由を多角的に解説するとともに、中国産抹茶の台頭や今後の対応策、他の日本茶とのバランス戦略までを網羅的に紹介します。抹茶の本質的な価値と、これからの選び方を見直すヒントをお届けします。

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世界的な抹茶ブームが日本に与える影響

抹茶は今や世界のスーパーフードとして、アメリカやヨーロッパ、アジア各国で圧倒的な注目を集めています。「MATCHA」は健康・美容・文化の象徴として、グローバルなライフスタイルに定着しつつあります。

なぜ世界が抹茶に熱狂しているのか?

特にアメリカでは、ハリウッドにオープンした抹茶バー「KETTLE TEA」がSNSで話題となり、25種の抹茶中21種が連日品切れという現象が起こるなど、“抹茶ラッシュ”が進行中。ロサンゼルスでは「欲しい抹茶が買えない」という声すら出始めています。

輸出は過去最高、でも日本国内は“空っぽ”?

農林水産省によると、2019年の緑茶輸出量は8,798トンを記録。
抹茶輸出額は364億円を突破し、過去最高を更新しました。

  • 鹿児島県の抹茶メーカー「ヘンタ製茶」では生産の8割を碾茶(てんちゃ)に転換し、米国・EUに直接輸出
  • 米国向けの関税引き上げ(最大24%)にも備え、フランスやドイツなど12か国に販路を拡大

しかしこの世界的ブームの“光”の裏で、日本国内では深刻な供給難が発生しています。

抹茶の品薄が日本全国に波及

  • 京都「丸久小山園」や「一保堂茶舗」では、販売制限・価格改定が相次ぐ
  • 埼玉・狭山市の老舗では「注文を断らざるを得ない」と公式に発表
  • 東京・築地の寿月堂では、転売目的の大量購入を制限

日本国内では、訪日観光客やインフルエンサーの“抹茶爆買い”により在庫が圧迫され、業者間では原価が2〜3倍に高騰する事例も見られます。

供給が追いつかないのはなぜ?

  • 抹茶は手摘み・日陰栽培・石臼挽きと生産効率が極めて低い
  • 専用の粉砕工場の整備が限られ、碾茶から抹茶への加工がボトルネックに
  • 生産農家の高齢化と後継者不足で、拡大が困難

また、円安の影響で輸出の方が収益性が高く、国内供給より海外優先という動きも進んでいます。

抹茶ブームはどこまで広がるのか?

  • YouTube登録者60万人のインフルエンサー「アンディ・エラ」氏が立ち上げた抹茶ブランドは、わずか半年で13万缶以上を販売
  • 海外では「抹茶を自宅で点てたい」「本物の味を知りたい」という層が拡大中

世界の抹茶市場は数十億ドル規模に成長中。今後もこの傾向は続くと見られています。

抹茶の供給が難しい理由|生産現場のリアル

抹茶はその魅力的な味わいと機能性から世界中で人気を集めていますが、実は他のお茶と比べて圧倒的に生産効率が悪く、短期的な増産が困難な作物です。

栽培から加工まで、手間と技術のかたまり

抹茶の原料である「碾茶(てんちゃ)」は、以下のような工程を経てようやく仕上がります:

  • 日陰栽培(覆下栽培):光合成を抑え、甘みと旨味を引き出す
  • 手摘み収穫:品質を保つため、今でも手作業が中心。高齢農家の労力に強く依存
  • 蒸し・乾燥・葉の選別:手間と熟練を要する伝統工程
  • 石臼製粉:摩擦熱を避けながらゆっくり挽くため、1時間で約30g=抹茶ラテ5〜6杯分しか製粉できない

粉砕工場の不足もボトルネック

仮に碾茶まで生産できても、抹茶にするためには専用の粉砕施設が必要です。
高性能な冷却装置付き金属臼を使って高速で挽く方法が主流ですが、こうした粉砕工場は全国でも限られており、新設にも多額のコストがかかります。

  • 多くの生産地で「碾茶までは作れるが、抹茶に加工できない」状態に
  • 一部の企業しか輸出用の粉末加工体制を持てていない

その結果、希少な製粉枠に注文が殺到し、加工の“順番待ち”状態が発生しています。

高齢化と人材不足が構造的課題に

加えて、農家の高齢化と後継者不足という構造的な問題も深刻です。

抹茶づくりは、ただの農作業ではなく、文化と技術の継承でもあります。設備投資だけでなく、人材の育成にも長い時間が必要なのです。

日本の有名抹茶ブランドでも販売制限が発生

高品質な国産抹茶は今や「欲しくても買えない」商品となりつつあるのです。

予約停止や在庫制限が相次ぐ

埼玉・狭山市で15代続く老舗茶農家・奥富正博氏は、公式サイトに「抹茶の新規注文受付停止」の告知を掲載。需要に対して生産が追いつかず、受注を制限せざるを得なくなっています。

また、東京・築地の老舗茶舗「寿月堂」でも、次のような対応が取られています。

「仕入れ制限は厳しく設けていませんが、転売が疑われるお客様には大量販売をお断りする場合もあります」
— 店長・錦田重仁

こうした制限は「品質維持」や「公平な供給」のためであり、大量購入による在庫消失や転売被害を防ぐ措置でもあります。

海外需要が背景にある

制限の背景には、海外市場への急速なシフトがあります。たとえば、フランス人インフルエンサー・アンディ・エラ氏が立ち上げた抹茶ブランドでは、三重県産の抹茶を使用し、わずか半年で13万缶以上を販売。現在も需要は伸び続けています。

抹茶は“選ばれるラグジュアリー食材”に

かつては嗜好品だった抹茶が、今やスーパーフードとして再定義され、価格と供給の主導権がグローバル市場に移りつつあるのです。品薄によって価格が上昇し、国産抹茶はプレミアム商品の様相を帯び始めています

今後どうなる?消費者への影響

このような状況が続けば、以下のような影響が懸念されます。

  • 抹茶製品の価格上昇
  • 一般向け商品に外国産ブレンドの増加

日本国内の抹茶ファンも、「買えるうちに買う」という行動が必要になってくるかもしれません。

中国の抹茶産業が急成長中

日本の供給難を受けて、中国の台頭しています。

貴州省の抹茶生産の優位性とは?

  • 高地・湿潤な気候で高品質な茶葉が育つ
  • 世界最大級の抹働(年間生産量1,000トン超)
  • 2025年には日本への抹茶輸出も開始し、スターバックスや海底撈火鍋などと提携

今後は、中国抹茶が日本抹茶の代替品として流通する可能性もあり、日本ブランドの競争力維持が課題となるでしょう。

米国では“偽抹茶”も懸念される|品質担保の重要性

アメリカ市場では、抹茶の需要拡大とともに「グリーンティーパウダーを抹茶として販売する」業者も出現。
品質基準が曖昧なまま流通することで、消費者の混乱やブランド価値の毀損が懸念されています。

だからこそ、本物の抹茶の香り・味・栽培背景を伝えることが重要です。

抹茶不足は“他の日本茶ブーム”に転機をもたらすか

抹茶だけでなく、煎茶・ほうじ茶・和紅茶など日本茶全体の魅力を再発信することで、需要の分散が期待できます。

供給難への対策として注目される日本茶の例:

  • ほうじ茶:カフェインが少なく、女性層に人気
  • 和紅茶:海外の紅茶文化と親和性が高い
  • 煎茶:伝統的ながらも手軽なティーバッグ製品が好調

抹茶人気を「日本茶全体への関心拡大」へとつなげることが、持続的な供給戦略の鍵となるでしょう。

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まとめ|抹茶の未来を守るためにできること

現在、抹茶は「世界が注目する日本の宝」ともいえる存在ですが、その生産と流通は今まさに岐路に立たされています。

・世界的な抹茶ブームで日本国内は深刻な供給難に直面
・生産は時間・技術・人材に依存し、すぐには増やせない
・中国をはじめとする海外勢の台頭が始まっている
・日本茶全体の魅力を発信し、需要の分散も重要な一手

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