2027年の抹茶価格はどうなる?市場動向・供給不足・調達見通し

2027年の抹茶価格はどうなる?市場動向・供給不足・調達見通し

2027年の抹茶価格は、現在進行中の供給制約と世界需要の拡大が続くと仮定すると、2024年比で高止まりまたはさらなる上昇が見込まれます。てん茶(抹茶の原料)の増産には植え付けから本格収穫まで約5年を要するため、2026〜2027年の需給改善は限定的です。食品メーカー・カフェ・卸商社の調達担当者は、今から複数シナリオに対応した調達計画を持つことが重要です。

本記事では、農林水産省や財務省の公表データをもとに、抹茶 価格 2027の見通しを楽観・中立・悲観の3シナリオで整理します。構造的な供給制約のメカニズム、グレード別の価格比較、そして今すぐ実行できる調達リスク低減策まで、法人バイヤー向けに具体的に解説します。

この記事のポイント

  • てん茶の増産は2027〜2028年まで本格化せず、供給不足は構造的に継続する見通し
  • 世界の抹茶需要は急拡大が続いており、農林水産省・JETROの報告でも輸出額の記録更新が続いている。需要圧力は国内外ともに高まっている
  • グレード・産地・認証(有機JAS・ハラール)によって価格帯と入手難易度が異なる
  • 長期取引関係の構築・産地分散・複数グレードの組み合わせが調達リスクを下げる鍵
  • 価格シナリオを3パターンで把握し、コスト計画に反映させることが実務上の安全策となる

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なぜ今、抹茶価格が上昇しているのか

抹茶価格の上昇は、単年の気候変動や一時的なブームではなく、需要と供給の構造的なミスマッチによって引き起こされています。現状を把握することが、2027年の価格見通しを理解する出発点になります。

世界需要の急拡大

財務省の貿易統計によると、2025年の日本産緑茶(抹茶を含む)の輸出額は過去最高を更新しました(農林水産省「お茶に関する情報」2026年時点)。米国向けが特に急拡大しており、JETROの報告では米国内のカフェチェーンや食品メーカーが抹茶の確保に奔走する状況が続いています(JETRO「米抹茶市場の急成長で価格が高騰」2025年10月)。東南アジアでも、抹茶ブームが一過性の流行を超えて日常消費へと移行しつつあり、ASEAN各国での定着が需要を底上げしています(JETRO「抹茶ブームを経て本格的な普及段階に移行するASEAN日本茶市場」2026年)。

てん茶の供給制約

抹茶の原料であるてん茶は、日よけ栽培(遮光)が必要な特殊な製法を要します。新たに茶園を整備しても、本格的な収穫まで約5年かかるとされており、需要の急増に生産量が追いつかない状況が続いています。農林水産省の資料によると、てん茶の生産量は令和7年産で平成26年産の約3.2倍に増加していますが、世界的な需要拡大のペースには追いついていません(農林水産省「お茶関連資料」)。さらに、日本国内のお茶農家数は15年で大幅に減少しており、新規参入や大幅な増産が難しい構造的背景があります。

大手メーカーによる原料囲い込み

大手飲料メーカーや食品企業が長期契約によって大量の原料を確保する動きが加速しています。これにより市場に流通する抹茶の量が実質的に減り、中小規模の調達先が希望数量・グレードを確保しにくくなっています。収益性の高いてん茶への生産転換が進んだ結果、煎茶など他の日本茶の原料不足という副作用も生じています。

2027年の抹茶価格:3つのシナリオ

2027年の価格水準は確定していません。ここでは、主要な変数(生産量・輸出需要・代替品の普及)の動向に応じた3つのシナリオを整理します。これらはあくまで調達計画の前提条件を設定するための思考フレームであり、実勢価格の予測ではありません。

シナリオ 前提条件 価格の方向性(2024年比) 調達への影響
楽観シナリオ 生産量の増加傾向が定着。鹿児島・静岡など新産地の増産が継続。大手メーカーが囲い込みを緩和 横ばい〜微減(高値水準での安定化) 長期契約の更新交渉がしやすくなる可能性。ただし高値水準は継続
中立シナリオ 生産量は増加するが需要増を吸収しきれず需給は逼迫継続。主要産地での気候変動の影響が限定的 横ばい〜中幅の上昇(高値水準での高止まり) 現行の調達コストを維持できるか不透明。複数供給元の確保が必要
悲観シナリオ 主要産地での異常気象・被害。輸出需要がさらに拡大。国内農家の廃業・転業が加速 現行の高値水準を大きく上回る上昇も想定内 希望グレードの確保困難。代替グレード・産地の事前検討が不可欠

中立シナリオが現時点では最も現実的な見立てとされていますが、農業分野では気候変動の影響が読みにくく、実際には悲観シナリオへの備えも欠かせません。いずれのシナリオでも、現在の水準から大幅に下落する可能性は低いと考えられます。

グレード・産地別の価格帯と用途ガイド

抹茶の調達コストは、グレード・産地・認証の有無によって大きく異なります。以下の表は一般的な市場感覚に基づく参考的な価格帯の整理です。個別の取引条件(数量・産地指定・認証仕様・時期)によって実際の価格は変動しますので、仕入れ検討の出発点としてご活用ください。

グレード分類 主な用途 主要産地(例) 認証の有無 調達上の注意点
セレモニアルグレード 抹茶点て・高級茶道用途・プレミアムラテ 京都(宇治)、福岡(八女) 有機JAS対応品あり 入手量が限定的。長期関係なしには安定確保が難しい
プレミアム食品グレード 高級菓子・アイスクリーム・チョコレートコーティング 宇治・鹿児島・三重 有機JAS・ハラール対応品あり 風味と色調のバランスが重要。サンプル検証を必ず実施
食品加工グレード ドリンク・スイーツ製造・麺類・調理用 鹿児島・静岡・三重 JAS・ハラール対応品あり 大量調達が比較的しやすいが、色・香りの品質幅が広い
工業用・フレーバー用途 大量生産飲料・フレーバー原料・調合品 国産(産地混合)・ブレンド品 要確認 国産比率・原料表示の要件を事前に確認すること

有機JAS認証付き製品は、認証取得・維持コストが反映されるため、一般品より高くなる傾向があります。ハラール認証の有無は、中東・東南アジア向け製品の場合に輸出要件となる場合があります。要件が不明な場合は、仕入れ先に個別に確認することをお勧めします。

調達コストの試算フレームワーク

調達担当者が社内で予算を立てる際には、単価だけでなくトータルの調達コストを試算することが重要です。以下は計算の考え方を示した算術例です。仮定の数値を使った例示であり、実際の市場価格や取引条件を示すものではありません。

試算例(仮定値・検討の出発点として)

  1. 使用量の確認:月間製造量 × 配合率(例:飲料1杯あたりの抹茶使用量)から月間必要量(kg)を算出する
  2. 単価帯の仮置き:グレード・産地に応じた参考単価帯をサプライヤーから取得し、高め・中間・低めの3ケースを設定する
  3. シナリオ別コスト:楽観・中立・悲観の価格シナリオを適用し、年間調達コストの幅を把握する(例:単価が20%上昇した場合の年間追加コスト = 月間調達量 × 12 × 単価増分)
  4. 代替グレードのコスト比較:プレミアムグレードと食品加工グレードを比較し、品質基準を維持できる範囲での代替可能性を評価する
  5. バッファー在庫のコスト:1〜3ヶ月分の安全在庫を持つ場合の資金コスト・保管コストを試算する(抹茶粉末は適切な保管(密封・低温・遮光)で品質を維持できる)

実際の価格は取引条件によって変わるため、この算術フレームに現在の見積もり価格を代入して自社のリスク感度を把握することをお勧めします。

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調達リスクを下げる実務的な手法

供給不足・価格高騰に備えるための実務的な対策を、優先度順にまとめます。すべてを同時に実施する必要はなく、自社の調達規模・リスク許容度・品質要件に応じて取捨選択してください。

供給安定化のための行動チェックリスト

  • ☐ 早期発注・長期取引の検討:収穫シーズン(4〜6月の一番茶)前に需要見通しを共有し、優先供給枠を確保する
  • ☐ 複数サプライヤーの確保:1社依存を避け、産地・グレードの異なる2〜3社から調達する体制を構築する
  • ☐ 産地の分散:宇治・鹿児島・静岡・三重など複数産地から調達し、特定地域の気候リスクを分散する
  • ☐ グレードの代替許容幅の設定:自社製品の品質基準を見直し、代替グレードへの切り替え条件を事前に設定しておく
  • ☐ 安全在庫の設定:適切な保管環境(密封・低温・遮光)のもとで1〜3ヶ月分のバッファー在庫を持つ
  • ☐ 書類要件の事前整理:有機JAS・ハラール・残留農薬(ポジティブリスト)など、販売先・輸出先の要件を整理し、仕入れ先に確認しておく
  • ☐ 代替原料の検討:一部用途で抹茶フレーバーや緑茶エキスとの組み合わせを設計上許容できるか確認する(品質・表示の影響を先に検証)

価格交渉・契約面での留意点

価格条件の交渉では、単価の最低化だけでなく供給量の確保優先度を条件に含めることが重要です。コモディティ的な価格交渉が通じにくい市場環境では、「優先供給枠の確保」「特定グレードの専用在庫の確保」といった安定性に価値を置く交渉が実態に即しています。また、価格条項(原料価格連動条項・価格改定の通知期間)を明文化しておくことで、急激な価格変動への対応がスムーズになります。

産地別・認証別の調達判断ガイド

「どの産地から、どの認証付きで、どのグレードを調達するか」は、自社製品の用途・価格帯・販売先によって変わります。以下に判断のための基準を整理します。

産地の特性(一般的な傾向)

  • 京都・宇治:日本を代表する茶産地。品質・ブランドへの期待が高い。希少性が高く、大量確保は難易度が高い
  • 鹿児島県:生産量は全国最大級。てん茶の生産も拡大中。食品加工グレードの大量調達に強み
  • 静岡県:総合茶産地として規模が大きい。品質幅が広いため、用途に合わせたグレード指定が重要
  • 三重県:忍者茶・いなべ産など独自の特色あり。産地指定の差別化素材として活用されるケースもある
  • 福岡県(八女):玉露・てん茶で高品質の実績。セレモニアルグレード向け

認証の選択基準

有機JAS認証は、農林水産省が定める有機農産物の生産方法基準に基づく国内認証です(農林水産省「有機食品の検査認証制度」)。欧米向け輸出製品や国内プレミアム商品で訴求効果があります。ハラール認証は、イスラム圏向け製品・輸出用途(中東・東南アジアのイスラム系市場)では取引要件となる場合があります。いずれの認証も、仕入れ先が認証を取得・維持しているか、証明書(COA・認証書)の発行に対応できるかを事前に確認することが重要です。

日本抹茶輸出機構(JMEX)が選ばれる場面

日本抹茶輸出機構株式会社(JMEX)は、日本産抹茶を海外へ輸出している事業者で、43カ国への海外輸出実績があります。

取り扱いグレードは、有機JAS認証付きのセレモニアルグレードから加工用まで幅広く、京都・宇治をはじめ、鹿児島・福岡・静岡など日本各地の産地の抹茶を取り揃えています。

JMEXが特に相談を受けやすい場面として、以下が挙げられます:

  • 業務用・OEM用の粉末抹茶のサンプルが必要で、用途・販売先に応じた産地・グレードの提案を受けたい
  • ハラール認証付きの抹茶を調達したい(輸出先のイスラム圏市場向け)
  • COA(品質分析証明書)・残留農薬検査結果・有機JAS関連書類など、輸出に必要な書類への対応を相談したい
  • 複数グレード・複数産地の抹茶を比較検討したい

価格・MOQ・納期・OEM対応範囲などの具体的な条件は、取引内容によって異なります。まずはサンプル依頼や調達相談という形でお問い合わせいただき、個別に確認することをお勧めします。

業務用抹茶の調達について相談する

抹茶の仕入れ計画、用途に合ったグレード、サンプル、取引条件などについて、日本抹茶輸出機構(JMEX)へご相談いただけます。

よくある質問(FAQ)

2027年の抹茶価格はどうなりますか?

確定的な予測はできませんが、てん茶の増産が本格化するまでには2027〜2028年かかるとみられ、供給制約は当面続く見込みです。楽観シナリオでは現在の高値水準での安定化、中立シナリオでは横ばい〜中幅の上昇、悲観シナリオでは現行水準を大きく上回る上昇も想定されます。いずれのシナリオでも、現在の価格水準から大幅に下落する可能性は低いと考えられます。

抹茶が値上がりしている根本的な理由は何ですか?

主な原因は3つです。①世界的な抹茶需要の急拡大(特に米国・東南アジア)、②てん茶の生産に5年以上かかるという構造的な供給制約、③大手メーカーによる原料の長期契約囲い込みです。農家数の減少という長期的な構造問題も背景にあります。

供給不足はいつ解消されますか?

農林水産省の資料によると、てん茶の生産量は増加傾向が続いていますが、世界需要の拡大ペースを考慮すると、2027年時点での完全な解消は難しいとみられます。構造的な改善には新規茶園の整備が不可欠であり、その効果が表れるには数年単位の時間が必要です。

業務用抹茶の調達リスクを下げるには何から始めればよいですか?

最初のステップは「現在の調達が1社依存になっていないか確認すること」です。次に、収穫シーズン(4〜6月)前に需要見通しを共有して優先供給枠の確認を行い、産地・グレードの異なる複数のサプライヤーとの関係を構築することが実務上の有効な対策です。

有機JAS抹茶とノーマル(慣行農法)抹茶の違いは何ですか?

有機JAS認証は、農林水産省が定める有機農産物の生産方法基準(化学合成農薬・化学肥料不使用など)に適合していることを認証機関が確認した製品です。コスト・供給量・認証書類の対応が通常品と異なります。欧米向け輸出やプレミアム商品での訴求には有効ですが、必ずしも全用途に必要ではありません。用途と販売先の要件に応じて選択してください。

産地(宇治・鹿児島・静岡など)によって品質・価格はどう違いますか?

産地によって土壌・気候・栽培品種・製法が異なり、風味・色調・価格帯に差が生じます。宇治産はブランド価値が高く希少性が高い傾向があります。鹿児島は生産量が多く食品加工グレードの大量調達に適しています。用途と品質要件に合わせてサンプル評価を行い、実際に判断することをお勧めします。

残留農薬規制(ポジティブリスト)への対応は必要ですか?

国内販売・輸出ともに、販売先の残留農薬規制への対応は必須です。日本国内では厚生労働省の「食品中の農薬等のポジティブリスト制度」が適用されます(厚生労働省「食品中の残留農薬等」)。輸出先の基準は国によって異なるため、COAや残留農薬検査結果の取得・管理体制を仕入れ先と事前に確認しておくことが重要です。

情報源と確認方法(Sources & Methodology)

本記事は、下記の公的機関などの公開情報と、編集部による実務観点の整理に基づいて作成しています。法令・統計・市況は更新されるため、最新情報は各一次情報でご確認ください。

Last reviewed: 2026年11月4日(編集部による情報源の確認時点)。数値例・計算例は考え方を示す仮定であり、実勢価格や特定事業者の取引条件を示すものではありません。

開示:抹茶タイムズは、日本産抹茶の輸出・供給を行う日本抹茶輸出機構株式会社(JMEX)が運営するメディアです。記事内のJMEXに関する記述は同社に関する事実に限り、editorial process として一次情報と照合しています。

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まとめ:2027年の調達に向けて今すぐ備えるべきこと

2027年の抹茶価格 見通しは「高止まり〜上昇継続」が現実的なシナリオです。構造的な供給制約と世界需要の拡大は、2027〜2028年にかけても解消されにくい見通しです。

  • 供給不足の根本原因はてん茶の増産に5年かかる構造的制約にあり、2027年時点での大幅な解消は難しい
  • 価格シナリオは楽観・中立・悲観の3パターンで社内コスト計画に反映させることが実務上の安全策
  • グレード・産地・認証の組み合わせを理解し、自社製品の要件と照らし合わせて選択する
  • 1社依存を避け、複数産地・複数サプライヤーへの分散調達体制を早期に構築する
  • 書類要件(有機JAS・ハラール・残留農薬検査結果)は販売先・輸出先の要件に合わせて事前整理する

次の一歩として、まず現在の調達先に2027年の供給見通しについてヒアリングし、並行して複数のサプライヤーにサンプル請求・見積もり依頼を行うことをお勧めします。調達先の選定や産地・グレードの比較検討については、専門の窓口へのご相談が近道です。

市場動向を踏まえた調達計画について、お気軽にご相談ください。用途・販売先に応じて、最適な産地・グレードをご提案します。

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